「えりもの春は何もない春です」
えりもの春は何もない春です とは地元の人から言うと 最も失礼な言い方です。
しかし この言葉は襟裳岬を知る人ぞ知る場所として宣伝効果のあった言葉になったのです。
戦時下に海岸にあった林が燃料として多くは伐採され、そのためにこうむった被害が生じました。
海もあれ 陸から運ばれた土が海を茶色に染め 昆布や魚も取れなくなったのです。この事を歌った歌の言葉に「えりもの春は何もない春です」となったのでしょう。
その立て直し策が 住民による海岸砂丘の松林の蘇り作戦でした。
苦闘の末に松林の復活を成し遂げ 襟裳の春にも光が見えてきたのです。
今では レッキとした漁場が展開しているのです。「襟裳の春は何も無い春です」と言うのは全くの嘘です。
しかし、私もそうですが何も無い春の地をこの目で確かめたくなるものです。そこに森進一の襟裳の春は・・・の効果があったのです。
私も襟裳岬に取りつかれ 40数回襟裳岬に通いました。
襟裳岬の朝日、夕日・・・・ そして襟裳岬周辺の昆布漁の風景、強風の時は波の荒さ、岬の植物たちとの出会い。海の幸の美味しさも忘れられません。
何度行っても飽きない場所でした。
まだまだ行き足りないでいますが、長距離運転が出来なくなり 今では思い出の地となってしまっています。
先日、東札幌図書館にて、「えりもの春 ー 木を植えた漁師たち50年のたたかい」 稲本正(いなもとただし) 小学館 P 141 1200円 という本に出合いました。
文章に添え 掛川源一郎氏と駒井千恵子氏の幾枚もの写真が載せられています。
私は写真提供の二人の方をよく知っているものですから、尚更この本に興味を持ったのでした。
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