京都に暮らして以来、豊臣秀吉のパワーの大きさを実感するミモロ。東京では、秀吉の文化的影響は見られず、徳川家康のパワーしか感じられません。きっと東京出身者の多くは、豊臣家のこと、あまり知らないのかもしれません。
「伏見桃山城って、豊臣秀吉が築いて、すごく立派なお城なんでしょ?どんなお城かなぁー一度見に行かなくちゃ!」と、ミモロは、ずっと楽しみにしていました。そこで、ついに出かけることに…。
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「わーお城だー」と、大きな大手門の前へ。「昔の建物では、ないって聞いてたけど…」
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城内に入ると、天守閣の姿が…「わーこれが伏見桃山城なんだー」憧れのお城とついにご対面。
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「でも、だれも観光客がいない…どうしたんだろ?」城内で出逢うのは、犬の散歩をしているご近所の人。
「今日は、きっと平日だから空いてるんだー」と、お城の回りを歩きはじめました。
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「どこから中に入るのかな?」とウロウロ…。
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京都に育った人は、伏見桃山城というと、「遊園地でしょ!」と、こたえます。そう、実は、ミモロがいる場所は、伏見城花畑跡と呼ばれる場所で、ここには昭和39年に「伏見桃山城キャッスルランド」という遊園地があったのです。そして、ミモロが眺める天守閣は、昔の資料を基に、その当時で、6億円かけて鉄筋コンクリートで作られた天守閣と小天守、そして大手門なのでした。
「えー遊園地の施設なの?」と、つまり、本当の姿とはいいがたい建造物なのです。この「キャッスルランド」も、10年ほど前に、閉園し、この天守閣などは、壊されそうになるところを、無償で京都市に寄贈され、その後、伏見桃山城運動公園として整備されました。そのため、目ぼしい建物は、これだけ…遊戯施設もありません。
現在は、天守閣などが、耐震基準を満たしていないと言う理由から、内部は、非公開に。つまり、いつ来ても、中には入れなかったのでした。残念…。
「でも、まぁ、広々して気持ちのいい公園だからいいやぁー」と、言いながら、走り回るミモロです。
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さて、本来の伏見桃山城の歴史は、なかなか複雑です。
天正19年(1591)に、豊臣秀吉が、隠居所として築いた屋敷が、その原型とか。本格的に城としての大規模改築が行われるのは、その後のこと。なんでも、地震や戦いで崩壊したり、焼失したり…3回にわたり築城され、また秀吉の時代の城と、徳川家康が建て直した時期の城とに区別されています。
秀吉は、晩年は伏見城ですごし、ここで慶長3年(1598)に没します。関ケ原の戦いで勝った徳川家康が、しばらく管理しますが、駿府城の築城や、二条城の維持などの負担から、元和5年(1619)に廃城が決定。その遺構は、他の場所へと移されます。
つまり、伏見桃山城の昔の姿は、他の場所で見ることがきます。
例えば、つい最近、ミモロが訪れた西本願寺の唐門(国宝)、御香宮神社の表門は、伏見城の大手門の本物です。
ともあれ、ここは、豊臣家が、勢いがあった時代に栄えた城。城のおひざ元の町も、築城にともない、多くの人々が移住し、大都市に発展。当時の人たちは、いつも伏見城を見上げて暮らしていたのでしょう。
模擬天守閣が立つ場所も、花畑跡というので、本物の天守閣が立っていた場所とは違うそう。本丸などがあった場所は、現在、明治天皇、伏見桃山御陵になっていて、入ることはできません。
「このお城もいろいろあったんだねぇー」
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現在の伏見桃山城運動公園は、桜の名所のひとつ。お花見時期には、大勢の人で、賑わうそう。
*「伏見桃山城運動公園」 京都市伏見区桃山町 JR桃山駅から徒歩約10分
*現在、私たちが見ることができる歴史的建造物は、当時、もっとも斬新で、町のランドマーク的存在だったはず。「ということは、スカイツリーも何百年がたつと、歴史的建造物になるんだ~」とミモロ。現在ある建物が、300年くらいたった時、歴史的建造物として、どれほど残っているでしょう。レンガ造りの昭和初期の建造物は、すでに歴史的遺産として、保存されていますが、平成は、どうなるんでしょ。400年前の伏見城の遺構は、そのままでも、今の時代を象徴し、300年たっても残っているものがあるのか?ふと気がかりになりました。
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