ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

京都の灯りを商って100年。寺町通のアーケードにある「京電商会」。レトロな照明器具が豊富

2015-02-25 | 老舗

ミモロがよくお買い物に出かける寺町通のアーケード。四条通から御池通まで続く長いアーケード街です。そこには、観光客向けのお土産店、ファッション、雑貨、飲食、ギャラリーなど、あらゆる種類のお店が連なる京都を代表するショッピング街で、いつも大勢の人たちでにぎわう、活気ある場所です。

寺町通と三条通が交わる近くにある「京電商会」。ミモロは、ある日、白熱電球を買いに出かけました。
  
「最近、近くのコンビニにも、ふつうの白熱電球売ってないの~」とミモロ。そう、コンビニに並ぶのは、LED電球や蛍光灯ばかりになり、昔からの白熱電球は、もはや姿を消しています。


ここ「京電商会」は、照明を扱う電気屋さん。

 
店の天井には、さまざまなペンダントライトのランプシェードがさがっています。「わ~いろんなライトがある~」と天井を見上げるミモロ。そこには、ガラスでできた、レトロな雰囲気のランプシェードが種類豊富に…。

「あの~こんにちは~白熱電球ください」とミモロは、お店のご主人に声を。「はい、何ワットですか?」「お玄関のライトだから60ワットください」「はい、ちょっとお待ちを~」
 
三代目になるというご店主の山口義弘さんが、店の一角にある電球の棚から、白熱電球を出してくれました。
白熱電球の生産は、すでに大手メーカーは、撤退し、今や1社のみの生産とか。日本の灯りも変化しているのです。
   
そんな日本の灯りの変化と共に、歩んできたのが、このお店。商いを始めて、100年ほどになるというお店は、もともと油を商っていたそう。

「油?」「そう、行燈やランプの油です」
まだ日本の家庭に電気の照明が普及する前、多くの家では、ロウソクやランプで灯りを取っていました。その油を扱っていたのです。日本の照明の歴史の中で、ランプの時代は、それほど長く続きませんでした。特に、京都の町中は、戦前には、ほとんど電気の照明になっていたそう。そこで、「京電商会」は、油から電球へ。商うものを時代と共に変えてゆきます。

「うちは、ほかの電化製品を扱った時代も長かったんですよ」と。戦後は、庶民憧れの電化製品、テレビ、洗濯器、掃除機、炊飯器、冷蔵庫などを商っていた町の電気屋さんに。「昔は、テレビが飛ぶように売れました…そういう時代は、父親の時ですね」と。
今は、大規模な家電量販店の進出で、町の電気屋さんは、次々に姿を消しています。そんな中、再び、灯りという創業当時の品に特化し、商いを続けているのです。

「そう、大きな電気屋さんには、こういうライトないんだよね~」とミモロ。日本の家庭の照明は、今、部屋全体を明るく照らす天井にピッタリくっついたものが大部分を占めています。
「なんか趣ないよね~」と常々思うミモロです。

「こういう照明素敵~」と憧れのまなざしで見上げます。
 

明るい照明に馴れた生活で、天井からのペンダントライトでは、部屋全体が暗く感じられるそう。でも、壁やフロアの照明と組わせると、素敵な雰囲気になります。

「でも、照明器具って、値段高いんだよね~」とミモロ。
 
「う!これなら買えるかも…」「そう、うちの製品は、アンティークのものもありますが、新しくレトロ風に作られたものが多いんで、価格が控えめなんです」と、ご店主。

ガラス製のもので、3000円台からと、手が出やすい価格です。

「こういうライト、カワイイなぁ~」
 
ミモロの憧れが膨らみます。

ここには、天井からさがる照明器具だけでなく、スタンドタイプのものも品数豊富。しかも値段も手ごろなのが魅力です。
 
「これ、よくテレビドラマで見るタイプ。へぇ~5000円くらいで買えるんだ~」


「あ、このワンちゃん知ってる~」ビクターのキャラクターともいうべき、犬。

ここには、昭和の香りが漂います。

「あの~いつかミモロのおうちの照明も、どんなものがつけられるか見てください…」と。「はい、ご連絡ください…」と。
ここでは、照明の設置や工事なども請け負ってくれます。
「町の電気屋さんって頼りになるね~」とミモロ。

店のウィンドーには、昭和の電化製品のミニチュアが…

電化製品が劇的な変化を遂げた昭和。今の電化製品の進化とは比べ物にならない、急激な変化です。

「なんか昭和って、温かい感じがする~」そう、灯りの下には、家族団らんがあったのです。
きっと部屋全体が明るくなったことで、家族は、みんなで集まる拠り所をなくしてしまったのかも…。
ひとつの灯りの下で、お父さんは本を読み、子供は宿題をやり、お母さんは縫い物をする…そんな情景は、遠い昔のことになってしまったよう。

京都の家の灯りをずっと支えるお店でした。

*「京電商会」京都市中京区寺町通三条上ル 075-231-2626 11:00~19:00 日曜・祝日休み


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