ばくのメモ帳

『ばくのお宿』管理人の西みつのり、略して西みつのメモ帳です。ホームページに書き切れない雑多な情報を綴ります。

高階良子『70年目の告白』第3巻新発売

2023年01月05日 | 高階良子

高階良子先生の『70年目の告白~毒とペン~』第3巻が発売になりました。

やはり帯の「引退作」が気になります。

秋田書店 ボニータコミックス 2022年12月25日 初版発行

コミックスカバー袖の言葉は、

「『70年目の告白』最終巻、/お手に取っていただいてありがとう。/かなり端折った所はありますが、/今回これを描き上げたことで、/自分の人生に一区切りついたかな?/という感じです。」

収録は第11話から最終話まで、全7話です。掲載誌は『ミステリーボニータ』2021年12月号、2022年1・4・6・8・9・11月号でした。

第2巻の第10話「黒とかげ」雑誌掲載の続きから始まり、現在までを描いています。「黒とかげ」の連載は1971年なので、この1巻に50年間が詰め込まれています。前回も書きましたが、本当はもう少しゆっくり描いていただきたかったんですが、「体力が持たない」とのことなので、やむを得ませんね。

『なかよし』の「黒とかげ」総集編

はじめてのオリジナルミステリー「地獄でメスがひかる」も第11話に登場します。

第13話には「赤い沼」が登場。1976年『なかよし』11月号の別冊付録でした。

第13話には「ピアノソナタ殺人事件」の執筆も描かれています。1979年『なかよしデラックス』への掲載でした。そして第13話では、秋田書店での執筆が始まったことも描かれています。

秋田書店での執筆は、「ピアノソナタ殺人事件」と同じ1979年に「ネアク夫人」(別冊『ビバプリンセス』)、「風の菩薩」(『ボニータ』)から始まり、翌年1980年には秋田書店雑誌への掲載がが中心になっています。

そして1981年には『月刊ボニータ』4月創刊号から「マジシャン」の連載が始まっています。「マジシャン」については、第15話で描かれています。

「笑えるミステリー」、『アドニスの憂鬱な日々』(第16話)

『クロノス神話』(最終話)

『70年目の告白』第3巻もタイトル通り、母親との確執や出版社の内部事情が描かれていますが、このブログでは先生の作品から振り返ってみました。

「あとがき」には先生の現況が書かれています。

・・・でも近頃はさすがに/体力的にきつい。/食べることに興味を失くし、足元が覚束ない、・・・/今はさすがに走ることを一度止めるしかないように思います。

しばらくはゆっくりと休んでいただきたいですね。そして「体力が回復し」「また描きたくなったら」、ふたたび素晴らしい作品を描いていただきたいです。

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『高階良子の部屋』

 

