自称納谷悟朗後援会日誌

ファン歴50年の自称後援会長が、納谷悟朗さんの作品をご紹介しています。

2001夜物語 その2

2006-03-17 | OVA
スペース・ファンタジア 「2001夜物語」 (1987年5月21日) OVA (全一巻)
役名:アダム・ロビンソン Jr.  (地球からの贈り物)
アダム・ロビンソン船長 (遥かなる地球の歌)

「遥かなる地球の歌」

アダム・ロビンソン船長:納谷悟朗
カレン:村田博美
トビー:堀川亮
モーリン:荘真由美
ハリィ:塩屋翼
エレン:中島千里
ジョセフ:鶴ひろみ
ヨアヒム:淵崎ゆり子
アシモム:田中亮一
声(政治家風):北村弘一
ナレーション:中西妙子(中西氏のナレーションは全編に渡っています。)

人類は宇宙に進出し、沢山の人間が植民地へ移住したが、疫病、紛争、天災等の為に今はそのすべてが放棄され、宇宙時代は過去の物になりつつあった。
地球自体も、昔の美しい星ではなくなっていた。

子供達が平和に暮らす惑星オズマに、ある日宇宙船がやって来る。
その宇宙船からのシャトルが、この静かな星に着陸した。
人間が降り立つのを見て驚く子供達。
その中の老齢の船長を見て、「パパ!」と叫ぶ末っ子のヨアヒム。
が、それはパパじゃない、とトビーにたしなめられる。

子供達は、いつでも見ていられる様にと自分達が作った地球の模型を、アダム船長達に見せる。
地球の事を知りたがる子供達に、アシモフは、こことそんなに変わらない。この星は地球に似せて改造されたという事だから・・・と言うのだった。

トビーは、地球人達がこの星を乗っ取ろうとしている事を盗み聞く。

アダム船長は子供達をシャトルに乗せ、オズマの軌道を回る。
船長は、人類が、何万人も移住した星もあったが、植民地は全て放棄されたと説明する。理由を聞かれ「宇宙が広すぎたのかもしれない。行っても行っても果てしなくて、結局人間は恐ろしくなってしまったのかもしれないね。」と答える。
長女カレンは、それでは私達がオズマに居る理由は、もう無いんですね?と問いかける。地球へ帰りたいと思います。その権利があるはずですと訴える。

そこへ「スターシード」と呼ばれる物が登場する。オリオン座星系で発見された事があったと言う。植物の種子がぎっしり集まり、繁殖場所を求めて放浪しているのだ。

地上では、アシモフが子供達の地球の模型を燃やしていた。
地上に残っていたトビーとハリィが止めようとするが、君らの為だ、地球の事なんか忘れてしまえ、と告げるのだった。

子供達に、現在の地球の姿を見せるアダム船長。
年老い、崩壊し、汚染されたそれは、もう美しい星ではない。
「この宇宙船は地球には戻らない。地球は変わってしまった・・・370年前、恒星間旅行など全く不可能だと思われた時代に、君達こそが人間の宇宙への夢の象徴であり、救いだったんだ・・・今でもそれは変わらない」と説明する船長。
植民地が全て失われてしまった今こそ、子供達は再び宇宙への夢の象徴だった。

アダム船長は、どうしても見てもらいたい物がある、と子供達に自分達が乗ってきた宇宙船を見せる。そこには、睡眠カプセルの中に入った沢山の人間が収容されていた。

シャトルが戻って来た。
「この星から出て行け!」とアダム船長に槍で襲い掛かろうとするトビー。
が、アダム船長は、心臓の発作を起こす。
苦しみながらもアダム船長は言う。「勝手にあの人々を移住させるつもりはない。この星は君らの物だ。君らだけの為にロビンソンが残した星だ。」
どうしてそれを知っているのかとトビーに問われ、「私もロビンソン一族の末裔だからだ。」と答えるアダム・ロビンソン船長。

最後の植民者として、新天地を求めてここへやって来たんだ、今さらこの星から去る事は出来ない、と言うアシモフに、船長は、子供達が断るなら、私達は出て行く。今度は私達がスターシードとなって、別の星を目指せばいいんだ、と答える。

「許してくれ。死ぬ前に、一度君らに会いたかったんだ。
この星の事は、何代も私達の胸に・・・。
君らの事を忘れた者は、一人も居なかった。」
アダムはそう言って、こと切れた。

