文大統領「南北関係改善すれば非武装地帯の遺骨発掘推進」
2018/06/06 12:21
【ソウル聯合ニュース】国を守るため犠牲になった人々を追悼する「顕忠日」の6日、韓国中部の国立墓地、大田顕忠院で追悼式が営まれ、あいさつに立った文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「朝鮮戦争で戦死した軍人と警察の遺骨発掘を最後の一人まで続ける」としながら、「南北関係が改善されれば、まず非武装地帯の遺骨発掘を進める」と述べた。また、国や人のために尽くした人が報われるよう、国としての役割と責任を果たすと繰り返した。
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あいさつする文大統領=6日、大田(聯合ニュース)
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政府が顕忠日の追悼式を大田顕忠院で催すのは1999年以来で2回目。これまで追悼式が開かれてきたソウル顕忠院は主に独立功労者や参戦功労者、軍人が葬られているが、大田顕忠院には1950年代に活動した民間組織の独島義勇守備隊、消防、殉職公務員の墓域もある。この日の式典はすべての犠牲者を忘れないという意味が込められた。
文大統領は「国家功労者の生き方が若い世代の心に伝わらなければならず、われわれの子孫が先代の国への献身を忘れず愛国者と義人の生き方を尊敬するよう、全国民が関心を持たなければならない」と呼びかけた。また、「愛国と報勲に保守と進歩(革新)の別はあり得ない」とし、「国を国らしくすることに国民が心を一つにすることを願う。それが韓国の力となり、未来になる」と強調した。
文大統領は「韓国の歴史はわが隣人と家族が平凡な日々を暮らしながらつくってきた歴史」と述べた。韓国の数々の苦難を乗り越えたのは平凡な隣人と普通の国民だったと振り返り、その際に犠牲になった隣人が大田顕忠院に眠るとした。人助けをして命を落とした人の名前を挙げ、隣人への温かい心と家族のため最善を尽くして生きてきたことが韓国を支える力になったとたたえ、「私たち自身のような平凡な国民が国の主という事実を自覚することができた」とした。
一方で、「いつでも国家から助けを受けられるという確固たる信頼があってこそ、すべてを国家に捧げることができ、それが真の愛国」と述べた。この日、顕忠院で身寄りのない人たちの墓を参ったとし、「無縁墓を韓国の名のもとに記憶しなければならない。それが国家に献身した心に応え、国民に国家を信じさせる国家の役割と責務」と強調した。
さらに、「報勲は国家への献身に対する尊敬であり、隣人のための犠牲が価値ある生き方であることを私たち皆の心に深く刻むこと、国を国らしくする基本」とした。平凡な日常の中で互いを思いやる全ての隣人と家族を誇らしく思うと繰り返しながら、「韓国の名で愛国の英霊と義人・民主烈士の意をたたえ、家族の悲しみと切なさを少しでも包みこめるよう国家の役割と責任を果たしていく」と誓った。