かーちゃんはつらいよ

施設入所した18歳そうちゃん(自閉症、最重度知的障害、強度行動障害、てんかん)のかーちゃんが書く雑記。

少し落ち着いてきた

2020年08月18日 23時01分21秒 | みゆみゆとの生活
そうちゃん、少し落ち着いてきた気がする。
今朝は珍しく9時まで寝た。
やはり睡眠が大事。
よく眠ることで、頭ん中のぐるぐる渦巻きが収まるのかもしれない。

見たいと言ったDVDを2~3分でとっかえひっかえするのは相変わらずだけど、ダッシュはなかった。
見守る方としてもずいぶん楽だ。

晩ごはんはちょっと目先の変わったものを。
クレープパーティー。

みゆみゆの要望にお答えしました。

ソーセージ、コンビーフの玉ねぎ和えは、野菜と一緒にマヨネーズをかけて。
鶏肉のササミは、人参や玉ねぎと和えて味噌ダレで北京ダック風に。
味噌ダレは、オイスターソース・砂糖・八丁味噌・醤油・食べるラー油を混ぜて、中華風に。
あと明日のお弁当にも入れられるように、きんぴらレンコンも作りました。

クレープ生地は薄力粉・牛乳・砂糖・卵とシンプルな材料で、しっとり焼けた。
生地の伸びもいいので、巻きやすくていい。

そうちゃんにも食べやすいようにクルクルと立て巻きに細長くしたけど、結局バラバラに分解して食べてた。
まあ、そうなるよねー。自閉ちゃんあるある。
最後に「皮」だけをゆっくり口に運んでいました。

さあて、そうちゃんはしばらくショートステイに行きます。 
私は、明日から大事な大事な仕事の研修…
のはずが、コロナで狂って5回分が丸々延期になってしまった。
何てこったい。





寝付きの悪さと興奮度

2020年08月17日 23時05分19秒 | みゆみゆとの生活
興奮が強いと寝付きが悪いかと思えばそうでもない。
今日みたいに穏やかな日は、「おやすみなさい」と8時半に布団に入り、そのまま寝てしまうことが多いけど、今夜は例外だった。

午後9時からダッシュスイッチオン!
ゲラゲラ笑ってる。
なんでや。
夕飯時にセロクエル50ミリ、8時に100ミリ飲ませても、眠そうな気配がない。

結局、頓服アタラックスを飲ませ、ドライブ1時間弱して寝かせました。
なんだか薬漬けのようで心配。しかしやむを得ない。

ああ、眠い。
私も今日は疲れた。 
身体中が筋肉痛で痛い。
そうちゃんのせいだけではなく。
介護のお仕事とか、庭仕事とか、思い当たる原因がありすぎ。
明日は少しはゆっくりしよう。

一日が長すぎる

2020年08月16日 19時52分25秒 | みゆみゆとの生活
うう。ちょっとへばっています。
今日も一日そうちゃんと一緒。
行くところがない。
よく行くプールは日光川も祖父江もお休みだし。
電気の科学館もお休み。
名古屋港水族館は予約制になった。(そうちゃんの調子がわからないから予約とか無理;)
38度の中、お散歩というわけにもいかないし。

仕方なく、またまたカラオケへ。
今月3回目。
大声出してても気にならないし、外へ飛び出すこともないので安心できます。
お昼ご飯は牛丼のテイクアウトで済ませた。

ここまではよかったんだけど。
午後、徐々に荒れ始める。
最初にイライラしていたのは、お昼ご飯の時。
後から食べ始めたみゆみゆがなかなか食べ終わらないのが気に入らなかったらしい。
何度も器を覗きに行っては、
「みゆみゆちゃん ごはん たべてください」
お怒り気味に言ってる。
途中、携帯チラ見してたりするとすかさず見とがめ、
「ごはん たべてくださいっ!」
言葉がいつも丁寧な風紀委員くん。
何度目かに見に行ったとき、
みゆみゆが「ほら、食べ終わったよ」と空になった器を見せたら、
「かたづけてください!」
あっという間にお箸と器を取り上げ、台所に運んでいた。
勤勉だ。