美しいこの星に眠るアダム。
カレン「ロビンソンの人々は、私達に生命と愛と、そして地球そのものを贈ってくれました。アダム、この地で静かに・・・。」

何時の日かまた人類は、宇宙へ飛翔する事だろう。

***

アダム船長の悟朗さんは、1987年当時老け役ですが、今拝見すると現在の地に近い感じです。
心に沁みる様なストーリーでした。
最初の計画は無謀でしたが、結果的に、オズマがまた未来へ希望を繋ぐ事になると言う、なかなか素敵な話でした。

末っ子のヨアヒム(メルカッツ提督のお名前だったりするのが、ちょっと楽しいです。笑)が、父アダム(アンドロイド)よりずっと年上のアダム船長を「パパ!」と呼ぶ所、良かったです。子供はちゃんと、アダム船長に父の面影を見る事が出来たんですね。

あとは、悟朗さんが当然(!!)船長を演って下さって、嬉しかったです。(笑)

監督:竹内啓雄
製作:ビクター音楽産業株式会社、東京ムービー新社
原作:星野之宣 「アクション コミックス」(双葉社刊)



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2001夜物語 その1

2006-03-15 | OVA
スペース・ファンタジア 「2001夜物語」 (1987年5月21日) OVA (全一巻)
役名:アダム・ロビンソン Jr.  (地球からの贈り物)
アダム・ロビンソン船長 (遥かなる地球の歌)
                         
三部構成のオムニバスで、トータル約60分の作品です。(1話、約20分)
なお原作は全く読んでいません。その点ご理解の上でお読み下さい。

「宇宙の孤児」
*この話には悟朗さんはご出演になっていません。

アダム・ロビンソン:古川登志夫
ハンナ・ロビンソン:鶴ひろみ
レオ(科学者):大木民夫
クラーク(科学者):野田圭一
クリス:淵崎ゆり子
トビー:堀川亮
カレン:村田博美
モーリン:荘真由美
男の子:中島千里
女の子:佐藤智恵

2058年、人類の宇宙進出は始まったばかり。
未だ十分な科学力がなく、有人恒星間飛行等は不可能な時代だった。
そこで、彗星オズマ3を利用した航法が考え出される。
彗星の核からエネルギーを直接補給しつつ、彗星と一緒に航行し、その後エネルギーを採り尽くした後に彗星を核融合爆発させて、そのエネルギーを使って高速飛行に入ると言うもの。
しかしこの加速度に人体は耐えられない。(細かい事は分かりませんが、彗星を爆破したら、宇宙船も吹っ飛ぶと思うんですけど・・・?????)
そこで、冷凍した精子と卵子を乗せ、高速飛行後に子供達に命を与え、くじら座タウ星系第二惑星オズマを目指す。

精子と卵子の提供者は、アダムとハンナ・ロビンソン夫妻だった。
二人は実際には宇宙へは飛び立たないが、航行中、二人のイメージから創られたアンドロイドとなって、子供達の世話をする。

22人の子供達はついにオズマに到着した。
そこは真っ青な空と、山と湖、そして緑に囲まれた美しい星だった。
太陽系を離れてから375年が経過していた。
 
「地球からの贈り物」

アダム・ロビンソンJr.:納谷悟朗
ミラー:徳丸完
ギルフォード:北村弘一
作業監督(A):大木民夫
作業監督(B):野田圭一
作業監督(C):田中亮一
連絡員:塩屋翼
コンピューター:堀川亮

21世紀後半、人類は第十惑星「魔王星」を発見する。
この星は反物質で構成されており、無限のエネルギーを保有していた。
また科学も飛躍的な進歩を遂げ、ワープ航法も可能となった。
恒星間航行時代の幕開けだった。

アダムは、岩ばかりの不毛の星の開拓に従事していた。
水はあるが、岩だけの星だ。酸素も十分ではなく、作業員達は宇宙服を着用。
アダムは岩盤を砕いて土にし、植物を植えて、この星を楽園に変えようとしていた。

ここに登場するアダムは、壮年の穏やかながら、意志の強そうなオジサマです。(笑)
最初は分からなかったのですが、このオジサマが実はアダム&ハンナ夫妻の息子。
父のアダム・ロビンソンは、第十惑星の開発に係わり、巨万の冨を手にしていた。
彼からロビンソン宇宙財団を引き継いだアダムは、その冨すべてをかけて、この星を開拓しているのだった。

北村氏は、ロビンソン財団の財務顧問ギルフォード。
このギルフォードは、アダムを「アダム様」と呼んで、北村氏お得意の執事っぽいキャラでした。(笑)ギルフォードはこのままでは財団は破産すると、心配しているのだ。
しかし、アダムは計画を中止する意志は全く無かった。

