信濃毎日新聞『月曜評論』(7/4付け)に掲載された、
上野千鶴子さんの「ソウルの世界女性会議レポート」記事、
「韓国フェミニズム事情」を上野さんの了解を得て、転載します。
ぜひお読みになってください。
(新聞記事につき、著作権者の許諾なしの転載を禁止します。)
韓国フェミニズム事情@信濃毎日新聞(7/4付)
ソウルで6月19日から24日にわたって開催された、第9回国際学際女性会議(略称
世界女性会議)へ参加した。ソウルは真夏だったが、会議もそれに劣らぬ熱気で、興
奮さめやらぬままに会議レポートをお届けしたい。
この会議は、一九八一年にイスラエルのハイファで開かれて以来、ダブリンやニュー
ヨーク等3年に1回の頻度で開催され、今年で9回を迎える(次回二〇〇八年はマドリッ
ド)。世界中から3千人を越すフェミニストが集まり、日本からも二百人を数える参
加者があった。四日間にわたって朝八時半から夕方六時半まで、毎日のように開かれ
る全体集会に加えて四つの時間枠に数十のセッションが同時進行し、そのうえ夜は、
連夜のレセプションやパーティ。どのセッションに行こうか迷うほどの盛況だった。
この会議には、韓国政府と女性省、およびソウル市が全面的に財政支援をし、多数
の企業の協賛を得た。韓国コカコーラの協賛で、会場で冷たい飲み物が飲み放題とい
うサービスがあったのは、広い会場を汗をかいて歩き回る参加者に好評だった。
日本からの参加者のため息を誘ったのは、この規模の国際女性会議が、いまの日本
で開けるだろうか、という問い。不況で自治体も企業もおカネがない、というだけで
はない。ネオ・リベの小泉政権と、オヤジまるだしの石原都政が、女性に財政支援を
してくれるとは思えない。韓国では大統領は直接選挙。いわば住民投票である。自治
体の首長の選挙も同じ。韓国大統領もソウル市長も、女性票の支持がなければ選挙に
勝てないことを知りぬいているのだろう。
それより、いまの日本をおおっているのは、ジェンダーフリー・バッシングなどの
フェミニズムへのバックラッシュである。一部の国会議員のなかには、ジェンダーと
いう用語を使うな、とか、大学でジェンダー関連の講義をするなという、無知蒙昧な
トンデモ発言すら見られる。すでに国際標準となった「ジェンダー」を使用禁止にす
れば、日本は世界の情報過疎地帯になるだけではない。言葉狩りと「学問の自由」へ
の重大な侵害となる。韓国とのこの落差はいったい何だろうか。
今回の会議で印象に残ったのは、韓国の若い女性が積極的にボランティアなどで参
加していたこと。「ヤング・フェミニスト」というフォーラムを設けて、外国からの
若い参加者と交流を図っていた。ここでは若者が「フェミニスト」とためらいもなく
名のり、先輩のジェンダー研究者と場を共有している。頬を染めて、国際的に大物の
研究者とやりとりする彼女たちの経験は、きっとその後に強い影響を残すだろう。日
本からもヤング・フェミニストの団体が参加していたのは心強かった。わたしは自分
の学外の活動になるべく学生を巻きこまないようにしてきたが、このときほどその方
針を後悔したことはない。沖縄旅行をする費用で行ける隣国だもの、呼びかけて連れ
てくればよかった。
日本で「フェミニズム」という言葉が否定的なイメージで使われ、若い女性がそう
呼ばれたくない、と感じるようになったのは、いつ頃からだっただろうか。まったく
日本は国際標準からはずれている。出会ったときに自分にとって力になる、そしてひ
とりだけで考えてきたわけじゃない、先輩の女たちから手渡される智恵が、フェミニ
ズムというものだったはずなのに。韓国をうらやましがってばかりはいられない。
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自分の住む国を否定することからは、何も生まれない始まらないと思うよ!
