Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

パブロ・サラサーテの「ナバーラ」を聴きながら、横浜から星川駅まで歩く

2008-05-21 04:57:31 | 古典~現代音楽スペイン編
昨日は横浜から星川駅まで歩きました。
途中聴いたのは、1844年生まれのサラサーテの曲。
いよいよ続いてきたスペイン・ポルトガル・イタリア編も、
このスペインの作曲家の作品をとりあげて終わりにしたい。
ヴァイオリンの名手として当時活躍していた彼には、
多くの作曲家が彼のための作品を残しているようだ。
サン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番や
ラロの「スペイン交響曲」はその代表例である。

彼自身が作曲した代表作は「チゴイネルワイゼン」作品20。
これは学生の時に音楽の時間でも鑑賞曲として
必ず聴く作品であり、3部の構成からなることや、
ハンガリーのジプシー音楽(ジプシーは最近ロマとよぶ)から
その旋律を採っているヴァイオリンの名曲であることは、
そのような鑑賞の時間に耳にすることである。
それにしてはこの曲が有名だからか、
逆に言えば彼がスペインの作曲家であることや、
彼がバスク地方の民謡からバスク奇想曲を作曲していることや、
スペイン舞曲といったスペインらしい作品を残していることは、
逆にその名曲の陰に隠れて知られていないところもある。

「ナバーラ」作品33もその一つであろう。
2つのヴァイオリンと管弦楽による作品「ナバーラ」の、
作曲された年について私はわからない。
2つのヴァイオリンによる独奏で華やかな部分とともに、
この曲の旋律にある大衆的な親しみやすさは、
聴いていて何だかうきうきさせるところがあり、
まるでスペインを旅行しているような気持ちになる。
ワジム・ブロツキとマリア・マホフスカがヴァイオリンを弾き、
バティスがメキシコ州立交響楽団を振ってサポートする
ワルシャワでのライブ盤を聴くと、そんな幸せな気持ちになるのである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ホアキン・トゥリーナのピアノ三重奏曲第2番を聴きながら、西谷駅から二俣川まで歩く

2008-05-20 06:56:52 | 古典~現代音楽スペイン編
昨日は西谷駅から二俣川まで歩きました。
途中聴いたのは、1882年生まれのトゥリーナの室内楽曲。
ピアノ三重奏曲第1番ニ長調作品35は、1926年に作曲され、
スペインの国民音楽賞を受賞した作品である。
第1楽章のプレリュードとフーガの冒頭は、
悲劇的な、憂鬱な感じの旋律が、
チェロとヴァイオリンにより奏されるが、
フーガの部分になると明るさをみせながら、
フォーレやドビュッシーなどにみられる印象主義的な、
室内楽にみられる色彩をみせていく。
第2楽章の主題と変奏は、主題をチェロが奏し、
ヴァイオリンが加わり、ピアノはコードの音を加える。
第一の変奏はややピアノを中心にスペイン風となる。
第二の変奏はとぼけたようなユーモアある変奏、
第三の変奏は8分の5拍子による変奏、
こんなように5つの変奏を展開し、
最後は主題が再び奏されて終わる。
第3楽章のソナタは主題をもとに展開していく。
明るさを保ちながらおだやかな曲が流れていくが、
最後で第1楽章の主題が顔を出すのが、
効果的な演出となっている。

ピアノ三重奏曲第2番ロ短調作品76は、
1933年に作曲された作品のようである。
第1楽章のレント-アレグロ・モルト・モデラートは、
憂鬱な感じの旋律と、明るい主題が出ているあたりは、
ピアノ三重奏曲第1番と似たところもあるが、
さらに成熟した作曲技術をうかがうことができるが、
やはり近代フランス作曲家の室内楽を聴いているような
錯覚に陥ってしまいそうなくらい、印象主義的である。
第2楽章のモルト・ヴィヴァーチェは動きのある短い曲だ。
8分の5拍子で書かれ、スペイン的な部分を感じさせる。
第3楽章のレント-アンダンテ・モッソ-アレグレットは、
フランス印象主義的な音楽とスペイン的な要素が
うまく融合した感じを思わせる音楽である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マヌエル・デ・ファリャのアンダルシア幻想曲を聴きながら、横浜から和田町まで歩く

2008-05-19 06:19:16 | 古典~現代音楽スペイン編
昨日は横浜から和田町まで歩きました。
途中聴いたのは、1876年生まれのファリャの作品。
しばらくイタリアの作曲家の作品に触れてきたが、
最後再び数人のスペインの作曲家の作品に触れ、
スペイン・ポルトガル・イタリア編を終わりにしたい。

ファリャのピアノ曲を聴いたのだが、
「三角帽子」からの音楽や「はかなき人生」からの曲は、
当然のことながらピアノ曲よりも管弦楽版の方がいい。
したがって、それ以外のピアノ曲について触れたい。
「ドビュッシーの墓にささげる讃歌」は1920年の作品である。
この曲は彼がギターのために書いた唯一の作品らしく、
それをピアノ曲版で聴いたのだが、
スペイン民謡的な雰囲気をただよわせている作品である。
「セレナータ」も1901年に作曲された作品のようで、
曲が作られた背景についてはわからないが情熱的な作品である。

