徒然なか話

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Don't Think Twice,It's All Right ボブ・ディラン

2016-10-14 12:50:23 | 音楽芸能
 案の定、彼のノーベル文学賞受賞は賛否両論だという。特に名のある文学者あたりの反発が強いらしい。しかし、毀誉褒貶は彼の人生らしくていい。1960年代の初めから、その時代のアメリカ社会を、鋭い感性で表現した詩と音楽でプロテストし続けた。
 2005年にマーティン・スコセッシ監督が、ボブ・ディランの半生を描いたドキュメンタリー映画「ノー・ディレクション・ホーム」にも、称賛と批判、共感と反発を繰り返しながらも独自の道を進むボブ・ディランの姿が描かれている。
 僕がボブ・ディランの音楽に初めて触れたのは、高校時代の終り頃。「風に吹かれて」もよく聞いたが、その頃一番好きだったのが下の「Don't Think Twice,It's All Right」(邦題:くよくよするなよ)だった。大学に入ってからリリースされたのが、「Like a Rolling Stone」。今日では、ボブ・ディランのベスト10などではだいたい1位になるのがこの曲。しかし、当時はこの曲も賛否両論、評価が分かれていた。僕も含め、フォークソングのアコースティックなサウンドが好きだったファンは、このフォークロックが好きになれなかった。仲間だったジョーン・バエズやピート・シーガーらが、ボブ・ディランと袂を分かって行ったのもこの頃だった。同じ頃、バリー・マクガイアの「明日なき世界(Eve of Destruction)」が世界的なヒットになったように、ボブ・ディランもそれまでの表現方法では伝わらないと思ったのかもしれない。
 それから50年以上経った今日、僕も「Like a Rolling Stone」が妙に懐かしい。スコセッシの映画から、この曲のイントロが流れてきた時、熱いものが込みあげたものだ。

▼Don't Think Twice,It's All Right


▼Like a Rolling Stone