常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

緑に癒される

2024年05月12日 | 登山
新緑の月山道を越えて、鶴岡市の金峰山~鎧ケ峰へ。すっぽりと緑のなかに全身が入ると、体内にある古代の記憶が甦ってくる。フクロウの低い啼き声。キツツキのドラミング、時鳥を思わせるウグイスの高い声。鳥の声に背を押されて山道を歩く。樹々の生命力は、森の中を住まいとする、すべての生き物に乗り移る。

新緑や濯ぐばかりに肘若し 森澄雄

かって京大の教壇に立った今西錦司は、春の喜びを『私の自然観』に書いている。「春ほど目まぐるしく変化する季節はほかにない。このまえはフキノトウをつんだのに、つぎに行くと、もうツクシの舞台に早がわりしている。この変化のあわただしさが春そのものを、あわただしく感じさせるのである。新緑の五月は、木の芽とともに若草ももえだしたときであって、ウメもサクラも過ぎたとはいえ、私にいわせると、春はまさにたけなわ、ツクシにつづいたワラビの季節なのである。」今西先生にとって、新緑の季節は、山菜の季節でもあった。
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体感の話

2024年05月09日 | 日記

体幹について調べてみた。最近、歩行が変化していることを感じている。室内を歩いても、どこかふらつきのようなものを感じる。立つ、歩くという基本動作と、体幹が関連しているように思えるからだ。まず、木場克己の『体幹の話』から。「体幹とは胸部、脊部、腹部、の4つで構成されている胴体」と記している。その役割は、「背骨や骨盤の向き、角度に影響を与える筋肉が集中し、姿勢を保つことで重要と、指摘している。

コパイロット、つまりAIに、高齢者が体幹の維持するためになすべきことを聞いてみた。パソコンのAIを利用することで、短時間で必要な知識が得られる。AIが推奨するのはまず運動。
 ・強度が3メッツ以上の運動を週4メッツ・時以上行うことを推奨します。
 ・週60分以上の運動を行い、息が弾み汗をかく程度の運動を心掛けましょ  
  う。
 ・筋力トレーニングも週2~3日行うことをおすすめします。
そして、筋肉の柔軟性を高める筋トレやストレッチ、軽い散歩などの必要性もしてしていた。

再び、木場先生の『体幹の話』に戻る。推奨しているのは、「体幹バランスウォーキング」。最初にドローイングを行って、体幹を意識。「歩く時は、背筋を伸ばして軽くあごを引き、視線はまっすぐ前を見る。肩の力を抜き、肩甲骨を
軽く引きよせ、腕は少し内側に振る。歩幅は自分の足の1.5個分を目安。一本の線の上を歩くイメージで進む。腹部の筋肉を意識しながら、腹圧をかけて歩く。

こんなことを意識しながら歩くことが、体幹を維持し、高齢者のしっかりとした歩きにつながる。スマホを持参し、きれいな花を撮影することも、歩きを続けるモチベーションになる。里山は野生のフジが咲き乱れ、キングサリの珍しい花が夏の到来を告げている。

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クマガイソウ

2024年05月08日 | 
野生のランのなかでは一番大きな花を咲かせる。福島の松川町のクマガイソウの群生地にこの花を見に行ってきた。珍しい花であるためか、この花の群落地に日本に3カ所のみになったようだ。まさしくほろびの花と言っていい。平家の滅びの戦国時代、海中で扇を上げ、敦盛を呼んでいる熊谷直実の背中の母衣に見立ててこの名がついた。ちなみにアツモリソウは、同じ科の花だが、二つを並べて、こっちがクマガイソウと同定する人は少ないらしい。スギ林の斜面に、見事に群生するクマガイソウだが、適度な湿り、降り注ぐ日光、冬の雪、などこの植物の生長の条件を満たせば、かくも見事な群落が出現する。この群落を維持成長させるために、人の手はまったく加えていない。自身の持つ力で、他の植物を排除し、このような楽天地を生み出した。植物の力はすごい、と思う。

