Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

ジャン・フランチェスコ・マリピエロの弦楽四重奏曲第一番から第二番を聴きながら、星川駅から横浜まで歩く

2008-05-16 04:53:26 | 古典~現代音楽イタリア編
昨日は星川駅から横浜まで歩いた。
途中聴いたのは、1882年生まれのマリピエロの作品。
マリピエロは、8つの弦楽四重奏曲を作曲している。
そのどれもが単一楽章による作品だが、
1920年から1964年にかけて作曲されたこれらは、
自由な構想の中で書かれた作品である。

弦楽四重奏曲第一番は1920年に作曲された。
「リスペットとストランボット」という副題がついている。
バルトークの弦楽四重奏曲を思わせるところがあり、
20分を超える比較的長い曲であるが、
聴きごたえのある曲である。
弦楽四重奏曲第ニ番は1923年に作曲されている。
「ストルネッロとバッラータ」という副題がついている。
ドビュッシーの弦楽四重奏曲を想起させる。
この時の彼の取り巻く環境は悲劇的でもあり、
自分の妻の死に直面した中でこの作品を書いたようだ。
しかし、それを感じさせない明るい感じの曲である。

弦楽四重奏曲第三番「マドリガル風の歌」は、
1931年に作曲された作品である。
これも単一楽章であるが、聴いた感じは、
バルトークの民族的な音楽と、新古典主義の音楽と
ドビュッシーのような印象主義の音楽が、
見事に融合した音楽のように感じる。
躍動感あふれる後半の部分がいい。
弦楽四重奏曲第四番はタイトルがついていない。
1934年に作曲された作品で、新古典主義的な傾向が
より強まっているような印象を受ける。
モンテヴェルディ全集の校訂作業に
取り組んでいる時期の作品であるから、
そんなことも関係しているのかもしれない。
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ムツィオ・クレメンティのピアノ・ソナタハ長調作品34-1を聴きながら、鶴ヶ峰駅から二俣川まで歩く

2008-05-15 04:53:06 | 古典~現代音楽イタリア編
昨日は鶴ヶ峰駅から二俣川まで歩いた。
途中聴いたのは、1752年生まれのクレメンティの作品。
イタリアのローマに生まれた彼は、
イタリアのみならずフランスや
ドイツなどで演奏活動を続けていった。
モーツアルトと同時代の人である。

クレメンティのピアノ・ソナタハ長調作品34-1は、
1795年に出版された「2つのソナタと
2つのカプリッチョ」の中の、第1曲にあたる。
第一楽章アレグロ・コン・スピリートを聴くと、
モーツアルトと同時代の作曲家だということがわかる。
流れるような旋律はモーツアルトを聴いているようだ。
しかしその一方でベートーヴェンの音楽との近さも感じる。
第ニ楽章ウン・ポコ・アンダンテ、クワジ・アレグレットは、
ゆったりとした楽章ではあるが、
やや早めのテンポで淡々とした音楽が奏されていく。
中間部で盛り上がりをみせるが、
その後は最初の主題が戻り、静かに終わる。

第三楽章フィナーレ、アレグロは、軽やかな音楽だが、
華やかな部分やダイナミックな部分もあり、終曲らしい。
この感じはモーツアルト的ではない。
むしろベートーヴェンに近いだろう。
モーツアルトからベートーヴェンの時代という
音楽史上の様式的な変化を
クレメンティのこの作品からみることができる。
今回聴いたCDはギレリスの演奏だが、
聴いてみると情熱的な演奏である。
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ニコロ・パガニーニの「胸のときめき」による序奏と変奏曲を聴きながら、横浜から星川駅まで歩く

2008-05-14 06:01:34 | 古典~現代音楽イタリア編
昨日は横浜から星川駅まで歩いた。
途中聴いたのは、1782年生まれのパガニーニの作品。
イタリアに生まれたヴァイオリンのヴィルトゥーゾ、
その彼は演奏家としてヨーロッパ各地で活躍した。
だからというわけでもないが、彼が作曲した作品は、
そのヴァイオリンという楽器の魅力を
味わうことができる作品ばかりである。

「胸のときめき」による序奏と変奏曲イ長調作品13は、
ロッシーニの歌劇「タンクレディ」の中のアリアをもとにし、
1819年に作曲された管弦楽とヴァイオリンによる曲である。
エリンカ・グッリ・カヴァッロのピアノ伴奏
フランコ・グッリのヴァイオリンによる演奏で聴いた。
序奏のあとで主題に基づく変奏が展開されるが、
ヴァイオリンを知り尽くしたパガニーニだからか、
技巧的な演奏をみせてくれる場面が多く、
曲が進めば進むほど、演奏者の腕の見せどころが
出てくる曲なんだなあという感想を抱いた。