そんなこんなで、ピリピリしながらも過ごしていましたが、夕方ついに切れた。
あまりにもいきなりすぎて、何のきっかけもわからないんだけど。
ビデオ見てる途中にパッと走り出し、台所へ。
片付けたはずのゴミから牛丼の器をまた出してきて何かしようとしている。
「それは捨てといて。」と夫が止めた瞬間、そうちゃんのパニックスイッチ着火。

わぁ!と叫んで窓のところへ行き、ジャンピングキックのようにガラスを一蹴り。
すごい音がして家が揺れました。
幸いガラスは割れず。強化ガラス素晴らしい。
興奮マックスでどんどん蹴り続けようとするそうちゃんを、夫と二人がかりで止める。
こういう時ってすごい力。
夫がいなかったら家の中があちこち壊れて誰かけがしていただろう。
汗だくで動きを封じ、そうちゃんの膝を2枚のタオルでぐるぐる巻きにして紐で軽くしばった。
足の動きを止めないと危ない、ということで緊急の措置です。(本来やっていいことではありません。参考にされませんように。)
その状態でリスパダール(液)を口腔内に流し込む。
セロクエルと迷ったけど、最も吸収が早いのはリス液かなと思って。

ここまできてそうちゃんは、ポロポロ涙をこぼして泣き始めました。
かわいそう。
しんどいんだよね。
お母さんなのに、十分に理解してあげられなくてごめん。

体に触れながらビデオの続きを見ているうちに、徐々に力が抜けてきた。
10分ほどで落ち着いてきたので、紐とタオルは解きました。
興奮状態マックスの時間はそれほど長くはなかったのだけど、体力気力消耗した。
ここまでの大暴れは久しぶり。
去年の10月以来かも。あの時もすごかった。
今日は夫がいたから助かった。

ああ。
ため息出る。
けどまあ、頑張るしかない。

明日からまた毎日デイが始まる。
水曜日からはショートステイ。
来週からは学校も始まる。
予定の見通しが立って、少しは落ち着いて行ってくれるといいな。
とりあえず、薬のおかげで夜よく寝てくれていることが救いです。

そうちゃんが寝てからかーちゃんは気分転換する時間がある。
これ大事。

大きな声では言えないけど、ジョイマンが好き。
とっても楽しそうに踊ってるから。ナナナナー♪
ネタの善し悪しに関わらず(失礼)、つられて笑っちゃう。
全然中身がなくて、どうでも良すぎるとこが最高。
「うちで踊ろう」星野源×ジョイマン高木

・・・遊ぼう 綿棒 滅亡 (爆)

不要不急のことこそ、精神の栄養になってるような気がする今日この頃。
ブログには「何かあったとき」のそうちゃんを書くことが多いから、「大変そうー」と思われるかもしれないけど。
ええ、大変です。間違いなく。
けど、「何もないとき」もたくさんあって、そのそうちゃんはただただ可愛い存在だったりする。
抱きしめるとそっと払いのけられるのさえ、成長を感じて愛おしい。
少しづつ手放してかなきゃいけないからね。横顔ガン見して満足しとくよ。

薬指ねんざ

2020年08月14日 22時23分14秒 | みゆみゆとの生活
〈昨日のハイライト〉
晩ごはん中に急にダッシュしかけるそうちゃんを止めたら、
そうちゃんの手が当たって、食べ始めたばかりのうどんが盛大にぶちまけられた。
スローモーションみたいに見えたよ。
驚いてパニックになったそうちゃんがグチャグチャに踏まないように制止しなから掃除するの、難易度高過ぎ。
家政夫のナギサさんがいても無理だっただろうな。  

〈今日のハイライト〉
何としてもスーパーまで走ってキウイをかじってやろうとするそうちゃんを捕まえ、
アスファルト上で馬乗りになって止めて、家まで連れて帰った。
勝った。
と思ったら、左手薬指の第一関節付近をねんざしていた。
左手薬指第一関節が伸びないのって、想像よりだいぶ不便だと知った。

