(あぁ、タイミング間違ったかなぁ…)
お店に入った瞬間、頭の中に不安がよぎりました。
カウンターのお客さんが大きな声で、店主や別のカウンターのお客さんに話しかけています。
(しっぽり飲みたかったのになぁ)
しかも私の座った席は、大きな声のお客さんと、話しかけられていたお客さん(多分常連さん)の間。
大きな声のお客さんが放った「ボボ・ブラジル」の親父ギャグに反応してしまったが最後、案の定、会話に入らざるを得ない状況になってしまいました。
相当なプロレス好きなようで、当時のレスラーの名前が次々出てきます。
これに話しかけられていたお客さんも反応。
私を挟んで話が盛り上がっていきます。
どうも同世代だったらしい(60歳くらい)
プロレスの話からローラーゲーム、吉本新喜劇と話がどんどん展開していきます。
私が佐賀県の日本酒「東鶴」をオーダーしたのをきっかけに話は日本酒に。
両隣のお客さんも日本酒好きのようで(ワイン飲んでましたが)、話がさらに盛り上がります。
それにしてもお二人とも日本酒に相当詳しい。
銘柄、産地、米、… 業界の人かと思ったくらいです。
大きな声のお客さん、なんでも40歳くらいまでは、ほとんどお酒を飲まなかったそうです。
その後、ドイツの白ワインにはまり、ある夜、山形県の「十四代」と出逢います。
それはそれは感動的な出逢いだったそうです。
白ワインから「十四代」。
もうひとりのお客さんと私も納得。
大きな声のお客さん、「十四代」はすべての銘柄を飲んでいるそうです。
しかもお酒を大切に扱うお店でだけ。(これも納得)
味が全然違うそうです。
「十四代」の味を身体で表現してくださいました。
「(両手を前に出し)スっときて、(手前に引きながら顔の前で左右に広げ)ブワっと広がって、(肩の辺りまで引いて下へ)ファーっと消える」
真似してみましたが良くわからない(笑)
「開けましょうか?」
店主の手には「十四代 中取り純米吟醸 播州山田錦」
抜栓してもらい、すっかり打ち解けた3人でいただきました。
開けたてなので、フレッシュピチピチしています。
スっ ブワっ ファーっ
最初の不安はどこへやら。
今宵も楽しい夜でした。