M's World

食と酒にまつわるエトセトラ

味の周波数

2010年12月11日 | グルメ

少し前に仕事で音のプロと話をする機会がありました(ミュージシャンではないです)
サウンドコミュニケーションというのでしょうか、音を使って何らかの意味を伝える専門家です。
例えば、駅のホームで聞こえる電車の発車メロディーとか、宇宙戦艦ヤマトで突然ガミラス軍が現れたときに鳴らす非常警報などです。

人に伝えなければいけない音は、周囲の音に隠れないように、いろいろな工夫がされています。
もっともシンプルな音は一つの周波数しか持たない純音です。この音は周りに同じ周波数成分が含まれている音があると聞こえにくくなります。
そこで複数の周波数成分を持つ倍音にしたり、周波数を変動させて周りの音に隠れないようにしています。

前置きが長くなりましたが・・・・

昨日、「太刀魚の塩焼き」を食べながら、上機嫌で山形県の「上喜元」を燗で飲んでいました。薫りがよくて、しっかりした味わい、ほどよい酸味があるいいお酒です。

もう1合頼んで、「カレイの煮付け」を一口食べたときに、

(あれ? 味がわからん・・・

木の芽の香りはしっかりと感じたのですが、なんだか味がよくわかりません。

(風邪ひいたかな?)

口の中の内頬あたりにはお酒の後味が残っています。

おそらく日本酒と煮付けで同じ周波数(?)を持つ味があって、さらに日本酒の方が強力だったために煮付けの味が隠れてしまったのでしょう。
チェイサーで軽く口をすすいでからいただけば、煮付けの優しい味が広がってきました。

大将が私のちょっと不審な食べ方に気付いたのか「自家製塩辛」を出してくれました。

この「塩辛」はこのお酒にピッタリです。

“邪魔をしない”とか“引き立たせる”ということを体感できました。

コメント
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