今日はね、私は1日仕事だったので、夫に夏休み取ってもらってそうちゃんのお世話をお願いした。 
…仕事してる方が気が紛れていい。
夫とそうちゃんは、仲良く温水プールに行ったんだって。
いいねー。


大声は視線を集める

2020年08月13日 20時57分27秒 | みゆみゆとの生活
デイが休みだったので、1日私とそうちゃんで過ごしました。
朝、お出かけするみゆみゆを送って行ったとこまではご機嫌だったんたけど、その後なんとなく雲行きが怪しくなってきた。
丸1日付き合うとわかるけど、ホントにそうちゃんはムラがある。

外食や買い物とかの時に大声が続くと、ちょっとしんどい。
周りの人にしてみれば、もう声変わりしてる青年が「メリーポピンズ!」とひたすら叫んでいたら、そりゃ確認したくなるのは当然だ。
そんな視線には慣れているけれど、それでも気になって焦る。
時節柄、みんなマスクで表情がわかりにくく、余計に眉をひそめられているように感じてしまう。
そんなことないんだけどね、ほんとは。
(お母さん頑張れー、と思っててくれる人もいるはずなんだ。)

不穏になると、大声の次はダッシュや蹴りが出ることがある。
ヘルパーさんとの時はないみたいだけど。
私とだと、家ではしょっちゅうだし外でも起こり得る。
だから、神経張りつめてなきゃいけない。

そうちゃん本人にも制御しようのない、口から勝手に出てくる言葉。
それは何かを我慢した副産物かもしれないけれど。
必死でこれを止めるボタンがないかと探す母。
薬が万事を解決してくれるわけじゃないし。 
社会との折り合いをつけるのは難しい。

家に帰れば、存分に大声出させてあげられる。
今日の夕方は、「アララの呪文」を声が嗄れるまで歌ってた。
 ♪早口言葉では ないのさ アララカタブラツルリンコ~
手を叩きながら、それはそれは楽しそうに。
そして途中から、壊れたレコードのようにあるポイントだけエンドレスになった。
 ♪何かでつまづいたり 
 立ち直れなかったり
 いろんなことがある
 いろんなことがある
 いろんなことがある
 人生だーからー
いや、わかって言うてるやろ。
いろんなことありすぎんねん。

で、歌い終わりの笑顔。

あごを手の甲に乗せて骨具合を確認する、彼独特のポーズ。
あいーん、ではない。

まあね、この後も突如「身体中バネ状態」でダッシュするそうちゃんと1ラウンドありましたが。
無事1日が終わってめでたしめでたし、ということで。。

 ♪迷って 悩んで 涙あふれだしても
 明日は お日さま もっと輝いているよ

「アララの呪文」さくらももこ作詞、岡本真夜作曲
歌詞が深い。
そうちゃんからのエールかな。
さっきのバトルで思わず叩いちゃってごめんね。(反省)

新しい薬は試行錯誤で

2020年08月12日 19時46分55秒 | みゆみゆとの生活
ホントにそうちゃんの薬は難しい。
新しい処方薬は、試行錯誤で調整していくしかない、というお話。

昨日、晩ごはんの時間に不穏になりかけたのでセロクエル25ミリを飲ませたら、その後すぐアクビして午後8時にソファで気絶寝。
朝早く起きられると困るけど、こんなにぐっすり寝てるのに100ミリ飲ませるのは心配だと思い、午後9時半に寝室にあげる際に起こして50ミリ飲ませてみた。眠前薬として。

そしたら、
午前3時起床。 
うっ。
ニッコニコだし。
こんな時間に「顔中が口」みたいな天使の笑顔で話しかけ続けられましても。
無理無理。寝ます。
夫がドア側にいて、ふすまを足で止めながら寝ていてくれたので、私はそうちゃんの声を聞き流し続けながらウトウト。
午前5時には「おかあさん おきてください」が始まった。
6時半、ハイテンションなそうちゃんと朝ごはん。
ここで朝の25ミリを飲ませた。
そしてお弁当も作る。