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高階良子先生『70年目の告白~毒とペン~』第2巻新発売

2021年11月18日 | 高階良子
高階良子先生『70年目の告白~毒とペン~』のコミックス、第2巻が発売になりました。帯付きのコミックスです。




秋田書店 ボニータコミックス 2021年11月25日 初版発行

コミックスカバー袖の言葉は、

「もう2巻が出ます。/3巻でまとめるつもりなのに、/話が半分も進んでいません。/これからは巻きで行かないと、/と考えています。」

収録は第6話から第10話です。掲載誌は『ミステリーボニータ』2021年4・6・7・9・10月号でした。

雑誌掲載時とコミックスを比較してみましたが、大きな変更はないように思いました。

この巻では、若木書房『ゆめ』でのデビューから『少女フレンド』時代を経て、『なかよし』での「黒とかげ」連載が始まるまでを描いています。

第6話は、初めての掲載誌『ゆめ』を手にした喜びの場面で終わり、第7話は「リリ」の掲載された『ゆめ』2月号を抱きしめて眠る日から始まります。



そして、第10話は高階良子先生の大きな転機となった作品「黒とかげ」の連載開始で終わります。

『ミステリーボニータ』の「高階良子デビュー50周年記念」図書カードの図柄も「黒とかげ」でした。


時代的には『ゆめ』の発売が昭和39年(1964年)の年末、「黒とかげ」の連載開始は昭和46年(1971年)4月号でした。

「あとがき」には「残りあと1巻分 たぶんもう決定!」とあります。「体力が持ちそうにない」とのことです。

先日発売の『ミステリーボニータ』12月号には「地獄でメスがひかる」が描かれていました。1巻の収録話数は5話なので、残るはあと4話です。

「53年、まったく案が浮かばなくなって、三度目の挫折」(『少女まんが家入門』57.12.20学習研究社刊)。そして新境地を開いた「殺人事件シリーズ」、「マジシャン」、更に秋田書店での多彩な作品・・・。

本当はもうすこしゆっくりと、各作品に触れながら描いて欲しいなぁと思っていたんですが、やむを得ません。体調に配慮しながら、描いていただきたいですね。

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『高階良子の部屋』


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『ミステリーボニータ』7月号発売

2021年06月05日 | 高階良子

『ミステリーボニータ』7月号が発売になりました。「70年目の告白~毒とペン~」第8話掲載です。あこがれの望月三起也先生のアシスタントをした時を描いています。

「Kフレンドで連載の仕事が入っていた時」とのことなので、昭和43年(1968年)頃でしょうか。

高階良子先生の最初の雑誌連載は、『週間少女フレンド』昭和44年4月1日号から掲載が始まった、「バンカラ太陽」でした。それまで作品を掲載していた『別冊少女フレンド』から、『週刊少女フレンド』に作品掲載の舞台が移る、ちょうどその頃ですね。

最初の雑誌掲載作品「夕やけ雲はしっている」が42年4月なので、2年が経過しています。この間雑誌掲載が9作品、単行本(貸本)は6冊になると思います。

若木書房の貸本は、個人シリーズ「チャーム漫画劇場」でした。

 

 

 

 

 


この『ふたつの過去をさぐれ』(昭和44年2月(推定)刊)が貸本最後の作品になりました。これらの作品は『高階良子デビュー50周年記念セレクション』で読むことができます。

ところで、作品の中に望月三起也先生の4人のアシスタントが登場します。これが昭和43年頃の話だとすると、このアシスタントの中に、たかもちげん先生がいたのではないでしょうか。

昭和43年3月、高校を卒業すると同時に、南波省三(たかもちげん)は上京して望月三起也先生のアシスタントになっています。「望月先生のところは1年でやめ」とのことなのですが、ほぼ同時期に思えます。(「すごい!」とひとりで興奮しています。)

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『ミステリーボニータ』6月号発売

2021年05月13日 | 高階良子
『ミステリーボニータ』6月号が発売になりました。「70年目の告白~毒とペン~」第7話掲載です。

若木書房での活躍から『別冊少女フレンド』への作品掲載の頃を描いています。この辺はもう少しゆっくりと描いて欲しかったですね。

第6話掲載の4月号では、初めての掲載誌『ゆめ』を手にした喜びの場面で終わりました。6月号は、「リリ」の掲載された『ゆめ』2月号を抱きしめて眠る日から始まります。掲載誌の『ゆめ』とデビュー作の「りり」です。



時は昭和39年から40年にかけての頃です。続いて、昭和40年には『こだま』3月号に「氷の慕情」、5月号に「雨の夜の語らい」、7月号に「赤い靴」、『泉』5月号に「もらいっ子」と連続して中編の作品を掲載しています。

この頃が仕事と漫画を両立させていた時期でしょうか。

また、8月には初めての長編単行本『花陰』、10月には『海に咲く花』、11月には『星の口笛』と連続して単行本を刊行しています。(発行月は推定です。)




