録画してあった10月21日放送の「ザ・ニンチドショー」を見終わって、消そうとしたその時、次の番組予告がチラと映りました。番組名は「単身花日」とのこと。これは?
いわしげ孝先生のコミック『単身花日』と関係があるんだろうか?でもコミックは10年以上前の作品だし・・・ ということで、28日の番組案内を見てみました。原作:いわしげ孝とありました。間違いありません。
実は私は『単身花日』は読んでいません。他の作品はすべて愛読しているんですが。ただ、いわしげ孝先生の作品がドラマ化されたとなると、見過ごすわけにはいきません。なぜ『単身花日』なんでしょうか。花田貫太郎よりはテレビ向き?
2013年3月にいわしげ孝先生が逝去されてから、もう10年が経つんですね。
ブログ記事を振り返ってみました。
2013年3月27日
3月6日(火)、漫画家のいわしげ孝先生が逝去されました。
3月10日発売の『ビッグコミック』(3月25日号)では「作者療養中につき休載」となっていたのですが、この時にはもう亡くなっていたのですね。
次の4月10日号の発売日が25日なので、発売を待って購入しました。編集部の「いわしげ孝氏の死を悼む」との追悼文が寄せられています。
連載中だった「上京花日」は、『ビッグコミック』平成22年7月10日号で「作者急病のため」突然の休載になり、1年以上「作者入院加療中のため休載」が続いていました。
それが、平成23年9月25日号で連載再開を果たし、内容的にも一応の区切りと思われるところまで描き進め、再び休載となりました。「上京花日」の新たな展開を楽しみに、連載再開を待っている日々でした。
編集部の追悼文です。
「・・・絶筆となった最後の回の絵は心なしか乱れているようにも感じます。それは残っていた力のかけらを拾い集めるようにして刻みつけた、漫画に対する氏の強い意志のように思えます。・・・」
享年58歳、早すぎます。残念です。ご冥福をお祈りいたします。
私が先生の作品に初めて接したのは再デビュー作の「忘れ雪」だと思います。この作品は『ぼっけもん』の第一話となっています。当初は不定期掲載でした。「ハングリー・ウィーク」の強烈さが記憶に残っています。
いわしげ孝先生のデビューは15歳の時、「ちいさな命」で『週刊少年ジャンプ』の新人漫画賞を受賞しました。(『週刊少年ジャンプ』昭和46年1号掲載)
続いて、「スクラップ」で第1回手塚賞佳作入選、「ブルースを歌う少女」で第2回手塚賞佳作入選に輝きます。
「ブルースを歌う少女」のとびらページです。
その後7年間は作品を発表せず、書店で働いていました。書店での勤務体験は「ぼっけもん」から「上京花日」まで先生の作品のなかで大きな位置を占めています。
各コミックス第1巻の表紙で、足跡を辿ってみます。
昭和57年5月1日初版第1刷発行
昭和61年2月1日初版第1刷発行
昭和61年8月1日初版第1刷発行
1989年(平成元年)3月1日初版第1刷発行
1991年6月1日初版第1刷発行
1992年12月1日初版第1刷発行
1993年4月5日初版第1刷発行
1994年4月1日初版第1刷発行
1998年12月5日初版第1刷発行
2003年7月23日第1刷発行
2005年3月17日第1刷発行
『青春の門』の漫画化あたりから違和感を感じ始め、「単身花日」で完全に読まなくなり、コミックスも購入しませんでした。このまま離れることになるのかと思っていました。
そこへ「上京花日」の連載です。再び読み始め、当然コミックスも購入しました。
2008年12月31日初版第1刷発行
コミックス未収録作品を集めて、作品集を出していただきたいですね。
ファンページは保存コーナーに入れて、更新はしないつもりでしたが、少し手を入れて、テレホンカードのコーナーも作りました。
2013年11月1日
いわしげ孝先生の『上京花日』第7巻が発売になりました。コミックスの帯に記されているように、最終巻で遺作になります。
小学館ビッグコミックス 2013年11月4日初版第1刷発行
「・・・ご遺族の意向を尊重させて頂き、加筆修正はせず、
病と闘いながら必死に描き続けた漫画を
そのまま出版させて頂きました。」 とのことです。
巻末に「追悼いわしげ孝先生」として、片岡鶴太郎さんの特別インタビュー4ページが収録されています。(『ビッグコミック』2013.11.10号掲載)
また、特別収録作品「クズ鉄の街」「親父の目」「いつか親父になる日」の3編が収録されています。残念ながら初出のデータが掲載されていないのですが、絵柄から比較的最近の作品ではないかと思います。
※ウェブ上で探してみました。2006年から2008年にかけて『ヤングサンデー』に読み切りで掲載されたようです。(ブログ「情報中毒者、」など)
発売日は10月30日でした。すぐ近所の書店に買いに行ったのですが、置いてありませんでした。神栖市の書店に買いに行こうと考え、念のためにもう一度発売日を確かめていたら、なんとAmazonに予約注文してありました。すっかり忘れていました。
予約注文は発売日の翌日に届くので、昨日入手することができました。
このコミックスは『上京花日』の最終巻ではありますが、「最後の単行本」にしてもらいたくはないですね。まだコミックス未収録作品はたくさんあるので、ぜひ作品集の刊行をお願いしたいです。