朝ごはん食べて着替えも済ませたそうちゃんは、
「おかあさん きがえてください」
私がいつまでも寝間着でいるのが気になるらしい。
はいはい。すぐに着替えますよ。

私が着替えるのを確認したら安心したのか、ソファでウトウトし始め…。
午前7時~9時まで二度寝。
その後DVDを見て、午前10時からデイ。
昼間はとても落ち着いてたみたい。

で、夕方。
晩ごはんで50ミリ飲ませる。
この時間が事件多発タイムなので注意が必要。

お風呂に先に入れ、私も着替えの用意などをしていたところで、「ピンポーン」と宅配が来た。
判子持って玄関を開けたら、後ろに気配が!
素っ裸のそうちゃんが開いた玄関をすり抜けて出て行こうとしていた!
おーおー、待て待て。うそやろ。
すぐ捕まえてお風呂に戻す。
本気じゃなかったらしく、すぐ観念してくれて助かった。
セーフ。

お風呂上がり、はい、午後8時に寝てしまいました。
早いな。
このまま寝かせとくとまた午前3時に起きるだろう。
夜10時頃に起こして100ミリ飲ませようかなー。どうしようかな。

ちょうどいい、を探したい。(切実)


今日の晩ごはんと針仕事。


後列左から、
きんぴらごぼう、ゴーヤの明太マヨ和え、豚肉の唐揚げ。
前列は、冷や汁、鶏つみれ味噌汁(昨日の残り)。
豚肉唐揚げにはポン酢を少し垂らして食べました。
ゴーヤの明太子和え、さっぱりしていて美味しかった。これヒット。めちゃ簡単。
冷や汁はサバ缶とその汁を使ってるのでこれまた簡単でした。


折り畳んでポケットに入るタイプのエコバッグに刺繍してみた。
みゆみゆ画伯のオリジナルキャラ、「うさっしー」。
無邪気に見せかけて何か企んでる風情だ。


仕事でメモやボールペン入れとく移動ポケット。
刺繍は、「笑瓶メガネ」を掛けてるスヌーピー。
特に意味なし。

精神科で薬の相談

2020年08月11日 19時33分55秒 | みゆみゆとの生活
今日もビューンと大学病院へ。
こうも頻繁に行くことになるとは思わなかったよ。

8時半の予約だったので朝ちょっと焦ったけど、お盆で道がすいていてラッキー。
8時15分に精神科外来に到着。やった。
と思ったら、
待合室にはもう25人も患者さんがいた。(数えた)
しかも、
ダンディ教授がもう診察を始めていた。
うわ。すごい。こりゃ弟子たちも大変だ。

気長に待つことにして、そうちゃんがおとなしかったので本を読んでいた。
そしたら、

折り畳まれていた。
この格好で熟睡。
やわらか。

診察で呼ばれたのは、8時45分。
早い。つまり、一人あたりの診察時間が短いということ。
見てる限り、「発作ないですか?」「はい」「ではいつもの出しときますね」「はい」、の人が3分の1くらいはいそう。
一番に来た人は一体何時に受付してるんだろ。
順番が早い人ほど心得ていて、教授に名前を呼ばれると大きな声で返事をして小走りで診察室に駆けていく。
そしてあっという間に出てくる。
うん。小児科とはだいぶ違う世界だ。

私も習って「はい」と返事をし、そうちゃんを起こして引っ張りながら診察室へ。
手短に状況を説明する。
「もらったセロクエルを飲ませたら、朝はウトウトしてしまい、そのあと反動で興奮が強い、という感じで波がかなりありました。
ちょっと薬が強いかな?と思って半分量に割って飲ませたら、今度は一日中落ち着かずしっちゃかめっちゃかで・・・。
3日でこりゃ無理だと思って元の量に戻しました。
今も、今朝飲ませてから2時間後ですが、こうやってすぐに寝てしまいます。
夕方には完全に切れている感じで、先日は夕飯の途中に突然走り出して雨の中いなくなってしまいました。」

