全羅南道の道議会議員の皆さんにお会いする日。
コーディネーターのヤンさんから、宿泊先の三重県から電話があり、
名古屋駅まで迎えに来てくださるとのこと。
駅から徒歩7分の昼食会場「かに将軍」が分からなかったので、ほっとした。
出かけようと家を出ると、カサブランカが開花していた(嬉)。
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おいしい蟹のコース料理を食べながら、名刺交換をしたり自己紹介をしたり。
女性議員は、読書会を呼びかけたクックさんおひとりで11にんは男性議員。
わたしの本を翻訳してくださっている東甫(モッポ)大学の高さんが、
いっしょに来日されて、通訳をしてくださっている。
月一回、2時間の読書会で、本はまだ半分くらいしか読んでないそうだけど、
男性議員たちに、本の感想を聞くと、よい意味で「ショックだった」、
「こんな風にできたら理想です」とのこと。
「理想、ということは、現実には無理ということですか?(笑)」
と尋ねたら、
韓国の地方議会は、勉強会をしている人たちも含めて政党所属議員がほとんど。
韓国には、まだ「無党派」「市民派」という概念自体がなくて、
皆さん「政党でなければ議員はできない」と思い込んでいたとのこと。
わたしが驚いたのは、みなさん、とても若いということ。
(見回すと、わたしが最年長じゃないかしらん・・・)
来日された方たちがたまたま若いのかと思ったら、
「大統領も若いし、議員の仕事はハードだから、高齢だと働けない」とのこと。
居眠りばかりしてる、どこかの議員たちに聞かせたかった。
女性議員は4人で、全員比例代表のクォータ制(割り当て制)で当選したとのこと。
韓国では、今回初めて地方選挙に法的にクォータ制が導入され、
「名簿のトップは女性、30パーセントの女性」を政党に義務づけているとのこと。
来日前に届いたリストの女性議員比率が高いことにおどろいたが、
いままで女性議員が少なかったけれど、一気に増えたようだ。
コーさんに聞くと、韓国では議員の社会的地位はとても高い、とのこと。
年収は、道議会議員でも400万円程度で、全員が農業か漁業との兼業。
農村部では子どもが少ないのが深刻で、
若者(男)が結婚できないと農業が続けられなくなるので、、
ベトナムや他のアジアの国から、女性をつれてくるのだけど、
女性の地位は低くて、10人のうち半数くらいは、
うまくいかなくて逃げ帰るとのこと。
「そりゃ当然でしょ」と思わず口に出した。
韓国の都会の女性との農村体験交流は、考えたこともなかったそうで、
農業が好きな都会の女性もいると思うけど、
いずれにしても、農業と「結婚」するわけじゃないんだし、
そんな発想じゃしょせん女は「道具」だし、
そんなにしてまで「結婚」させなくてもよいのでは、と言ってしまった。
地方議員選挙は自己資金が原則、カンパでの選挙は認められていないそうだ。
選挙にカネがかかるのは日本と同じで、買収などもあるようだ。
「金持ちしか選挙に出られませんね」というと、
当選すれば、得票率に応じて、選挙費用が公費で返還(補助)されるとのこと。
韓国にも「選挙公営制度」はあるようで、水増し請求詐欺のことを話したら、
「おなじことがあるかもしれない」。
国は違えど、議員の体質と汚職の構造は共通のようだ。
食事が終わってから、別室で懇談会。
というより、皆さんの質問にわたしが答え、
わたしの質問に議員たちが答える、という形ですすんだ。
全羅南道は人口200万人、自然が豊かで、海が韓国一うつくしいとのこと。
農業と漁業が中心で、韓国一貧しい(都市化していない)といわれている
この地方では、いま開発の波が押し寄せていて、
同時に、少子高齢化や過疎化も急速にすすんでいる。
解決のためには、箱物や開発で活性化することが必要との考えが主流。
いったん開発されれば、うつくしい自然は元に戻らないし、
バブルがはじけて財政破綻し、地域や弱者が見捨てられていく日本の現状が、
韓国の10年後、という話になっとくされていた。
元気そうに見える韓国ももう、右肩上がりではないそうだ。
大学で福祉を教えながら議員も兼業しているクックさんは、
土建型、開発優先型の政策を、福祉や少子高齢化政策に転換させたくて、
『市民派議員になるための本』の読書会をはじめたとのこと。
本にもわたしにも、人を変えるような力はないけれど、
中央政府も地方分権を言い出し、「市民自治」の道を歩みだした韓国の人たちが、
本をねっしんに読んでくださっているのは、とてもうれしい。
日本の「公職選挙法」と、韓国の「選挙法」は違うので、
本をそのまま実践すると、数か所、法に抵触するかもしれないけど、
書いてある理論やノウハウは普遍性があり、韓国でも十分つかえるとのこと。
コーさんは、翻訳して韓国で発売したらきっと評判になると思うとのこと。
「わたしたちは政党議員で、まだ市民派ではないかもしれないけれど、
市民派議員を目ざして、市民派政治を実現したい」と、
男性議員たちが言われたのには、ほんとにうれしかった。
クックさんのショック療法の目的もすこしは果たせたかもしれない。
外交辞令かもしれないけれど、
今度はぜひ全羅南道を見に来てほしい、とも言われた。
メンバーには、温泉あり、アワビを獲ってる人もあり、で魅力だ。
約3時間があっという間に過ぎて、全員で記念撮影。
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その後、おひとりずつと握手しながらのツーショット(笑)。
おみやげに、クックさんと市長をしていらしたおつれあいが、
二人で作ったという貴重なお茶をいただいた。
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クックさんのまちは「蝶」で有名とのことで、
蝶ブランドの、ブローチとシルクのスカーフもいただいてしまった。
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蝶のブローチは、見れば見るほど精巧でうつくしい。
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わたしからは、クックさんに、岐阜県で作出された青いバラ、
「ブルーヘブンの香水」をプレゼント。
明日は、江戸川区(東京)の高齢者介護施設を視察とのことで、
新幹線乗り場まで一行をみおくった。
一人だけ、おいしい蟹を食べてきたので、
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寄り道して、ともちゃんのお土産に、フランボワーズのお菓子を買った。
おいしくって楽しくて、有意義な一日でした○(まる)
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最後まで読んでくださってありがとう
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「一期一会」に
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自分のことのようにうれしい!です。
コメント、ありがとう。
>「市民派議員になるための本」を初めて読んだとき、私が感激したあの気持ちは、海を越えていたのですね。
ほんと、海を越えて、というのは、光栄だしうれしいですね。書いた甲斐がありました。
さらに、市民派、市民自治が韓国にも広がっていくといいですね。