Mars&Jupiter

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フェデリコ・モンポウの「歌と踊り」を聴きながら、星川から横浜まで歩く

2008-05-02 11:58:36 | 古典~現代音楽スペイン編
昨日は星川駅から横浜まで歩きました。
途中聴いたのは、モンポウの「歌と踊り」。
フェデリコ・モンポウは1893年バルセロナで生まれた。
リセウ音楽院でペデロ・セラに教授にピアノを師事し、
1911年にはパリに留学し、イシドール・フィリップや
フェルディナント・モット=ラクロアにピアノを師事し、
マルセル・サミュエル・ルソーに和声学と作曲法を学ぶ。
1914年第一次世界大戦が勃発するとバルセロナに戻り、
7年間後の1921年には再びパリへ行き1941年まで滞在した。
第二次世界大戦が始まるとスペインに帰国し、
その後亡くなる1987年までスペインにいたようだ。
母方はフランスを起源とする家系のようで、
彼はフランスの文化に関心を持ち続けたようだ。

「歌と踊り」の第1巻から第12巻と第14巻を聴く。
第1巻から第12巻と第14巻はピアノ曲で、
第13巻はギターのための作品である。
タイトルにあるように、曲は歌曲風の旋律と
舞曲風の旋律によって構成され、歌曲風の旋律の多くは、
カタルーニャの歌曲を使っているようだ。
長い期間の中で作曲されているので、
彼の作風の変化をみることができる。
演奏には作曲者自身によるものもあるのだが、
今回はホルディ・マソのピアノ演奏によるCDを聴いた。

第1巻は1921年に作曲されている。
曲の前半はサティ風の曲調である。
ゆったりとした旋律が終わると舞曲風の旋律になり、
何となく北欧風な感じを思わせる軽快な感じで
しかし影のあるような曲である。
第2巻は1918年~1924年に作曲された。
前半の歌曲風の旋律は悲しい孤独感を感じさせる。
後半の舞曲風の部分は対照的に明るい感じの旋律である。
第3巻は1926年に作曲された。
前半は、ゆったりとした旋律で、北欧風でもある。
後半は元気で軽快なテンポの音楽であり、
不協和音が時々入るのがおもしろくもある。
ドビュッシーなどを思わせる印象主義風の曲だ。
第4巻は1928年に作曲された。
前半のゆったりとした歌曲風の旋律は短く、
後半の舞曲風の主題による展開がずっと続く。
軽快で楽しそうな旋律は、古風な感じも受ける。
最後は最初の主題が再現され、静かに終わる。

第5巻は1942年に作曲された作品で、
前半は物思いにふけるような静かな音楽である。
第4巻までの1920年代の曲はフランス滞在中の作品で、
その影響が強く出ている気がするが、
第二次世界大戦中の作品だからだろうか。
しかし、後半の舞曲風の旋律はその嫌な思いを
吹き飛ばすかのような明るく軽快な曲。
第6巻は1942年に作曲された作品で、
モンポウらしい曲であり、好きな曲である。
前半の悲しげな曲調が印象的である。
戦争の悲惨さを訴えかけるような曲である。
後半は西インド諸島のリズムを使っているようで、
ラテン的な明るい音楽は軽快でありながら影がある。
第7巻は1944年に作曲された作品で、
前半は情感のこもったおだやかな曲であり、
後半の旋律は中世風な感じの舞曲である。
第8巻は1946年に作曲され、この曲もモンポウらしい。
前半の暗く悲しげな曲は、第6番の前半部分と
似たような感じで心に訴えてくる作品だ。
やはり戦争というのが影響を与えている感じがする。
後半の舞曲風の旋律は軽快で明るく対照的だ。
第9巻は1948年に作曲され、
前半は平和でおだやかで暖かい感じのする旋律である。
後半は軽快なスペイン風の旋律で、明るい感じである。

第10巻は1953年に作曲され、
前半は過去を回想するような感じの静かな曲である。
後半の舞曲風の旋律はやはり古風な感じの曲である。
それもそのはず、アルフォンソ10世の編纂による
聖母マリア頌歌集(Les Cantigas de Santa Maria)から
その旋律を使用しているようなので、
さっそく比較のために聴いてみた。
序唱の「詩つくり歌う(Porque Trobar)」の旋律が、
とても似ているのでおそらくそれに違いないとは思う。
第11巻は1961年に作曲された作品で、
前半はおだやかで回想的な感じの曲。
後半は舞曲風の軽快な旋律が奏されたあと
前半の回想風の曲が再現され、
そのあと舞曲風の旋律が戻って終わる
第12巻は1962年に作曲された。
前半は静かでおだやかな旋律である。
後半は舞曲風としてはおとなしい感じの曲である。
第14巻は1979年に作曲された晩年の曲。
前半は、今までの足跡をたどるかのような
なんとも懐古風の曲である。
後半の舞曲風の旋律は激しい感じで始まるが、
途中幻想的な感じを与える印象主義風の曲である。
コメント
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