地形の整備をし、運河から水を引いて湖を創る。
努力の甲斐あって、植物が芽を出した。

大規模な改造の為、天候のバランスが崩れたのか、豪雨が続いていた。
ミラーは、環境の改造は長くは持たない。600年もすれば元に戻ってしまうだろう、とアダムに忠告するが、アダムは600年持てば十分だよ。600年後の事を考えるのは我々ではない、と答える。

降り続く雨の為に、ついに湖が決壊する。
「谷を埋めて水の流れを変えるんだ。」と命令するアダム。
が、湖の決壊で、やっと開拓した土地も滅茶苦茶になってしまった。

雨の中の危険な作業が続き、地球に帰りたいと言う作業員が続出する。
彼らの訴えを聞き入れ、もうすぐ機材を積んだ母船が到着するので、帰りたい者はそれに乗って帰る様に、と指示するアダム。
「ご苦労だった。」とねぎらう事も忘れず、この人は穏やかで冷静な人物でした。
(悟朗さんのお得意の役でしょう?????笑)

この星の開発は、やはり無理なのか?
しかし瓦礫の下には、若芽が残っていた。それを見てアダムは希望をつなぐ。

やがてこの星に緑が広がり、植物のお陰で大気中の酸素も濃くなっていく。

この星は、子供達が乗った宇宙船が目指している目的地、惑星オズマなのだ。
宇宙船が地球を出発してから50年。
地球からここまで11.9光年、今何処を飛んでいるのか、全く分からなかった。
アダムは先回りして、子供達の為にこの星を楽園に変えたのだ。
それが両親の意志だった。財団の資金は、この事にこそに使われるべきだったと、ミラーに語るアダム。

アダムから、300年後に到着する子供達へのメッセージ。
「兄弟達よ。宇宙の闇の彼方から、まっしぐらにここに向かっている、まだ生まれぬ兄弟達よ。どうか、このささやかな贈り物を受け取って欲しい。そして忘れないで欲しい。
父も母も私も、君達と共にある。」

***

最初、岩だけの索漠とした星と、「宇宙の孤児」で子供達がたどり着いた、美しいオズマとが結びつかず、2つが同じ星だと分かった時はかなり驚きました。
行ってみるまで、どんな星か分からないオズマへ、子供達を送り込むと言うのも相当無謀ですが、そこを楽園に創り変えたアダム・・・とても素敵な展開でした。
悟朗さんも、全体に静かで優しく、とても思慮深い感じ。良かったです。

*次回、第三話にあたる「遥かなる地球の歌」をご紹介します。


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孔雀王 櫻花豊穣

2005-10-26 | OVA
*セリフ一言の作品。

孔雀王 「櫻花豊穣」 (1991年)

孔雀王3作目。これも第一作「鬼還祭」と同じくOVAでした。
慈空のセリフが一言!(本当に本気で一言。爆)
登場する意味すらない役です・・・と、言うか、高僧だったはずの慈空のセリフに
唖然としました。(苦笑)

キャスト
孔雀:関俊彦
アシュラ:安藤ありさ
王仁丸:玄田哲章
慈空:納谷悟朗
高畑神父:川久保潔
綾乃/大原節子:来宮良子
黄泉御前:小林優子
二宮冴子:島津冴子
部長:沢木郁也
沢ロリエ:白鳥由里
クリスチーヌ火場
修験道大角:梁田清之
警官:森川智之
リポーター:米倉浩子
リポーター:梅津秀行
プータロー:荻野真(特別出演)

悟朗さんは最初の方に、一瞬登場されています。
書く事がないので、セリフをちょっとご紹介!!!(笑)
「さてさて、弁天様のお宝船に乗り込むとするか・・・」

某歓楽街にて、このお言葉でした。(爆)

詳しい内容については避けますが、「孔雀王」の中で、この作品が私は一番怖かったです。川久保さんも来宮さんも迫力ありました。
小林優子氏のキャラ(黄泉御前)が、私には一番怖かった!