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書くに値する毎日

2024年05月07日 | 日記
昨夜聞いた眠るための朗読。小川未明の『眠くなる村』。旅人がこの村を通ると、身体全体が重くなり、道端の石に腰をおろして休むとそのまま寝入ってしまい、起きたころは日も傾いている。この話を伝え聞いた人々は、この村を恐れ、ここを避けて遠回りする人のいる事態になった。kという人物がいた。彼はこの村に興味を持ち、ぜひこの村を通り、眠くなってもがまんして寝ずにこの村を観察したいと考えた。人々が恐れるこの村に通りかかると、そこは淋しく何もない村だ。そのうちに急に身体が重くなり、木陰で休んだ。眠りをがまんするどころか、そのまま眠ってしまった。彼は誰かに呼び掛けられるような気がして目を覚ますと、日は落ちてあたりはすっかり暗い。

「しまった」と思いながら、目をこらすと、少し離れたところに老人が立っていた。ぼろぼろの衣を着、肩に大きな袋をかけている。老人はすたすたとkに近寄り、「そなたを起こしたのはわしじゃ。頼みたいことがある。聞いてくれるか」と言ってきた。kは、「私にできることならやりましょう」ここは老人の作った村で、袋の砂をまくと余分なものは消えさり、ここを通る旅人は眠るようになる。自分はもう年で、これから先このことを続けられるか分からない。ついては、この砂を分けるから、適宜まいてくれないか、という頼みであった。kは袋を受け取って歩き出すと、向こうで工夫がたくさんいて汽車の線路を作っている。kは迷うことなく出来上がった線路へ砂をまく。

たちどころに線路は錆びはじめ、線路が消えていく。ここまで聞いて、私は眠りに入った。その後、どうなったか。今夜続きを聞くのが楽しみだ。本棚につかこうへい選『書くに値する毎日』を見つけた。芥川龍之介の「田畑日記」。大正6年8月26日
起きて顔を洗って、にぎり飯を食って、書斎の机に向かったが一向にものを書く気にもならない。そこで読みかけの本をよんだ。なんだか変な議論が綿々と書いてある。面倒くさくなったから、それもやめにして腹んばいになって小説を読んだ。土左衛門になりかかった男の心もちを、多少空想的に誇張して、面白く書いてある。」

芥川はこの小説が面白いと思ったとき、アイデアを持っていた自分の小説が猛烈に書きたくなった、と書いている。文豪の日常の過ごし方が、小説を書くモチベーションのになっている。芥川にとって、まさに書くに値する時間がそこにある。
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大人のラジオ体操

2024年05月06日 | 日記
ブックオフに通っていると、ときたま掘り出し物をみつける。先日買った『大人のラジオ体操』もそのひとつだ。毎朝、ラジオ体操をするようになって1年になる。だいだんと老いて、歩くのもままならない妻が、唯一続けているのがラジオ体操だ。朝、一緒にラジオ体操をする時間が、残り少ない時間を共有できる貴重な時間と考えたからだ。妻はラジオ体操の時間になると、体力が弱ったことを忘れてように元気だ。ラジオの掛け声に合わせて、体操の順序もしっかり覚えている。

自分にとって、所詮ラジオ体操は見よう見まねだ。形だけで、体操の10分ほどの時間を終えていた。『大人のラジオ体操』を読んで驚いた。見出しに、「正しくラジオ体操をできている人はほとんどいない」という、刺激的な文章につい引き込まれる。ラジオ体操の効果を高める3つの注意点が述べられている。

1自己流は×。必ずポイントを確認してから行いましょう
 ラジオ体操の動きには、それぞれ目的に沿ったポイントがあります。正しい
 つもりでやっていた運動も実はほんの少しポイントがずれていることが多い 
 のです。」運動のポイントをしかっり把握して行うと、得られる効果が断然  
 アップします。

2使う筋肉を意識しながら動きましょう
 筋肉は脳からの命令で動きます。体を動かすときにどこを動かそうとしてい
 るのか、頭で意識するのとしないのでは、トレーニング効果は大きく変わっ
 てきます。必ず「どこを使っているのか」を意識しながら行いましょう。

3ダラダラやらず、テキパキと元気よく動きましょう
 ラジオ体操はテンポよく短い時間で運動効果を上げていく体操です。テキパ
 キ元気にやることでダイナミックストレッチ効果がアップして、よりアクテ
 ィブに動けるキレのある体をつくってくれます。

そして、この本は第1体操の一つ一つの動きのポイントを図入りで詳しく解説している。その上、DVDもついていて、動画でポイントを説明してくれる。ブックオフの価格で220円。これはお買い得をいうほかない。

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