昨日 最後の粗大ごみを引き取ってもらうために家に帰った
箪笥や机を動かし 掃除をする
解体する家ではあっても 出来るだけ綺麗にしておきたかった
全てが無くなった家はがらんとして もう生活臭は無い
かつてはここも新築だったわけで 二人の子供を連れ 今と同じようにこのがらんとした家に引っ越してきた両親のことを思った
両親が亡くなってしばらくしてから 私はここを捨てようと決め 誰にでもそう言ってきた
退職後 家の整理を始めてからも その気持ちに変わりは無かった
だが いよいよとなって 私は土地の半分を売って家を建てると決めた
その決断が正しかったかどうか 今はまだわからない
ただ その計画を進める中で ひとつはっきりとわかったことがあった
私はこの家に住み続けたかったのだ
こんな大事業をやりたくない めんどくさい という気持ちもあるけれど もっと深い部分の 十分納得しているはずなのに駄々っ子のように割り切れていない心
どこに居ても家族の記憶の片鱗が漂うこの家は 庭の手入れや老朽化という現実を無視したくなるほど 私にとっては大事で快適なものだった
多大なる喪失感が押し寄せ 自分の無力を嘆き やりたくない事に向かわねばならない私にとって 大きなストレスになるのは当たり前のことだった
両親だけでなく 多くの人が夢を抱くマイホームは 私にとって何だろうか
私は これからここでどんな人生を送ろうとしているのだろうか
独り者で無職となった私が 大げさに言えば自分の死までの時間を自分でプロデュースし 演じていかなければならないと悟った瞬間だった
箪笥や机を動かし 掃除をする
解体する家ではあっても 出来るだけ綺麗にしておきたかった
全てが無くなった家はがらんとして もう生活臭は無い
かつてはここも新築だったわけで 二人の子供を連れ 今と同じようにこのがらんとした家に引っ越してきた両親のことを思った
両親が亡くなってしばらくしてから 私はここを捨てようと決め 誰にでもそう言ってきた
退職後 家の整理を始めてからも その気持ちに変わりは無かった
だが いよいよとなって 私は土地の半分を売って家を建てると決めた
その決断が正しかったかどうか 今はまだわからない
ただ その計画を進める中で ひとつはっきりとわかったことがあった
私はこの家に住み続けたかったのだ
こんな大事業をやりたくない めんどくさい という気持ちもあるけれど もっと深い部分の 十分納得しているはずなのに駄々っ子のように割り切れていない心
どこに居ても家族の記憶の片鱗が漂うこの家は 庭の手入れや老朽化という現実を無視したくなるほど 私にとっては大事で快適なものだった
多大なる喪失感が押し寄せ 自分の無力を嘆き やりたくない事に向かわねばならない私にとって 大きなストレスになるのは当たり前のことだった
両親だけでなく 多くの人が夢を抱くマイホームは 私にとって何だろうか
私は これからここでどんな人生を送ろうとしているのだろうか
独り者で無職となった私が 大げさに言えば自分の死までの時間を自分でプロデュースし 演じていかなければならないと悟った瞬間だった