徒然なか話

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人間五十年 げてんのうちをくらぶれば

2019-07-18 21:36:30 | 音楽芸能
 人間五十年 げてんのうちをくらぶれば 夢まぼろしのごとくなり

 これは有名な幸若舞「敦盛」の一節だが、「天上界の時間軸で見れば、人間界の50年などあっという間で儚いものだ」というような意味らしい。「げてん」というのは幸若舞では「化天」と、「信長公記」では「下天」と表記される天上界を表す仏教用語だそうだ。
 文学者で芸能史家でもある高野辰之が大正4年に出版した「歌舞音曲考説」の「幸若舞曲」という章には、織田信長が、鷲津砦・丸根砦にて今川義元に攻めかかる時、この「敦盛」を舞ってから身支度を整え出陣したという話も紹介されている。
 齢70を超えるとこの謡の意味を切実に感じるようになった。


幸若舞の謡本に書かれた「人間五十年・・・」の一節