「うーん。難しいですね。」
続けて、「刻みますか」と先生。
ちなみに「刻む」とは、「薬を小刻みに飲ませる」という意味です。
「薬の管理ができない人にはこういう提案はしないんだけど、
お母さん、ずいぶん上手にできてるから、朝・昼・夕・寝る前と分けて飲ませてみようか。
できる?」
お。褒められた。うれしい。
もちろん分けて飲ませてみます。
 
ここで一つ質問してみた。
「セロクエルは、長く飲むと体が慣れてきて効かなくなるってことはないですか?」
これに対するお答えが、さすがダンディ教授だった。

「こういう薬には、マイナートランキライザーとメジャートランキライザーと二種類の薬があります。
マイナートランキライザーは鬱治療とかでどこでも出せるけど、メジャートランキライザーは精神科でしか出せない作用の強い薬です。
セロクエルはメジャートランキライザーの中でも第2世代非定型というもので、依存が出ないように開発されています。
だから、体が慣れ効かなくなるということは、まずないです。
その分、副作用も強いから、飲まずに済むならその方がいい薬です。
副作用は、錐体外路症状とか、パーキンソンみたいな症状とか、キョンシーみたいに全身の筋肉が突っ張るようなこともあります。」

・・・いきなり出たキョンシーに面食らう。
先生、素人にもわかりやすく説明してくれてるつもりだと思うけど、キョンシー以外は専門用語だらけだよ。
基礎知識ないと全然わからんと思う。
そこまで詳しく教えてくれるならキョンシーじゃなくて悪性症候群と言ってくれていいんだけど。

そんなことを考えてる間に怒濤の早口で先生の話は続く。

「薬は飲ませながら様子を見て量を調整していくしかないです。
本人が少しでも楽な方法を探すのもそうだし、社会とどこのラインだったらうまくやっていけるか、という視点も要ります。
副作用の危険も考えるとね、難しいとこだけど。
今は『必要悪』とでも考えるしかないんじゃないかな。」

前回はそうちゃんの突発的な行動を「自然現象で予知不可能」と言い、今回精神病治療薬を「必要悪」と言う先生。
こういうことを言われて不快に思う場合もあるかもしれないんだけど、
不思議とあの優しい眼差しで言われると、今の私にしっくり沁みる言葉だ。

とりあえずセロクエルの結論を。
朝100ミリ、夕100ミリ

朝25ミリ、昼25ミリ、夕50ミリ、寝る前100ミリ。
一日量は変更なし。
デイや学校にもご協力いただくことになるけど、しばらくこれでやってみる。
ちなみに、一日200ミリという量はそれほど多くなく、リスパダールで換算すれば2ミリくらいとのことでした。

次回受診は3週間後。
しっかり観察して、そうちゃんにジャストな方法を考えなくちゃね。 
そして最終的には薬はやめていけるように。
そこも頭の隅に置いておこう。これまでと同様に。

精神科のお薬の調整は、親と医師の共同作業だなーと思う。
他科と違って「調子の悪さ」をデータで示せる物がほとんどないし、個人差も大きく環境の影響もある。
本人に「飲み心地」を聞けない限り、親がしっかり観察してそれを医師に伝えなきゃきちんとした処方はできない。
そのためにも、調べられることは調べておこうと思う。
「精神科の薬がわかる本」というのが家にあって、まあまあ役立っています。

おや。
そうちゃんがソファで寝落ちしている。
病院受診のあとデイ行って一日遊んできたから、疲れたのかな。
一日の終わりにこの寝顔が見られて幸せ。

キャンプは?

2020年08月10日 21時27分09秒 | みゆみゆとの生活
2回やったら3回やる。
3回やったら永遠にやる。
そうちゃんは自閉ちゃんなので、基本ラインはそう決まっている。

去年も一昨年もお盆休みはキャンプに行った。
自閉症協会のキャンプで、ボランティアさんたちがガッツリ関わってくれて、親としても安心だった。
2年連続で父子で参加し、今年はいよいよ夫は親の中心メンバーとして運営にも関わるはずだった。