カンタービレニ長調は、パガニーニの愛奏曲のようで、
甘美な旋律が魅力的な4分足らずの小品である。
このロマンティックな曲を聴くと、
何だか心が満たされて幸せな気持ちになる暖かい曲である。
このCDの中には他に「24のカプリス」のうちの、
第16番と第17番が入っており、これらもいい曲だが、
「24のカプリス」については別の機会に触れよう。
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フェルッチオ・ブゾーニのトッカータを聴きながら、二俣川から西谷駅まで歩く

2008-05-13 05:53:04 | 古典~現代音楽イタリア編
昨日は二俣川から西谷駅まで歩いた。
途中聴いたのは、1866年生まれのブゾーニの作品。
イタリアに生まれの作曲家でピアニストであり、
指揮者・教師としても活動した。
バッハのオルガン曲などをいくつか
ピアノ曲に編曲したことで有名である。

トッカータは、晩年の1921年に作曲されたピアノ曲で、
小前奏曲、幻想曲、シャコンヌの3つの部分から成る。
ピアニストならではの技巧を発揮する作品で、
最初の短い小前奏曲は何度も繰り返される4つの音に対し、
呼応するもう一つの音で曲は展開されていき、
現代的な感じで、かっこよく、印象的だ。
幻想曲の部分は、この曲の中で一番長い部分だ。
叙情的でありながら、繊細な感じの曲だ。

最後のシャコンヌは、対位法的な感じの曲で、
一つの旋律と別の旋律が絡み合いながら、
曲全体のクライマックスを作り上げていく。
しかし、まだ音楽が続きそうな感じのところで、
曲は突然終わってしまうところが、
聴き手の期待を裏切るかのようである。
ブレンデルが演奏するCDは、ライヴ録音である。
モーツアルトのピアノ協奏曲の全集は、
以前から持っていてブレンデルは知っていたが、
こんな現代曲も演奏していたのは意外である。
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ジョアッキーノ・ロッシーニのセレナード、幻想曲を聴きながら、西谷駅から二俣川まで歩く

2008-05-12 05:17:13 | 古典~現代音楽イタリア編
昨日は西谷駅から二俣川まで歩いた。
途中聴いたのは、1792年生まれのロッシーニの作品。
しばらくスペインの作曲家が続いたので、
ここでは、イタリアの作曲家をとりあげる。
ただCDの解説書にあるように19世紀のイタリアの
音楽界の中心は何といってもオペラであり、
室内楽曲などはあまり注目されなかったため、
作曲の中心とはならなかったようである。
そんな中で、ロッシーニの残した
いくつかの室内楽曲は貴重である。

セレナーデは、1823年に作曲された弦楽四重奏とフルート、
オーボエ、イングリッシュ・ホルンとための作品である。
最初の序奏部は、まるでオペラの序曲のようで、
何か始まりそうな予感をさせ、そのうち主題が流れる。
その主題をもとに変奏曲風に展開される音楽は、
ほのぼのとしており、その主題の変奏では、
各楽器の腕をみせる場面が、それぞれ作られ、
彼の円熟した作曲技法をみることができる。

ヴァイオリンとピアノのための「パガニーニに寄せてひと言」は、
最初の主題は哀愁を漂わせた情熱的で、技巧的であるが、
次に現れるヴァイオリンが奏でる旋律は対照的でおだやかな感じでいい。
後半の方ではヴァイオリンのカデンツァがあって見せ場がある。
音楽は対照的な二つの主題をもとに展開され、最後はおだやかに終わる。
幻想曲は1829年に作曲されたクラリネットとピアノのための作品で、
オペラの序曲のように序奏部のあと主題が現れ、
その主題をもとに変奏曲風な展開が行われていくが、
クラリネットが奏する旋律がのどかな感じでいい。
もちろん、軽快で華麗な部分がロッシーニらしい。

主題と変奏曲は若い頃の作品で、1812年に作曲された。
フルート、クラリネット、ホルン、ファゴットという
4つの管楽器により演奏される曲で、
主題をもとに変奏される音楽はのどかさを感じさせる。
印象に残るホルンの独奏の部分だけに限らないが、
各管楽器が活躍する場面がここでも作られている。
陰で地味に活躍しているファゴットがいい。
最後は全体の合奏となり、盛り上がって終わる。
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