ラストが綺麗でした。(タイトル通りに、枯れ木に桜が満開になります。)

原作:荻野真(週刊ヤングジャンプ)

*なお、この作品以降「真・孔雀王」が登場しますが、キャスト総入れ替えで、慈空役は
永井一郎氏が担当されています。


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孔雀王 鬼還祭 その2

2005-10-12 | OVA
続きです。その1からお読み下さい。

孔雀は巽麻が居ると言う、北海道にある山のふもとへやって来た。
アシュラも天鐘に連れられて、そこへやって来る。
天鐘は、孔雀に、やはり行くのですか?そうまでして裏阿修羅像を取り戻して、自分のプライドを守りたいのですか、それとも高原巽麻を殺す為に行くのですか、と問う。
孔雀は、巽麻は自分の中にある大きな力に耐えられなくて泣いている。
それは昔の自分と同じだ。
だから行かなくてはならないのだと、答える。
天鐘は孔雀の心を理解した。

巽麻のいる山へ入る孔雀。
一方慈空は、安部晴明が封じた天をも滅ぼすと言う鬼が、実は晴明自身を封じ込めた物だと気付く。

山の上では、三日三晩行を済ませた巽麻と阿修羅像が待っていた。
巽麻は、魔物を解き放ち、日本をもう一度呪術者が支配する国にするのだ、と野心に燃えていた。
黄泉路が開き、そこから亡者(もうじゃ)が現れる。
しかし亡者どもは光明真言を唱えていた。
阿修羅像に封じ込められているのは、魔人とは別の物だと気づく孔雀。
孔雀は、不動明王火炎呪で、亡者を焼き尽くすが、そこには人間が・・・。
ここで若本氏と仲木氏が、一緒に光明真言を唱えます。
うちは真言宗なので、光明真言も知っていますが、あんな早口で唱えるの、初めて聞きました。面白かった。(笑)
孔雀も、魔物が鬼などではなく、晴明である事を知る。
晴明は巽麻の体を乗っ取り、一千年の眠りから覚めた。

晴明の呪力は強く、孔雀の術が全く利かない。
晴明は孔雀を自分の中に導こうとするが、孔雀は、自分は巽麻を助けたかった・・・
自分のすべてをかけて、晴明を倒す、と宣言する。

孔雀危機一髪の所で、王仁丸登場!
魔物の正体を知らない王仁丸は、黄泉の八雷神を呼びよせるが、晴明には通用しなかった。
そこで孔雀と王仁丸は、二人の気を合わせる「太極波」(注3)で、晴明に立ち向かう。
大変なパワーだが、それさえも晴明を倒す事は出来なかった。
力尽きる孔雀。その時、孔雀はアシュラからの気を受ける。

孔雀は孔雀明王印を使って、晴明と対決する。
晴明はその時初めて、孔雀が孔雀明王の生まれ変わりだと気付くのだった。

見事、晴明を闇に返した孔雀に、王仁丸は「持ってけ」と阿修羅像を渡すが、
孔雀は巽麻を救えなかった事を悔む。
現代ではこんな術で人を救えはしないのだ、と王仁丸に言われると、
呪禁道も密法も、一千年前に滅びてしまえば良かったんだ!と答えるが、
王仁丸は「ほざけ」と言い捨てて去っていった。

無事修羅像を取り返した孔雀だが、その阿修羅像を真っ二つに割ってしまう。
巽麻を助ける事が出来なかった、やりきれない怒りが消えない様だった。

慈空は彼自身、阿闍梨であり、本当は密法の術もかなり使えるはずだと思うのですが、残念ながらその点での活躍がなく、キャラ的には惜しいと思いました。
原作のコミックを読んだ事がないので、コミックの方で、その辺の扱いがどうなっているのか分かりませんが。
悟朗さんがお経を読んだり、真言を唱えたりするのを、拝聴したかったです!(笑)
全体的には、地味ながら、それなりにセリフもあり、面白い役だったと思います。
但し、この作品以降、段々慈空の出番が少なくなって行ったのが残念です。

(注1)お寺の名前は実際には出てきませんが、興福寺(奈良にある法相宗大本山)の様です。
(注2)石丸氏カッコイイです。王仁丸の声は、石丸氏が担当されたのはこれのみで、後の2作は玄田哲章氏が担当されています。
どちらもカッコイイですが、個人的には石丸氏の方が好きです。
(注3)最初「大極破」と書いたんですが、「大極波」が正しいようです。
参考資料:「アニメ・ゲーム・特撮・必殺技辞典」様、ありがとう御座いました。

原作:荻野真(週刊ヤングジャンプ)


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孔雀王 鬼還祭 その1

2005-10-12 | OVA
孔雀王「鬼還祭」(1988年)
役名:慈空(じくう)

孔雀王は全部で3本あり、うち1の「鬼還祭」と3の「櫻花豊穣」がOVA。
2の「幻影城」が劇場版です。
悟朗さんの役は慈空阿闍梨。(あじゃり)
主人公・孔雀のお目付け役的存在の老僧です。
たまたまウチは真言宗なので、密教を扱った話が結構面白かったです。

