暖冬の今年(2020年)、銚子は今日、3月27日(金)に桜の開花宣言が出ました。銚子市の開花標本木は陣屋町公園にあるそうです。
「千葉県の桜の標本木は、銚子市内陣屋町公園の桜。つまり、銚子での桜の開花が千葉県の桜開花宣言。ってご存知でしたか?」 知りませんでした。
2年前、2018年の銚子市の記事です。この年は3月20日が開花宣言で、これは史上2番目に早い開花宣言だったとのことです。
一番早かったのは2002年で3月19日、昨年2019年は3月25日でした。平年は3月31日なので、今年は関東各地と比べると遅い開花でしたが、早いのは間違いないんですね。
今は銚子市には、大規模な桜の名所はありませんが、私の小さい頃、もう60年くらい昔、昭和30年代には「七つ池」が桜の名所になっていました。
家族でバスに乗って、七つ池に行ったのを、かすかに覚えています。
昭和31年(1956年)6月発行の『銚子市史』は、「上下三段に分かれ平時は幽すいな閑寂境をなしているが、春は周辺に植栽した二千本の桜樹が開花して花見客で賑わう。」と記しています。
その七つ池の観光リーフレットを入手しました。
桜の公園「七ツ池」の説明文です。
学校の遠足や、家族連れのピクニックコースとして好適、国鉄松岸駅から徒歩十分、花のシーズンには臨時バスの便がある。満々と水を湛えて釣りによくボートによい、裏に松山をひかえ、はるかに利根川から鹿島灘を眺める台地、この池の周辺に講和を記念して二千本の桜を植樹し、新名所桜の公園となる。
桜の植樹は「講和を記念」して行われたんですね。
サンフランシスコ講和条約は、1951年(昭和26年)9月8日午前11時55分(現地時間)に、49カ国が署名し、会議が終わったとのことです。(日本経済新聞webサイト)
リーフレットの発行時期は記されていませんが、記述内容から推定すると・・・
バス路線が「成田バス」なので、千葉交通になった昭和31年11月以前であることがわかります。また、銚子電鉄の銚子駅外川間の料金が15円になっています。白土貞夫氏の『岬へ行く電車 銚子電気鉄道77年のあゆみ』によると、運賃が15円だったのは、昭和26年(1951年)11月1日から28年(1953年)3月3日まででした。
そうすると、このリーフレットの発行は昭和27年ころと考えてよさそうです。
七ッ池付近略図を見ると、臨時バスは川口明神から松岸駅を経て七ッ池に至っています。やはり臨時バスがあったんですね。
七つ池の由来等については次回に続きます。(一部漢字を新字や平仮名にしています。)