当然今年も行くよね?と思っていたらしいそうちゃん。
先週末、お風呂で突然歌い出した。
「♪もーえろよ もえろーよ ほのおよ もーえーろー」
裏声で浪々と歌う。
聞いてすぐに、ピンときた。
「そうちゃん、キャンプ行きたいの?」
「キャンプいく」
やはり。自閉症協会のキャンプのことだ。よく覚えてるなー。
「キャンプ行って、誰と遊ぶんだっけ?」
「○○さん」
すげ。去年担当だった大学生の名前がスッと出てきた。
(私は覚えておらず、記憶力のいい夫に確認したら合ってた)

こんな感じに、一年のスケジュールがほぼ頭に入っているそうちゃんにとって、今年の夏は訳わからんことの連続なんだろな。
RADWIMPSの「なんでもないや」に「夏休みのない8月のよう」という歌詞があったけど、それに近いことが現実に起きちゃっている。
こんな風になるなんて、誰も想像してなかったもんなー。

「ごめんね、そうちゃん。今年はキャンプは行かないの。お休み。キャンプ場、開いてないんだって。
だから今年はおうちで遊んだり、カラオケとか行こうね。」
コロナが、なんて言っても混乱するだけだろうと思い、シンプルに伝えてみた。
そうちゃん、浮かない顔で遠くを見ながら「はい・・・」と小さな声でつぶやいた。
こういうとき、ちょっと切ない。

感染症の危険がわからないので、マスクもちゃんとはつけられない。
でも真面目だから、朝の着替えの時に靴下はいた後当たり前のようにマスクを顎につけている。
「マスクで口かくしてよ」と言うとサッと上げるけど、次の瞬間には顎に下ろされている。
どんだけ顎を守っているのか。
多分顎だけ日焼け残りして白くなるな。
目に見えないウイルスを予防するためにマスクをしなければいけないなんて、どう伝えてもそうちゃんにはわからない。
むしろ、息がしづらくなる物を口に当て続けることに対する生体防衛反応の方が先立つのは、仕方ないことにも思える。

コロナのために、「従来通りを繰り返す」ことができなくなった日常。
そうちゃんにとって、「新しい日常」は「未知との遭遇」の連続で、混乱と緊張の日々だろう。
不安定な気持ちの時は、音に過敏になったりこだわりが強くなったりする。
「食事後すぐに食器を片付ける」はお行儀よくて褒められることだけど、
それをデイで他の子やスタッフさんにまでやるようになると、別問題。
人の分を勝手に片付けようとして止められたりすることが増えているみたい。
「まだ片付けないよ。○○くんがやるから、そうちゃんは触らないで」
と言えば止まるから、大人から見れば微笑ましい「せっかちさん」「お世話焼きさん」に映る。
けど、本人にとっては必死なんだよなー。だって、わからないんだから。なんで「いつも通り」「ルール通り」に物事が動いていかないのか。

その場ではなんとか我慢できても、結局解決していない「なんで?」が蓄積して後で爆発したりする。
落ち着いてて調子がいいと、ちょっとくらいの変化は受け流してくれるんだけどね。

とはいえ、
「もえろよ もえろ」は可愛い。
来年は行けるといいね。

夜の緊急受診

2020年08月09日 00時37分16秒 | みゆみゆとの生活
デイではそこそこ落ち着いていて、少しおとなしすぎるかな?と心配になるくらい、とのことだった。
そうね。やはりセロクエル200ミリ/日が効いてる。
睡眠にもよく効くし、しばらくは飲ませておこう。

そして晩ごはん後、薬を飲ませようとしたら、セロクエルが切れていた。
そっか、精神科でもらった分はなくなっちゃったんだ。
ではこの前小児科でもらった新しいやつを、と袋をゴソゴソしていたら。
…ない。
どれだけ探しても、セロクエルの袋がない。

一瞬固まって声が出なかった。

そっか。
精神科の退院時、ダンディ教授は「次の小児科受診日分まで薬出しとくね。あとは小児科で相談して」と言っていた。
その時は私もダンディ教授も小児科で精神科の薬も出してもらえると思ってたんだけど。
小児科ムーミン教授は、考えが違ったようです。
「セロクエルは精神科で調整してもらってね」と言ってたけど、それって「小児科では出せないよ」って意味だったんですね。 
「このまま全部出しときますから」というのはこれまで小児科で出てた薬だけのことだったんだ。
てっきりセロクエルも出てると思い込んで、もらった薬を確認してなかった。
痛恨のミス。

精神科に受診できるのは連休明け。
それまでセロクエルなしというのは考えられない。
まず、寝てくれないだろう。そして事件がまた起きてしまうだろう。
気付いたのは土曜日夜7時半。
さてどうする?

