私には、恩師と呼べる人がいない。
何年前だろうか、
「モリー先生との火曜日」を読んだとき 、
恩師と呼べる人を作っておくべきだったと思った。
出会わなかったのか、あるいは、私が求めていなかったのか、
それとも、その両方のせいか。
RCサクセションの初期の曲に、
「ぼくの好きな先生」というのがある。
~タバコと絵の具ににおいの
僕の好きな先生、僕の好きなおじさん~
この曲が出た時、私は高校生だったが、
思い出したのは、小学校の時の図工の先生だった。
私が5年生の時に他校からやってきたその先生は、
子供の目から見ると、もう、おじいさんに近かった。
けれども風貌そのものが、芸術家独特の、
自由で創造的な香りを醸し出していた。
授業は新鮮で、美術の世界の果てしない広さを、
私は、初めて感じた。
終わると、教材の後片付けをするために、
男女ふたりづつ、生徒は残らなければならない。
その、残った4人の生徒に、先生はお茶を入れてくださり、
それは、まるで小さな、小さな、サロンのようだった。
お茶の入れ方や飲み方について、話された気がする。
他にも、私たちは、何かを尋ねられ、
そして、幾分緊張しながら、何かを答えていたように思う。
内容は、残念ながら、何も覚えていない。
が、その時流れた時間は、
とても大人びた時間のように思えた。
恩師とは呼べないが、
今一番お会いしたい先生、
それは、あなたです。
日下先生。
何年前だろうか、
「モリー先生との火曜日」を読んだとき 、
恩師と呼べる人を作っておくべきだったと思った。
出会わなかったのか、あるいは、私が求めていなかったのか、
それとも、その両方のせいか。
RCサクセションの初期の曲に、
「ぼくの好きな先生」というのがある。
~タバコと絵の具ににおいの
僕の好きな先生、僕の好きなおじさん~
この曲が出た時、私は高校生だったが、
思い出したのは、小学校の時の図工の先生だった。
私が5年生の時に他校からやってきたその先生は、
子供の目から見ると、もう、おじいさんに近かった。
けれども風貌そのものが、芸術家独特の、
自由で創造的な香りを醸し出していた。
授業は新鮮で、美術の世界の果てしない広さを、
私は、初めて感じた。
終わると、教材の後片付けをするために、
男女ふたりづつ、生徒は残らなければならない。
その、残った4人の生徒に、先生はお茶を入れてくださり、
それは、まるで小さな、小さな、サロンのようだった。
お茶の入れ方や飲み方について、話された気がする。
他にも、私たちは、何かを尋ねられ、
そして、幾分緊張しながら、何かを答えていたように思う。
内容は、残念ながら、何も覚えていない。
が、その時流れた時間は、
とても大人びた時間のように思えた。
恩師とは呼べないが、
今一番お会いしたい先生、
それは、あなたです。
日下先生。