京の町歩きが大好きなミモロは、ある日、四条通の大丸京都店の前を東に向かい、柳馬場通を北に進むことに。
錦市場を通り過ぎ、さらに進むと、古い趣のある構えのお店がありました。
「なんのお店かな?」
中を覗くと、そこには、美しい絵柄のうちわが並んでいます。
「ちょっと入ってみよう…」と中へ。
ここは、京うちわの専門店「阿以波(あいば)」。創業は、なんと元禄2年(1689)という320年ほど続く老舗です。
元禄年間といえば、5代将軍、徳川綱吉の時代。なんでも、初代の長兵衛が、近江の饗庭(あいば)から、京の都にやってきて、店を構えたのが、はじまりとか。そして7代目から、京うちわの専門店に。現在の店主は、10代目に当たります。
うちわは、中国が発祥の地で、日本に渡来したのは、飛鳥時代。「確か古墳の壁画にも、うちわを持った女性の絵があったよねー」とミモロ。
うちわという言葉は、蠅や蚊などを打つサシハから生まれたとか。厄や魔を打ち払う魔除けの意味もあったそう。
「団扇」という漢字は、中国由来のもので、「団」には、集まるとか、丸いという意味があり、丸い扇というわけです。
「あ、団子と同じだ…丸いお餅の集まりね…」と、すぐに食べ物に結びつけて連想するミモロです。
日本では、室町時代には、現在のような形を確立し、江戸時代には、庶民にまで普及したそう。
「わーいろんなうちわがあるー」とミモロは、お店に並ぶ品々を見て行きます。
「でも、なんかここのお店のうちわは、ミモロが、お祭りに持って行くうちわと雰囲気が違う…」
骨が実に美しく並び、その上に絵柄が貼られているようです。
ここのうちわは、特に京うちわと呼ばれるもので、宮廷で用いられた雅な「御所うちわ」がそのルーツとなっているそう。
骨の竹は、丹波の竹を用い、1本1本丁寧に削られています。
「京うちわ」の特徴はうちわ面と柄の部分が、別に作られ、柄の素材は、栂(トガ)や杉材です。
つまり、うちわ面に柄を付けるタイプ。
うちわには、竹を削って、柄とうちわ面の骨が一体化しているタイプもありますね。
「阿以波」のうちわの素材は、すべて国産にこだわっているそう。
「わーキレイなうちわー」
これは、室内装飾のための飾りうちわで、あおぐためのものではありません。細い骨に、細かな切り絵のような模様を貼ったうちわは、透かしうちわと呼ばれ、まさに芸術品。しかも、表と同じ形の紙を裏側から貼り付けなくてはならず、その技術もスゴイのです。うちわは、分業制で作られるのが一般的ですか、ここでは自社工房での一貫製作。他では、マネできない、高い技と言えましょう。
うちわというと夏のものと思われがちですが、飾りうちわは、四季折々の花などをあしらい、日本的な情緒を醸し出す、室内装飾として、海外からのゲストにも人気が高いそうです。また、軽く、かさ張らないため、外国への贈り物にする方も多いとか。
「すごい技術だねー」とミモロ。竹の骨の本数も、90本から120本と、半端じゃありません。
飾りうちわは、1本1万円以上から、数万円以上するものも。
もちろん、あおげるうちわも、いろいろ。「あ、これなら風が来るねー」
こちらは、3000円ほどからです。
「なんて涼しそうなうちわなんだろ…」ミモロは、金魚の絵柄のうちわに心惹かれているようです。
「葵祭を過ぎると、うちわが欲しくなる日も多くなるねー」とミモロ。こんなうちわであおいだら、きっと心地よい風が、涼を運んでくれそうです。
*「阿以波」京都市中京区柳馬場通六角下ル 電話075-221-1460 9:00~18:00(土曜14:00まで)日曜・祝日休み ただし4月から7月は無休営業) お取りよせも可能です。詳しくはホームページで。
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空気が冷たかった・・・。
早く、うちわが使える季節になればいいのに・・・。
でも暑すぎるのも・・辛いかも・・・。
ミモロ、毛皮着てるので、夏って、ちょっと弱いのよね。
扇ぐうちわも素敵ですね。エコな夏には団扇は必需品なので ひとつ新調しようかしら~
それにしても、素晴らしい店構えの団扇屋さんー京都ってスゴイ!