Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

ベドルジハ・スメタナのチェコ舞曲集を聴きながら、横浜から星川駅まで歩く

2008-05-30 10:49:04 | 古典~現代音楽チェコ編
昨日は横浜から星川駅まで歩きました。
途中聴いたのは、1824年生まれのスメタナのチェコ舞曲集。
ピアノ作品として作曲されたチェコ舞曲集は、
4曲から構成される第1集は1877年に作曲され、
10曲から構成される第2集は1879年に作曲されている。
曲の多くの素材はボヘミアの民謡研究家エルベンが、
収集したチェコ舞曲の旋律が、使われているようである。
この作品が作曲された頃のスメタナは、
連作交響詩「わが祖国」を作曲している時期にあたり、
一方で、耳が聞こえなくなることに悩まされている。
個人的には第2集の方が聴いていて楽しい。

第1集は4つのポルカ集となっている。
第1曲嬰ヘ短調は、中間部をニ長調とした三部形式の作品。
主題となる嬰ヘ短調の旋律は哀愁漂わせている。
第2曲イ短調は、主題に基づく変奏曲風の作品。
ロマンティックかつ情熱的で、
語りかけるような主題が印象的である。
第3曲ヘ長調は速いテンポで、軽快に演奏される。
三部形式で書かれ、最初の主題は明るく楽しげな感じであるが、
中間部は少し陰があり、しかし情熱的である。
最後は再び最初の軽快な主題が登場して終わる。
第4曲変ロ長調はゆったりとした曲で始まるが、
中間部は速くなり情熱的な音楽になるが、
再びゆったりとした主題があらわれて、終わる。

第2集は、10の民族舞曲からなっている。
第1曲「フリアント」は軽快な民謡風の舞曲で、
長調と短調が交錯し、変拍子が現れる主題は印象的である。
最初の曲にふさわしい華やかな曲である。
第2曲スレピチカも軽快なポルカ風の作品で、
流れるようなピアノの指の動きが想像できる。
スレピチカとは「小さな雌鶏」を意味するようだ。
第3曲オヴェスは「からす麦の踊り」ということだ。
ゆったりとした舞曲で始まるが、この主題に対し、
激しい感じの音楽も所々で登場し、その対比がいい。
第4曲メドウェドは「熊の踊り」の曲からとっている。
歩く熊を表現するのしのしとした荒々しさを
ピアノがうまく表現していると思う。
この第3曲と第4曲はCDの英文の解説文によると、
男たちの報われない愛の歌からとっているようだ。

第5曲ツィブリチカは「小さなたまねぎ」というタイトルで、
たまねぎ売りが昔歌っていた歌に基づいているようだ。
何となくユーモラスな感じだが、情熱的な曲である。
第6曲ドゥパークは「踏み鳴らしの踊り」というような意味か、
とにかく解説によれば速い運動で地面を踏み鳴らしながら
旋回する踊りのようで、最初の音楽は激しい音楽である。
中間部で聴くことのできる短調と長調が交差する旋律の中には
ドイツ民謡の「別れ」にも似たような旋律を聞くことができ、
懐かしい感じがするが、最後は最初の軽快な主題が登場して終わる。
第7曲フラーンは「槍騎兵」というタイトルで、第2集の中では
比較的よく演奏される作品のようで、ゆったりとした愛らしい曲だ。

第8曲オブクロも民謡からとっており、軽快で華やかな曲だが、
解説書によればこの旋律はハイドンの交響曲第104番「ロンドン」
第4楽章で使用されているということだ。
そういわれて聴いてみれば確かにあの主題に似ている。
第9曲ソウセツカーは「隣国の踊り」で、
具体的にはオーストリアのレントラー舞曲である。
甘いロマンティクな旋律であり、夢見るような音楽である。
第10曲スコチナーは息もつかせないような軽快な曲。
速いテンポで、お祭り騒ぎのような楽しい曲であり、
最後を締めくくるにはいい曲である。
スメタナのピアノ曲も聴いてみると意外におもしろい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする