こんにちは、永々翁でございます。芸人の世界では先輩が後輩に奢るというしきたりが残っているようです。拙生が社会に出たころにもそのような風習がございました。
社会人一年生で営業の仕事をしていた拙生は大変勉強熱心だったので、帰り支度をしているJ先輩を捉まえては「三十分だけ行きましょう」とお願いしていました。厚顔無恥な拙生の目的はもちろん一杯奢ってもらうことです。事務所近くの居酒屋、三十分で終わるはずもなく、長くなる夜もありました。しかしJ先輩は新人の取るに足りない話を聞いてくれた上に、いつもかなり多めに支払いをしてくださいました。「これは次世代への先送り金だから、お前も後輩ができたら奢るんだぞ」。当時先輩は三十代でご家族もあり、夕刻にニヤニヤしながら近づいてくる新人は、かなり鬱陶しい存在だったに違いありません。
稀に後輩に奢ることはありますが、未だに先輩方からの預り分を返せていません。
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