熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

安全と情報

2015-10-03 08:39:10 | Weblog
大沢秀介監修「入門・安全と情報」を読みました。

市民生活の安全を実現するためには、情報の活用や複数機関による共有が必要ですが、個人の自由を守るためには、情報の適切な統制も必要です。

マイナンバー制度が導入されることになりましたが、その一方で、年金情報の流出や企業や政府機関・自治体からの個人情報の流出が後を絶ちません。

そこで、この本を読んでみることにしました。

この本には、「警察における個人情報の取り扱い」「外国機関との情報共有」「米国の連邦情報機関における適正評価制度の概要」「ビッグデータと捜査機関との情報共有」「サイバー攻撃に対するセキュウリティ」「刑法における違法阻却論からみたネットワークにおける捜査方法」「サイバー空間における情報の刑事的保護と刑事的規制」「米英における情報機関の行政権限」について、各論者が説明しています。

少々難しいところもありますが、参考になる本です。

私が共感できる記載は、横大道聡さんの「米国の連邦情報機関における適正評価制度の概要」に対するコメントに記載されている秘密保全法制に関する7つの問題意識です。

① 民主国家で秘密が必要なのか、自己統治と秘密の関係は。

② 何を保全すべき秘密とするのか、誰がどのようにして秘密とする情報を決定するのか。

③ 秘密情報をどのように管理・保全するのか、誰が秘密情報を扱うのか、秘密を扱う者を
  どのように決定するのか。

④ 秘密情報は何時まで秘密にしておくのか、その解除基準は。

⑤ 秘密情報の公開方法、情報公開法制との関係。

⑥ ②~④の適正確保の仕組みは。

⑦ 秘密情報漏洩への処罰の対象と量刑、メディアによる報道との関係は。

特定秘密保護法が制定され、運用されていますが、法案成立で関心を失ってはいけません。

安全と情報の関係をもう一度勉強しなおして、特定秘密保護法の運用を監視して、問題点があれば改善を要求することが真の民主主義です。

政治家や官僚に丸投げしている国民は、大きな就けを払うことになります。








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