折り合い

ちょっと前　後輩を誘って飲みに行った店は　以前まで仲間とよく通った馴染みの店

6月頃　友達と飲みに出かけたら店のシャッターに張り紙があって　少しの間閉店するとあった

そのすぐあとに店の前を通ったら再開した様子だったので　何事も無かったのだろうと想像していたのだが


暫くぶりに入ったその店内は　少し趣きが変わっていて　不況とはいえ客も少なめ

それにいつもの元気な店主の声が聞こえない


聞くところによると腰を痛めたらしく　しかももう店には立てないかもしれないという

例の張り紙は　その頃のものだったそうだ

客と話すのも　自身飲むのも好きで　楽しかったかどうかは知らないが　少なくとも嫌そうな顔はしていなかった


以前　この店で我が社の忘年会をしたことがある

その時一度だけの顔合わせで　社長は彼にすっかり嫌われた

おそらく　彼も社員とは仲の良い彼を快く思わなかったのだろう（けっこう嫉妬深い＾＾）

内輪の忘年会だから引っ込んでいろ　とまでは言わなかったが　それに近いことを言ったようだし

ぽっきり幾らでという予算内で　同席した懇意にしている取引先の社員も　こんな贅沢なのは珍しいというほど

それくらいのサービスをしてくれたのに　最後になってまけてくれないかと

酒の飲み方も　世間も知らない無粋な社長である


店主のほうも　もう頼まれてもお断りだと

けっこう気概のある人で　さっぱりとした嫌味のないところが気に入られるのか

席が無いことなどは　しょっちゅうだった

その彼が居ない店は　そのせいか客も少なくなったようにも見えて　

料理自体が変わったわけでもないのに　こういうものかと考えずにはいられなかった


彼は今　家で横になっていることが多いという

まだ50歳前　子供は4人で一番下は小学生だ

当然お酒は飲めないだろうし　店に立てない生活は　さぞかしつまらないことだろう

勿論　彼は彼なりに折り合いをつけていくのだろうとは思うが　私の残業がまた増えつつある今　

これはこれで　少なくともアンハッピーってわけじゃないと　まぁ　こうして私も折り合いをつけてるわけです