ボクが口を挟むべきじゃないのかも知れないけど、転記された上野さんの記事がどうも馴染めないから書いちゃったよ。
少しですが分かるような気がします。
日本のなかで矢面に立っている上野千鶴子さんの感覚。「ここではこんなにちゃんと評価されているのに」という気持ち。
日本では後退していますものね。
日本の若者だって、ちゃんと考えてる人は考えてるよ。自分たちの住んでる国がこれでいいのかって。
コメントありがとう。
わたし、上野さんも、上野さんの文章も大好きですよ。
あなたとは、まきストーブや暮らしぶり、たべものの好みは似てるけど、違いもあるようですね。
小泉さんも石原さんもだいっきらい。わたしが東京都民だったらもう耐えられないよ。たかが政治家の批判をしたからといって「自分の住む国を否定する」ことにはならない思うけど・・・・。
自分がいまここで、気持ちよく生きたいから、わたしは、「政治」の問題に深くかかわっています。
わたしだって、長良川河口ぜきやゴルフ場を推進していた前梶原岐阜県知事を「ゼネコン知事」「官僚政治」ってあちこちで批判的に書いてるでしょ。岐阜県を相手に訴訟もたくさんやってる。環境問題やってる人や政治に感心のある人には共感してもらえるけど、そこまでやらなくても、っていう声も聞こえてくる。
なじめないのは、その問題に対する当事者性の違いかもしれませんね。
るなさん
上野さんの怒りとやり切れない思いというのは、わたしもわかるような気がします。上野さんのメッセージは多くの女性に届いていると思うし、わたしも自分なりに行動したいですね。あとで後悔しないためにも。
テルテルさん
このブログ、若い人もたくさん読んでいらっしゃいます。
わたしは国際会議にはでられないけど、自分の足元でできることをしていきたいですね。
ブログもアクセスが月1万越えればひとつのメディアだ、って最近どこかで読みました。
ひとりひとりにていねいにメッセージを届けるというのが、わたしのやり方です。
できるとこから、いっしょに変えていこうね。
ミチさん
訪問してくださってありがとう。コメントもうれしいです。記事をアップしたかいがありました。
ボクの書き方も下手だし(笑)
まぁこの話はこれ以上書かないけど、1つだけ言いたかったことは、
東大の教授で知名度も高い人が、公に書く言葉として適切じゃないと感じたこと、影響力が大きい人ほど気をつけるべきこと、『オヤジまるだしの石原都政』という言葉は、同志には心地よくても、反感を買うだけでしかないと思ったこと、そういうことです。
ボクは基本的に争いごとは好みません。
彼女がこういう文字の使い方をしている限り、限界があるかな・・・
おしまい(笑)
わたしも、基本的に争いごとを好みません。
でも、いろんなものとたたかっています。
ひとと争わずに、自分が愛するものたちと、ゆたかに生きられたらどんなにいいことか・・・。
いまの暮らしを守りたいから、納得して生きたいから、ささやかなに暮らしに土足で踏み込んでくる政治に対し、異議申し立てを繰り返してきました。不条理な政治のために、失ったわたしの時間、がとてもくやしい。
お行儀良くしてれば万人に好かれるかもしれないけれど、メッセージって、届けたい人に届けばいいのじゃないかしら。上野さんは承知の上で、書かれたと思いますよ。
わたしは、意見の違うあなたとコミニュケーションしたいと思ってお返事書いたんだから、勝手におしまいにしないでよ(笑)。文字で伝わらないなんて言わずに、伝えてよ。わたしと絶交したいならともかく、わたしとあなたをつないでいるのは「ことば」なんだから。
あなたのコメントの批判を書いた記事のTBが届きましたが、削除しました。
ボクだって理不尽なことには反論しますよモチロンね。みどりさんがやっている闘いもとてもすばらしい良いことだと思っている一人だよ。そしてボクには到底真似出来ないことだしね。
でも、遊びや趣味の世界なら同調する人だけに届けばよいのだろうけど、彼女の活動は違うんじゃないかと思った訳で、好きとか嫌いとかそういうことで意見した訳じゃない。
石原都知事のことにしても、彼を2期連続で選んだのは都民だよね。それを罵倒、否定するような言葉遣いがボクには理解できなかっただけで、間接的に都民が言われているようなものでもあるからね。同じ一個人でも、ボクが言うのとは重みが違うと思うから。
>あなたのコメントの批判を書いた記事のTBが届きましたが、削除しました。
みどりさんのブログだったから正直に書いただけで、ボクはアラシでも何でもないんだけどなぁ(笑)
ザンネンだなぁ読みたかったよその記事!(笑)
とりあえずURLを残してありますから、読みたいならどうぞ(笑)。
http://d.hatena.ne.jp/demian/
あなたが率直な意見を書かれたのは、わたしとの関係性だと理解しています。少なくとも、あなたとわたしは「ブログ友だち」ですから。
わたしのブログの記事に関することですから、あなたに反論があれば、コメントに書いてもらえばよい訳で、あなたも読んで不愉快だろうと思って消しました。
わたしに賛同する形で書かれていますが、わたしにとってもあまり気持ちのよいものではありませんでしたから。
いきなりコメントもなしでこういう記事をTBされるのは、フェアなやり方ではないと感じました。
消した方がよいなら、コメント毎削除します。
勝手に引用していることについては失礼な話ではあるけどね~
だいたい、たったあれだけのコメントでボクの何が解って書いてるんだろうね~
まぁ、おヒマなんでしょうかね(笑)
>あなたとわたしは「ブログ友だち」ですから。
そうね、だから書いた。
でも今度からこの手の記事にはコメントしないようにするつもり(笑)
だって楽しくないもんね~
ボクがブログに求めることは、基本は楽しくだから・・・
>消した方がよいなら、コメント毎削除します。
ボクはどちらでもいいので、管理者であるみどりさんにお任せします。
戦前の「臣民」より(笑)