「何れアヤメかカキツバタ」
南北朝時代の軍記物語「太平記」の一節に典拠を持つことわざで「どちらも優れていて選び迷うこと」の意である。
「から衣 きつつなれにし つましあれば はるばる来ぬる たびをしぞ思ふ」
古今和歌集の中の在原業平の歌で、旅先での妻恋しさと旅のつらさを詠んだ歌である。
「潮来出島の 真菰の中に あやめ咲くとは しおらしや」
お馴染み茨城県の水郷潮来の俗謡「潮来節」の一節である。
「ショウブ」「アヤメ」「ハナショウブ」「カキツバタ」とちょっと紛らわしいが、実は四つとも別ものだそうである。端午の節句にお風呂に入れる「ショウブ」だけは他の三つと異なる系統だという。残りの三つはいずれもアヤメ科の植物だが、あやめは漢字で「菖蒲」と書き、「しょうぶ」とも読む。ところが「アヤメ」と「ショウブ」は全く別の植物であり、「アヤメ」と同じ種類のものは「花菖蒲(はなしょうぶ)」である。肥後六花の一つ「肥後花菖蒲」もその一系統である。「カキツバタ」も水辺や湿地に群生する植物だが園芸植物となったのは「ハナショウブ」よりも歴史が古いという。「アヤメ」は乾燥した山野に生える植物で水辺に生えることはないそうだ。
「潮来節」の潮来では、花菖蒲もカキツバタもひっくるめて「あやめ」というらしい。
来月中旬頃になると玉名市高瀬裏川の「ハナショウブ」が咲き始める。今年は少し開花が早まるかもしれない。
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立田山湿性植物苑の「カキツバタ」
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玉名市高瀬裏川の「ハナショウブ」(昨年)
南北朝時代の軍記物語「太平記」の一節に典拠を持つことわざで「どちらも優れていて選び迷うこと」の意である。
「から衣 きつつなれにし つましあれば はるばる来ぬる たびをしぞ思ふ」
古今和歌集の中の在原業平の歌で、旅先での妻恋しさと旅のつらさを詠んだ歌である。
「潮来出島の 真菰の中に あやめ咲くとは しおらしや」
お馴染み茨城県の水郷潮来の俗謡「潮来節」の一節である。
「ショウブ」「アヤメ」「ハナショウブ」「カキツバタ」とちょっと紛らわしいが、実は四つとも別ものだそうである。端午の節句にお風呂に入れる「ショウブ」だけは他の三つと異なる系統だという。残りの三つはいずれもアヤメ科の植物だが、あやめは漢字で「菖蒲」と書き、「しょうぶ」とも読む。ところが「アヤメ」と「ショウブ」は全く別の植物であり、「アヤメ」と同じ種類のものは「花菖蒲(はなしょうぶ)」である。肥後六花の一つ「肥後花菖蒲」もその一系統である。「カキツバタ」も水辺や湿地に群生する植物だが園芸植物となったのは「ハナショウブ」よりも歴史が古いという。「アヤメ」は乾燥した山野に生える植物で水辺に生えることはないそうだ。
「潮来節」の潮来では、花菖蒲もカキツバタもひっくるめて「あやめ」というらしい。
来月中旬頃になると玉名市高瀬裏川の「ハナショウブ」が咲き始める。今年は少し開花が早まるかもしれない。
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立田山湿性植物苑の「カキツバタ」
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玉名市高瀬裏川の「ハナショウブ」(昨年)