第7話の回想では、2か月に1作程度を書いていたとしていますが、もっと濃密ですね。

昭和41年の『ひまわりブック』です。1年間に8冊を刊行しています。









そして、昭和42年になると、『ひまわりブックは』1作のみでした。


3月(推定)になると、個人シリーズ「チャーム漫画劇場」がスタートします。最初の作品は『つばめさん・かごの中』でした。



当時、若木書房には個人シリーズを刊行する漫画家が数人いましたが、高階良子先生もその一人になったわけです。

そして、昭和42年4月1日発行の『別冊少女フレンド』4月号、春休みまんがおたのしみ号に「夕やけ雲はしっている」が掲載され、雑誌デビューを果たしました。

何と、この「夕やけ雲はしっている」はコミックスに収録されています。『高階良子デビュー50周年記念セレクション』の第1巻です。


この後しばらくは『チャーム漫画劇場』と『別冊少女フレンド』への作品掲載が続いています。

2巻から最終7巻までの『チャーム漫画劇場』、また初期の雑誌掲載の作品も、『高階良子デビュー50周年記念セレクション』で読むことができます。

次回は「7月特大号につづく」となっているので、来月には第8話が読めるようです。次のコミックス第2巻には、ぜひデビュー作の「りり」を収録していただきたいですね。

6月号の「おたよりください」のコーナーです。

「60年ぶりに銚子電鉄に乗ってきました。濡れ煎餅の売り上げだけが頼り。月の売り上げが数千円の時もあるという・・・。それでも絶対にやめないぞ! 電車なのに自転車操業! なんかいろいろキャッチフレーズがすごかった。」

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『高階良子の部屋』



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高階良子『70年目の告白』新発売

2021年02月23日 | 高階良子
高階良子先生『70年目の告白~毒とペン~』のコミックス、第1巻が発売になりました。帯付きのコミックスです。




秋田書店 ボニータコミックス 2021年2月25日 初版発行

コミックスの判型は今回もB6判でした。前作『眠れる荊棘の・・・』について

これまで、高階良子先生のコミックスはほとんどが新書判だったと思うのですが、この作品だけの変更でしょうか。それとも秋田書店で何らかの変更があったのでしょうか。今後の刊行を見守りたいですね。

としましたが、B6判になるようですね。

コミックスの帯には、大きく「高階良子引退作」とあります。これについては、雑誌掲載時にすでに大きなショックを受けています。

衝撃の内容でした。「真実の自伝的物語 70年目の告白~毒とペン~」、カラー40ページです。「9月号に続く」なので、物語がどう進行していくのか判断できません。

いちばんショックだったのは、扉ページの「漫画家引退作」とのキャッチフレーズです。この自伝的作品を最後にペンを置くということなのでしょうか。なぜ・・・。お体の具合が良くないのでしょうか。いろいろ考えてしまいました。
今は作品の推移を見守るしかできないのですが、先生にとって重要な作品であることはわかります。

Twitterで情報を得ようと検索してみると、「高階良子スタッフブログ<公式>」を発見しました。2017年7月10日の開設で、週1回の更新が続いています。このブログによると、

「重ねてお知らせしておきますが、先生別に引退するって断言したわけじゃないんです。
ちょっと担当さんのヤマっ気が強かったようで……。
あと、この連載結構長くなりそうで、「終わったころにはどうなるかわからないし」とは確かに先生言っておられましたがね。」

とのことだったので、現在は心配してはいません・・・。

コミックスカバー折り返しの言葉は、

「この話の終着点はどこなのか?」と/訊かれたら、正直私にもよくわからない。/多分、これを描き進めるうちに/徐々に解ってくるのだと思います。

収録は第1話から第5話です。掲載誌は『ミステリーボニータ』2020年8・9・11・12月号、2021年2月号でした。

雑誌掲載時とコミックスを比較してみましたが、大きな変更はないように思いました。

巻末に1ページ、「あとがき」(とはなっていませんが)のページが付されています。

第6話は3月5日発売の『ミステリーボニータ』4月号に掲載とのこと。これから、若木書房『ゆめ』でのデビューまでの話も描かれていくと思います。

そして、ぜひ、デビューまでの道程も描いていただきたいです。『新児童少女マンガ界』や会誌『若草』のこと、草ノヒカル先生のこと。当時の『若草』をお持ちなら、ぜひ作品内に登場させていただきたいです。(できれば当時の作品も)

作品の続きを、楽しみに待っています。

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『高階良子の部屋』

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