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それはさておき、落語「品川心中」はテレビで何度か見たが、最後に見たのは2015年10月に橘家圓蔵師匠の追悼番組(NHK)だったからもう8年前になる。
《あらすじ》
品川の女郎お染は人気も陰り、物日に必要な金を用立ててくれる客もいない。女郎たちから馬鹿にされるので死のうと思うが、一人で死ぬのも癪なので誰かを道連れにすることを思いつく。なじみの客の中から、少々とんまな貸本屋の金蔵を道連れにすることにする。さて顛末はいかにというお噺。
このお噺を一つのエピソードとして取り込んだ映画が川島雄三監督の傑作時代劇コメディ「幕末太陽伝」。落ち目の遊女お染を演じた名女優・左幸子さんと心中の道連れにされる貸本屋の金蔵を演じた小沢昭一さんのコミカルなやりとりが秀逸。
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「幕末太陽伝」でお染を演じた左幸子さん
古今亭志ん朝師匠の名調子で聴く「品川心中」
幕末に品川宿で流行った「品川甚句」