『まっくら』を読み終える
聞き書きという手法を取ったことで 生々しくリアルに話がしみ込んでくる
炭坑という特殊な場所での抗夫の生活を 私は初めて知った
炭坑は最後にたどり着く仕事場であり 過酷な労働でありながらも 男女や年齢の差別なく働いたことへの自負と同時に 戦後の社会の変化に取り残されたような 奇妙な後ろめたさのようなものがないまぜになったままの女坑夫だったお年寄りが 語ることのできる場を得たことは どれだけ彼女たちの誇りになったことか
「人間は信心より意思ばい」と語る言葉の重さ
坑内ではともに命を預けあっての作業なため 駆け落ちなどは日常茶飯事であるし ここには他とは全く違うモラルがあるが 生きることに対する根源的なものを感じて圧倒される
それにしても 語る事って大事なんだなあ
そして 聞く人の存在も