アンダルシア幻想曲は1919年に作曲された作品であり、
彼のピアノ曲としては比較的演奏時間が長い作品であろう。
ピアニストのルービンシュタインの委嘱を受けて作曲された。
ファリャが愛するアンダルシアの世界を、
舞踏的な音楽をまじえ、ピアノで表現したものである。
作品の全体を通して強烈なスペイン舞踏のリズムを感じ、
フラメンコを踊る人たちを想像することができる作品である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オットリーノ・レスピーギの5つの小品を聴きながら、鶴ヶ峰駅から星川駅まで歩く

2008-05-18 04:58:08 | 古典~現代音楽イタリア編
さて、昨日は鶴ヶ峰駅から星川駅まで歩きました。
途中聴いたのは、1879年生まれのレスピーギの作品。
レスピーギがマルトゥッチに師事したことは以前触れたと思う。
だからかARTSのマルトゥッチの室内楽のCDには
レスピーギの室内楽曲が一緒におさめられている。
師のマルトゥッチがドイツ・ロマン派的な作品を残したのに対し、
レスピーギはどちらかというとフランス的な室内楽である感じがする。

ヴァイオリンとピアノのための5つの小品は、
ヴァイオリンとピアノのための6つの小品の数年後に、
作曲されたようだが、詳しい作曲年代はわからない。
とはいえ、1900年代に作曲されたものではあろう。
第一曲の「ロマンツァ」は文字通りロマン派的である。
第二曲の「朝の歌」は、軽快に流れていく曲である。
第三曲の「マドリガル」は、フランス風な作品で
どこかのどかな感じであり、牧歌的である。
第四曲の「子守歌」もフランス的でおだやかな曲である。
第五曲の「ユーモレスク」はヴァイオリン奏者の
腕のみせ場として、カデンツァ風の前奏があって、
主題がそのあと提示され、主題に基づく展開がある。
ヴァイオリンが奏でる美しい旋律に魅了される。

ヴァイオリンとピアノのための6つの小品は、
CDの解説によると1901年に作曲された作品であると書いてある。
しかし、1904年と書いているものもあるので
ともかくこの間に作曲された作品ではあろう。
第一曲の「子守歌」は、フォーレやドビュッシーなどの
フランス人作曲家が残した室内楽曲を思い出させる作品である。
第二曲の「メロディ」は、歌うようなおだやかな旋律が美しい。
第三曲の「伝説」は、悲しげな感じで始まる作品で、
ピアノの伴奏が目立たないが、なかなかいいと思う。
第四曲の「やさしいワルツ」は、パリのしゃれた雰囲気を、
感じさせるような華やかで軽快な曲である。
第五曲の「セレナータ(セレナーデ)」は、平和な感じで、
おだやかに歌いかけるようなヴァイオリンの旋律が印象的である。
第六曲の「アリア」は、悲しげな感じの旋律で始まるが、
アリアと題されているように情熱的である。
「ローマの松」などの管弦楽曲で有名なレスピーギであるが、
そこにはない別の側面を室内楽曲でみることができる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ジュゼッペ・マルトゥッチのヴァイオリン・ソナタを聴きながら、和田町駅から横浜まで歩く

2008-05-17 11:04:19 | 古典~現代音楽イタリア編
早稲田大学の石濱先生の講演を昨日聞いた。
「チベット問題のゆくえ」という題で、
チベットからの視点で、歴史的な話を聞く事ができた。
清朝と(とりわけ乾隆帝の時代)とチベット仏教との関係、
そして現代のチベット問題の根がどこまでさかのぼるのかを
歴史的な観点から短い1時間の中で聞かせていただいた。
チベット仏教とチベットの文化というものを少しではあるが、
理解できたような気がするが、報道で語られない部分が、
なぜ存在するのかを考えるとメディアなどの問題まで広がる。
このチベット問題が単なる独立・自治・自由の問題だけではなく、
もっと根が深く、複雑で、日本も含めた世界の現代社会全体に
存在する根幹的な問題へと広がるものだと実感した。

さて、昨日は和田町駅から横浜まで歩きました。
途中聴いたのは、1856年生まれのマルトゥッチの作品。
ヴァイオリン・ソナタト短調作品22は、
マルトゥッチが18歳の時の1874年に作曲された。
ソナタ形式で書かれ、三つの楽章から成る。
ドイツ・ロマン派に影響を受けた彼らしい作品である。
第一楽章アレグロ・アパッシオナートでは、
ピアノとヴァイオリンにより奏される悲しげな主題が
転調しながらソナタ形式に基づく展開をしていく。
第ニ楽章アンダンテ・コン・モルトでは、
ヴァイオリンの歌うような旋律がいい。
ピアノの伴奏は叙情的な雰囲気をかもしだす。
第三楽章アレグロ・モルトは、軽快な感じで始まる。
最後の終わり方もドイツ・ロマン派的である。

ヴァイオリンとピアノのための3つの小品作品67は、
1886年に作曲されたソナタ形式に基づく作品である。
やはりイタリア的というよりは、ドイツ的な曲である。
第一曲アンダンテ・コン・モルトは、歌うような
そして優しさ溢れるヴァイオリンの旋律がいい。
第ニ曲アレグレットでは、ヴァイオリンによる旋律が、
おだやかなであるが、時々ささやくように
そしてある時はさびしげな表情を見せてくれる。
第三曲アレグロ・パッシオナートでは、ヴァイオリンが、
流れるピアノの伴奏に乗り、ロマン的な旋律を奏でる。
ヴァイオリンとピアノのためのメロディは、
1890年から作曲された短い曲である。
叙情的な感じの旋律は、ドイツ的というより、
ややフランス的な感じがするといっていい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする