「孤舟」寂しげな言葉のニュアンスを感ずる。作者:渡辺淳一の造語だと思っていたら、確かに広辞苑にも載っていた。「ただ1隻浮かんでいる船」とあった。成る程、定年を終えた初老の男、寂しげに放り出されている船そのものだなと思った。誰でも、一度は味わう心理描写が妻や子ども、ペット、一人の女性、基同僚を配して的確に表現している。
なるほどな、と、思う箇所がいくつかあった。そんなこともあり、一気に読んでしまった。ストーリーは実に簡潔であった。若い頃読んだ「氷点」のストーリーも単純だったことを思い出した。団塊の世代が男として新たに自立していく姿をどこにでもあるような場の設定をして描いている作品である。
もし、という仮想の世界が許されるなら、脚本化してメガフォンを取って映画化してみたい気がした。ただ、主役はだれにしようかということになると、なかなかふさわしい俳優は浮かんでこない。やっと、浮かんだのが、国際的俳優、渡辺 健 である。
If with the world of the imagination which is said is permitted, to script converting, taking the Mega phone, filming, the like air did. Simply, as for the leading part when it means, it will make someone, as for the very suitable actor it does not float. The fact that at last, it floated, the international actor, is the Watanabe Ken.
4,5年前だろうか、彼が主演の認知症の映画を見たことを思い出した。当時の熱演ぶりが目に浮かぶ。やはり、演ずるなら彼がいいだろう。人生のわびさびも心得ている。そんな彼が主演の「孤舟」の映画もまもなく見られるような錯覚さえ感じる。ストーリーはいたって単純であるが、その年代の背景や真理をうまくとらえている。ただ、娘ほどとしの違う女性に近づこうとする筋書きがあるが、あれはやはりやらせのような気がした。
定年退職後の旦那を迎える妻の立場は本当にリアルであったと誰もが思うだろう。どちらにしても、退職後は現役の地位や職業を忘れ、人間として丸裸になり、つきあうことが大切であり、男も妻から自立して自分の人生を歩んで行くことが主題であるような気がした。寂しいだろうがそれを受け入れる度量の問題だろうと思う。
最後までラブラブで寄り添う人がいるのもいいだろう。でも、生まれるときと死ぬときはどちらも一人にならざるを得ないことも心にとめておきたい。
Also it probably will be good to end for the person who draws close with love love to be. So, when being born, neither becomes one person when dying, not to obtain, in heart would like to stop.
されど、人生は素晴らしい、素晴らしくなるよう自分で気づいて行くことである。どっこい、60代もまだ若い、夢を持ち続けていこう夢を持っている間は若い。肉体は衰えるが精神は永遠に年をとらない。
But, in order for life to be splendid, to become splendid it is to keep becoming aware by its. Also 60 years old are young still, while having the dream which probably will keep holding dream it is young. The flesh becomes weak, but mind does not grow older eternally.