迷って、病院の代表電話に電話した。
事情を話すと小児科看護師さんにつないでくれ、看護師さんは医師と相談して、「今から来てもらえれば週明けまでの分だけなら出せます」と言ってくれた。
「行きます!ありがとうございます!」二つ返事。ええ、もちろん。
慌てて高速飛ばして病院へ行きました。 

救急外来受付には「待ち時間120分」と書いてあり、一瞬クラクラする。 
けど案外早く、ものの10分で呼ばれました。
対応してくれたのは若い男性ドクター。
当直の小児科医とのこと。
救急担当ではなく、病棟から呼び出されたと思われる。
うちが病院に着くまでに電子カルテで経過を確認してくれてたみたい。
精神科医と小児科医で行き違いがあったようなので、週明けには精神科を受診して今後のことを相談してください、と言われた。
薬は少し余分に、5日分出してくれた。
ありがたい。かみさまみたい。

余談になるけど、この若い小児科医、まあ物腰柔らかな好青年でして。
「遠くからわざわざ来ていただいてすみませんねぇ。」
「今日は休日で精神科の予約がここでは取れないので、また平日にお問い合わせください。すみません。」
頭を下げて謝ってくれる。
こんなドクターいるんか。
時代の変化か。
いや、師匠がいいんだな。
さすがムーミン教授の弟子。

夫と共に先生を褒めちぎりながら、病院を後にしました。
急な高速ドライブ、そして初めての先生の受診でも、パニックにならずついてきてくれたそうちゃん、エライ。

にしても毎日なんか起きるな。
今日のことは私にもいろいろ反省点ありだけども。
長々ダラダラ書いてる記事を読んでくれるブログ読者さんにも感謝。







行方不明、スピード発見

2020年08月07日 20時44分02秒 | みゆみゆとの生活
ご飯中にトイレに行くのはここのところ頻繁で。
精神的なものか、それとも便秘など消化器症状かよくわからないけど、食事中に2~3回席を立つのは当たり前の光景になっていた。
そうちゃんはトイレに行くと、ちゃんと拭いて流して、手も洗って帰ってくる。 
目だけで追っとけば問題ない。

それにその時、
雨が降ってたし、
夜だったし、
大声出してなかったし、
落ち着いてご飯食べてたし、
薬も飲んだとこだったし。

要するに油断していた。
それに、あまりにも前兆がなさすぎた。

ヤバい!と思った時には、トイレではなく玄関の二重ロックが開けられ、そうちゃんは靴も履かずに雨の道路に飛び出していった。
必死で叫んで止めたけど彼のダッシュは止まらない。
さっきまで45分くらいかけて晩ごはんをゆるゆる食べてたのに。
その瞬発力はどこから来るのか。
とても走って追い付く速度ではない。 
慌てて玄関に一歩引き返し、携帯と車のカギをつかむ。
そこで私、スッ転んで脛と膝を強打した。
こういう時って、痛くない。

見失ったそうちゃんはどこへ向かったか。
まず思い付くのはこの前ご迷惑かけた家。
シャッター直してもらったばっかりなのにまた蹴って同じことしたら大変だ。
慌ててそこの家のママさんに「そうちゃん来るかも!気を付けて!」と連絡。
自分でも向かい、そこには行ってないことを確認してから、しばらく車で周囲を捜索。
窓を開けておく。救急車やパトカーのサイレン、もしくは人のざわめきが聞こえるかもしれないから。

