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今日は母を県庁近くまで送ったついでに、今まで中には一度も入ったことのなかった「ジェーンズ邸」を訪ねてみた。ジェーンズ(Leroy Lancing Janes)とは明治4年、廃藩置県直後の熊本県に招かれて若者の教育をしたアメリカ人である。ジェーンズが教鞭をとった熊本洋学校からは多くの人材が育った。このジェーンズ邸は、当時ジェーンズ一家が住んでいた家で、もともと、現在、熊本県立第一高校がある熊本城内にあったものが移築されたものだ。ベランダが張り出したコロニアル様式は、映画「風と共に去りぬ」や「大いなる西部」「ジャイアンツ」などを思い出す。また、明治10年の西南戦争をきっかけとして、この建物が日本赤十字社の発祥の地ともなった。なお、映画「ラストサムライ」でトム・クルーズが演じたオルグレン大尉のモデルは、旧幕府軍の軍事顧問だったフランス人のジュール・ブリュネといわれているが、アメリカ人に設定を変えるにあたって、ジェーンズを参考にしたと思われる。実はジェーンズはウェストポイント陸軍士官学校の出身で、南北戦争に北軍の将校として参戦し、大尉にまで昇進したという人物で、トム・クルーズが演じたオルグレン大尉と全く同じなのである。
このジェーンズ邸の隣りには、夏目漱石の熊本3番目の旧居が移築されている。ジェーンズ邸のニ階から眺める漱石旧居もまた風情があった。
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秋色の中のジェーンズ邸
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ジェーンズ邸から眺める夏目漱石旧居