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木槿も秋の花である。ここ数日で咲いているのを見かけるようになった。夕陽をうけて輝くように咲いているのを見て、つくづく美しいと思った。韓国の人たちが、この花を国花にする気持ちも分かる。ホテルの等級を示すのに、木槿の花の数でするとい話を聞いたことがある。畑では、トウモロコシの受粉が終り、実が大きくなり始めた。韓国の金尚鎔という詩人に「南に窓を」という詩がある。金素運の日本語訳が手元にあるので紹介する。
南に窓を切りましょう
畑が少し
鍬で掘り手鋤で草を取りましょう
雲の誘ひには乗りますまい
鳥のこゑは聴き法楽です
唐モロコシが熟れたら
食べにお出でなさい
何故生きるかって、
さあねー。
もう20年も前の話だが、NHKの講座で、ハングルを身につけたいと思ったことがある。テキストを買い、ハングルの成り立ちを解説した本も買った。いま覚えているのは、アンニョンハセヨという挨拶語ぐらいだ。隣国との摩擦は、心を痛くする。何故、難しい歴史認識などで対立しなければならないのか。木槿を愛し、トウモロコシを隣人や知人にふるまう、そんな人間らしい心の交流がなければ、理解し合うことは難しい。