徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

参詣の道すがら

2023-06-04 20:49:53 | 
 今月1日に恒例の「朔日詣り」に行けなかったので、今日、朝から歩いて藤崎八旛宮へ向かった。新坂から観音坂下へ出て東へ直進、八雲通りを進むといういつものコースを進んだ。途中、路傍にオシロイバナが咲いているのが目についた。オシロイバナは秋の花で毎年たしか7月中旬頃から咲き始めていたはずなんだが。今年はやはり開花が早まったのかな。



 藤崎宮北の交差点で、信号待ちしていると、小さなリュックを背負って信号待ちしていた年配のご婦人が「暑いですね~」と声を掛けてきた。当たり障りのない気候の話をした後、「お散歩ですか?」とたずねてみた。「ハイ!毎朝熊本城まで歩いています」と自慢げにおっしゃる。多分僕より10歳くらい下だと思うが、この年代の女性は元気だなぁと思うことがよくある。世間話をしながら交差点を渡ったところで別れた。



 藤崎宮の参詣者は少なかった。拝殿の中で一組何かのお祓いをしていたが、拝殿前は赤ちゃんのお宮参りの家族が一組いるくらいだった。
 お詣りを済ませた後、古書の掘り出し物でも出てないかと久しぶりに上通の舒文堂に向かった。上通並木坂で先日の雑居ビル殺人事件現場の前を通った。ビル入口に花束が山と積まれていた。遠目から手を合わせて足早に通り過ぎた。早い犯人逮捕が望まれる。


 特に今必要とする本もなかったので帰路につく。帰りは並木坂から上林の通りへ入った。宗岳寺の前を通りかかった時、ふと森鴎外のことを思い出した。「小倉日記」によれば、明治32年9月に熊本を訪れた森鴎外は、宗岳寺で井沢蟠龍子(国学者)の墓を参った後、熊本城内を通って本妙寺へ向かったと記されている。人力車も使っていないようだし、軍医でもあった鴎外は健脚だったことが窺える。