Mars&Jupiter

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コリン・マシューズの「冥王星-再生する者」を聴く

2010-10-20 07:10:34 | 古典~現代音楽イギリス編
昨日はウォーキングを休みました。
今回取り上げるのは1946生まれのコリン・マシューズの作品。
ロンドンで生まれた彼は、ノッティンガム大学で西洋古典学を学び、
ニコラス・モーやアーノルド・ウィットールに作曲を師事したようだ。
サセックス大学で教鞭をとるかたわら、デリック・クックと、
マーラーの交響曲第10番の完成版をつくるのに協力したようだ。
また、ベンジャミン・ブリテンなどとも一緒に仕事をし、
イモージェン・ホルストには彼女の父グスタフ・ホルストの
忘れ去られた音楽作品を探すように勇気づけたらしい。
1975年にはオーケストラのためのソナタ第4番など作曲し、
その後作曲の分野でも活躍するようになったようだ。
「冥王星-再生する者」は、2000年に作曲された。
ハレ管弦楽団の委嘱作品で、初演は2000年5月11日、
ケント・ナガノ指揮、ハレ管弦楽団にマンチェスターで、
ロンドン初演は、同年7月22日にプロムスであったようだ。
彼が「冥王星」について書いたものによると、
指揮者ケント・ナガノから「冥王星」を、
組曲「惑星」に加えてみたいという提案があったようだ。
この時、彼自身は複雑な心境であったことを語っている。
今回聴いたCDはマーク・エルダー指揮、ハレ管弦楽団と、
ハレ合唱団の女声合唱団員による演奏である。

時々叩くティンパニ、そしてフルートと金管楽器の長く伸ばす音で始まり、
うごめくような弦楽器の音が繰り返され、幻想的に始まる。
そして、しばらくすると金管楽器と打楽器で荒々しい音楽になる。
その盛り上がりが終わると、しばらくまた静かな音楽になり、
そして、繰り返す音型とうごめくような弦楽器の音型が続き、
再び金管楽器と打楽器で荒々しくなって盛り上がり、再び静かになり、
最後で女声合唱が突然入り、静かに終わっていく。
この作品をホルストの組曲「惑星」と合わせて演奏するという
アイデア自体はどうかと思うが、単独で聴いてみると悪いわけではない。
ただ最後の女声合唱はホルストの「海王星」の終わりを想起させ、
どうしてここにつなげるのかというのは疑問である。
一時期ホルストの組曲「惑星」と合わせて「冥王星」を演奏するやり方が、
流行してどうかと思ったが、「冥王星」は惑星かどうかの論争に決着がつくと、
そんな流行も終わり(それでやめるのもどうかとも思うが)、
私としてはほっとしているところである。
やはり組曲「惑星」は、「海王星」で静かに終わるのがいいと思うし、
イモージェン・ホルストも生きていれば、そう思うんじゃないだろうか。
コメント
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