キャスト
孔雀:関俊彦
アシュラ:安藤ありさ
慈空:納谷悟朗
王仁丸(おにまる):石丸博也
僧正:加藤精三
天鐘:水島裕
岡本弥美(やみ):横尾まり
高原巽麻(たかはらたくま):若本規夫
安部晴明(あべのせいめい):仲木隆司

奈良にある法相宗の寺から、阿修羅像が盗まれたと僧正から依頼を受け、孔雀、アシュラ、慈空が寺を訪れる。(注1)
寺を訪れる途中で、孔雀は大きな包みを持った男を見かける。

この寺所有の有名な八部衆像の一つが盗まれたと言う。
八部衆は一般に公開されているが、彼らが通されたのは、厳重な警戒がしかれている特別な部屋。八部衆は実は表と裏の像があり、全部で16体存在する。
一般公開されているのは表の八部衆像で、盗まれたのは裏の阿修羅像だと言う。
裏の像には魔を引きつけ眠らせる役目があり、この裏の阿修羅様には魔物を閉じ込めてあると言う事だった。

裏の八部衆像が安置されている特別な部屋へ行く途中で、天鐘が「孔雀さんは凄いんですってね」と彼の術の凄さを話題にする。
孔雀は、この間も「依頼人は取り殺される。屋敷は燃える。失敗しちゃって。」と頭を掻くと、慈空が「私に言わせれば、依頼人の悪行が祟っただけで、仏様の功徳ですかな。
ホホホホホ・・・」と笑っていたのが、最高でした。
何となく食えないジジイと思わせる所が良いです。(笑)

僧正から説明を受けていると、いきなり式鬼(しきおに)登場。
僧正の念仏は利かないが、孔雀の術でその場を治める事が出来た。
式鬼は必ずそれを打ち放った者がいると言う。その主の後を追う孔雀。

式を放ったのは、呪禁道(じゅきんどう)の王仁丸。(注2)
強力な術者だが、依頼されれば殺しもやると言う呪禁道師。
「俺の式を倒したのは、てめえが最初だ」・・・と言いつつ、孔雀と対決する。
お互い、相手が裏の阿修羅像の行方を知っていると思っていたが、やがて別に犯人が居る事に気づく。

一方慈空は、寺にある裏阿修羅像に関する縁起書「天竜魔封之事」(てんりゅうまふうのこと)を読み、状況を把握しようとする。
一千年前、陰陽師安部晴明は魔物を阿修羅像に封じ込めたと言う。

王仁丸は、阿修羅像を盗んだのは、縁起書の内容を知った陰陽師の仕業だと見当をつけ、孔雀と共に、京都にある安部晴明ゆかりの晴明神社を訪れる。
晴明神社にある一条戻橋は、晴明が式神を隠していたと言う伝承があり、晴明の霊力を残している場所。犯人が阿修羅の封印を解く為に、晴明の霊力が残る場所を破壊すると考えたのだ。
そこで魔物が団体で登場!
孔雀の九字(くじ)が効かず、また王仁丸の式鬼も言う事を聞かずに、逆に王仁丸に向かってくる始末。余程強力な魔物が阿修羅像に封じ込められているらしい。
孔雀は千手観音消魔法で、すべての鬼を闇に帰したが、鬼どもが、地獄の業火を招き、あたりは火の海と化していた。
孔雀は、そこで、奈良で見かけた大きな包みを持った男を再度目撃する。
孔雀はあれだけの力を持ちながら、邪悪な魔の復活に使おうとしている・・・同じ術者として許せないと憤る。
王仁丸は、式すら操る魔物は、鬼の支配者の様な存在かもしれないと孔雀に助言し、去っていった。

慈空は、縁起書が寺の外部に出る事はほとんどないが、数ヶ月前、ある大学の研究室に貸し出された事があり、その後研究員の一人が行方不明になったと孔雀に告げる。
その男、高原巽麻の写真を孔雀に見せると、それは孔雀が目撃した男と同一人物だった。

巽麻が研究室で知り合った、恋人の岡本弥美なら何か知っているかもしれない。
そこで、孔雀は弥美を訪ね、巽麻について質問するが、弥美は、巽麻は強い霊力を持っていながら、それを使う事が出来ず悩んでいた。現代ではそんな力があっても何にもならないのだから・・・と非協力的だった。孔雀は、自分は巽麻と話したいと告げる。
そんな折、またまた魔物登場。巽麻が壺の中に封じ込めて行った物らしい。
孔雀はあっという間に魔物を退治する。弥美は「あなたなら巽麻を助けられるのね」と、孔雀を信用し、巽麻が北海道に居ると教えてくれた。


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