徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

晩秋の雲厳禅寺

2013-11-21 17:42:27 | 文芸
 金峰山周辺の紅葉の進み具合を見てまわった。春以来、久しぶりに雲厳禅寺を訪れる。


▼雲厳禅寺
のどかな小春日和の中、岩戸山の木々に埋もれたかのような雲厳禅寺。前方の階段を登ったところに本堂があり、左の一番奥に岩戸観音を祀った霊厳洞がある。


▼山下庵跡(案内板には次のように書いてある。)
謡曲「桧垣」と山下庵跡
 謡曲「桧垣」は、生前大宰府で舞の誉れ高い白拍子であった桧垣の女の亡霊が、水を汲む歌の縁によって背負った罪業の苦しみから逃れたいと仏の恵みを頼る有様を描いた曲で稀に演じられる格調の高い秘曲である。
 岩戸山参籠の僧が、毎日仏前に水を供える老衰の嫗の名を尋ねると「年ふれば我が黒髪も白河の みつはぐむまで老いにけるかな」と詠んだ桧垣の女であると言い、水を運ぶ縁にすがって成仏の回向を頼んで消えて行く。
 岩戸山を望む山下庵跡は桧垣の居住跡で、謡曲「桧垣」の前段である。藤原純友の乱に遭い、熊本に逃れて白河の蓮台寺付近に草庵を結んだ桧垣の嫗は境内の井戸水を汲んで西山岩戸観音に日参(15キロm)していたが、後には此処に草庵を結び観音信仰に明け暮れて、ひたすら罪障消滅を願った。
謡曲史跡保存会



▼鼓ヶ滝
県道沿い岩戸観音入口の橋の傍にあるのが、かつては和歌の歌枕ともなった鼓ヶ滝(つづみがたき)。桧垣が詠んだとも伝えられる歌が残されている。

    音にきくつゝみか瀧をうちみれは たゝ山川のなるにそ有ける