徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

将門の祟り!?

2013-11-10 16:35:09 | 音楽芸能
 先週金曜日のNHK・Eテレ「にっぽんの芸能」は、今年4月の歌舞伎座こけら落とし公演から「忍夜恋曲者」通称「将門」が放送された。と言っても平将門が出てくるわけではなく、その遺児・滝夜叉姫と将門の残党狩りを命じられた大宅太郎光圀の対決を描いた名作舞踊。坂東玉三郎の傾城如月(実は滝夜叉姫)の妖艶さや、尾上松緑の光圀の凛々しさなど見どころいっぱいで約40分ほどの大曲もあっという間という感じだった。
 将門と言えば、先般、NHK高校講座の日本史で「承平・天慶の乱」を見たばかりだが、今から1000年以上も前の事件なのにいまだに「将門の祟り」などという言葉をよく聞くが、それだけ一般大衆の心を動かす存在だったのだろう。
 実は将門には熊本も因縁があって、今から37年前の昭和51年(1976)の大河ドラマは「加藤清正」にほぼ決まっていたらしいが、制作開始直前に、なぜか平将門を主役とする「風と雲と虹と」に急遽変更されたという歴史がある。以来、熊本県民の悲願である「加藤清正」の大河ドラマ化はいまだに実現していない。これも「将門の祟り?」。また、今、僕の研究テーマの一つでもある女流歌人の檜垣は「将門の乱」に呼応した「藤原純友の乱」によって全財産を失い、零落して肥後国の白川のほとりに流れて来たといわれるから、何やら妙なつながりを感じてしまう。


坂東玉三郎の傾城如月(実は滝夜叉姫)と尾上松緑の大宅太郎光圀