5分ほどですぐに諦めて、110番した。
今までみたいにどこかから警察に通報が入るかもしれないので。

相変わらず日本の警察は親切。とても優しく質問してくれる。
名前、年齢、服装、住所などいろいろ聞かれる。
「靴下の色」だけわからなかった。  
それよりも、靴を履いてないんです、を強調して言った。
警察の方は、「晩ごはんの途中にいきなり玄関から走っていなくなった」という事象がいまいちイメージつきにくかったのか、
「念のためお聞きしますけど、誰かにさらわれていった、ということはないですよね?」と言われた。
これは初めての質問だ。
170センチ近い俊足の中学生で、大声で喋り続けている重度知的自閉ちゃんを家からこっそり連れて行ける悪い人がいるなら見てみたい。
なんてことが頭をスパッとよぎりながら、警察との電話が長いことに焦る。

ようやく切って携帯を見たら、あちこちからメールやら着信やらが入ってる。
「そうちゃん、スーパーにいるよ!」
ご近所Aさんが、「ママ友Bさんから聞いた」とメールをくれてた。
そのBさんも同じ町内。
スーパーでそうちゃんを見つけ、私の連絡先を知ってそうなAさんに電話してくれたらしい。

メールを確認してる間に、夫から着信。
「そうちゃん、スーパーにいるって。ヘルパーのCさんが電話くれた。」
確かにCさんからも着信ある。
いつも行動援護でお世話になってるCさん、ホントにたまたま買い物に来て、聞き覚えのあるそうちゃんの声に反応したらしい。

私がスーパーについた時は、ヘルパーCさんに手を繋がれたそうちゃんがニコニコ待っていて、警察官2名と店長さんがいた。
店長さんによると…
 この子が一人で入ってきて売り物のキウイをかじったので、「お母さんは?」と聞いたけど、返事ができないのでおかしいなと思いました。
 そのうち2個目のキウイを食べ始めて、お母さんはいなさそうだし、足元見ると靴を履いてなかったので、110番しました。

そこへママ友Bさんが居合わせて「この子知ってます」となり、それからヘルパーCさんがたまたま来て、私や夫に連絡取ったり店長さんに話してくれたりしたようです。
なんとありがたいことでしょうか。

私が警察官の聞き取りに応じている間、「トイレ!」と言ったそうちゃんを、ヘルパーCさんが「僕連れて行きますよ」と行ってきてくれた。
平謝りに謝る私に店長さんは、「キウイの代金だけ支払っていただければ大丈夫ですから」と親切に言ってくれた。
最初にメールをくれたご近所Aさんは、その後のやり取りで「これからも何かあったら手助けするから、電話番号教えて」と。(メアドしか知らなかったので)

スーパーで警察に話す間、みんなが親切すぎて涙が出そうになって。
ではこうならないように私はもっと何かできなかったのか、自問自答。

帰宅後、頓服飲ませてお風呂に入れてからキウイのお金を払いに行った。
店長さんに、「ごめんなさい」としんみり言えたそうちゃん。
なんだか悲しいね。しょうがないけど。いや、しょうがなくないか。

行方不明から、発見までおそらく10分以内。
警察から私が引き取るまで全部入れても、30分以内の、スピード発見でした。 
これもご近所の見守りのおかげ。子供会や町内会活動もしといてよかったと思う。
しかし、早く発見されたからといって、よかったよかったとはならない。
小学部の頃なら、追い付いて路上で組伏せ、引きずって帰宅することもできたんたけど、大きくなってしまったのでそうもいかない。
ダンディ教授が言ってたように、「問題は突発的なこと」であって、普段は素直で真面目で友好的ないい子なんだけどな。

はあ。
エネルギー出しきったのか薬のせいか、ぐっすり眠ってるそうちゃん。
寝顔もかわいい分、余計にため息が出るのは母だからか。

「ダッシュしてスーパーでキウイかじった」といえば、3年前にもそんなことがあったな。→「大脱走に涙する」
あの時走って追いかけてくれた看護師さんと警備員さん、びっくりしただろうな。

さあ明日から連休、そしてお盆休みだ。
生きる、生かしとく、それだけ頑張ろ。
そのために今日は早く寝る。
まだ私は大丈夫。