徒然なか話

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今日は何の日? お江戸初の歌舞伎公演

2015-02-20 18:10:39 | 歴史
 ザ・わらべの動画を紹介していただいている「江戸東京下町文化研究会」さんのサイトのトップページに、「2月20日は慶長12年(1607)出雲の阿国が江戸城本丸・西の丸で歌舞伎踊りを演じた日」であると書かれていた。江戸時代だから旧暦の日付ではあるが、「へぇ、そうなのか」と思いながら文献で確認してみる。
 江戸時代前期に書かれた「当代記」に下記のような記述があった。書かれた時代が出雲阿国の時代とそう変わらないので信頼に足る記述だと思われる。また、これもほぼ同じ時代に作られたといわれる「歌舞伎草紙」には、絵図などとともに阿国歌舞伎の踊り歌が記載されている。
 江戸城での勧進歌舞伎から3年後、加藤清正に招かれた阿国歌舞伎が熊本へやって来る。太夫は「八幡の国」を名乗るが、この人物が江戸城で踊ったお国と同一人物かどうかは未だ謎である。ただ、「出雲阿国」という名前が定着するのは、ずっと時代が下ってからのことであり、日本各地を興行して巡ったお国が何と名乗っていたかはわかっていない。


▼2月13日より江戸城本丸と西の丸の間において観世流・金春流の勧進能が行われた。「御所の桟敷あり」とあるので二代将軍秀忠も見たのだろう。勧進銭のくだりで「ややこ踊りも同様」とあり、阿国歌舞伎も行われたことがわかる。



▼20日、国という歌舞伎女が江戸において踊る。先に行われた能と同じ場所で勧進歌舞伎を行なう。



▼「歌舞伎草紙」に残る阿国歌舞伎の踊り歌の歌詞(一部)