Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

アントン・アレンスキーの2台のピアノのための組曲第1番作品15を聴きながら二俣川から鶴ヶ峰まで歩く

2008-08-14 07:37:19 | 古典~現代音楽ロシア編
昨日は二俣川から鶴ヶ峰駅まで歩きました。
途中聴いたのは1861年生まれのアレンスキーの作品。
アレンスキーは、リムスキー=コルサコフに師事し、
チャイコフスキーに強い影響を受けたロシアの作曲家である。
ペテルブルク音楽院で学んだようで、
その後はモスクワ音楽院に講師として招かれ、
ラフマニノフなどを教えたようである。
作風的には折衷主義的とみなされ、
評価は必ずしも高いとはいえない。
2台のピアノのための組曲第1番作品15は、
1890年に作曲された作品で3曲から構成される。

第一曲ロマンスはせつない感じのする感傷的な曲で、
主題は変奏曲風に展開されていく。
第二曲ワルツは、きらびやかなピアノの演奏が、
ワルツに高貴な雰囲気を与えると思う。
このワルツは彼の作品の中でも有名な代表的な曲のようだ。
ロシアらしいロマンティックな曲に仕上げっている。
第三曲ポロネーズは、華やかさが前面に出た音楽で、
ショパンのピアノ曲との類似性を感じさせる曲である。

2台のピアノのための組曲第2番「シルエット」作品23は、
1892年に作曲された作品で5曲から構成される。
第一曲「学者」は哀愁ある悲劇的な感じのする曲である。
第二曲「コケットな女」はワルツ風の音楽で、
組曲第一番のワルツに似て、華やかで流れるような曲である。
第三曲「道化役者」はおどけたような感じの曲である。
主題は軽快な感じであるが、リズミックで印象的な旋律である。
第四曲「夢みる人」はロマンティックな曲で中間部は情熱的である。
第五曲「踊り子」はスペイン舞踏を思わせる激しさをもった音楽と
ロシア・ポーランドの舞曲が混ざった不思議な感じの曲である。
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セルゲイ・プロコフィエフのピアノ・ソナタ第7番変ロ長調作品83を聴きながら横浜から星川まで歩く

2008-08-13 05:10:30 | セルゲイ・プロコフィエフの作品
昨日は横浜から星川駅まで歩きました。
途中聴いたのは1891年生まれのプロコフィエフの作品。
プロコフィエフは、いまさら説明の必要はないが、
1939年から1942年の間で作曲された作品、
ピアノ・ソナタ第7番変ロ長調作品83は、
第二次世界大戦中勃発前から大戦中中に書かれたため、
前後の第6番、第8番とあわせて「戦争ソナタ」と称される。
ピアニストとしての実力もあった彼が書いたこれら三部作は、
演奏技術面からも、内容的な部分でも、充実した作品となっている。
初演者はリヒテルであるが、今回はアシュケナージの演奏で聴いた。

第一楽章アレグロ・インクィエートは、ソナタ形式で書かれ、
戦争中の不安さをかきたてるような音楽で始まる。
無調的で叩きつけるような荒々しい第一主題と、
物思いにふけるような第二主題を中心に音楽は展開される。
行進曲的な部分は軍隊的な響きにも思えるし、
音楽はある時は悪魔的で、戦争の悲惨さを感じさせる。
第二楽章アンダンテ・カロローソは、ゆったりとした曲で、
シューベルト風の歌うような旋律が、
平和への希求を示しているようでもある。
束の間の平安ともいうべき平和を祈るような音楽は、
前後の楽章とは対照的である。
第三楽章プレチピタートは、トッカータ風で、
軽快でリズミックな音楽であり、プロコフィエフらしい。
無調的な旋律を奏でながら邁進していく音楽は、
激しさを増しながらクライマックスを迎え、
興奮のうちに短い楽章を終える。
彼らしさが十分に発揮された作品である。
それにしてもここで聴くことのできるアシュケナージの演奏はいい。
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カレン・ハチャトゥリアンのチェロ・ソナタを聴きながら西横浜から関内まで歩く

2008-08-12 05:35:14 | 古典~現代音楽ロシア編
昨日は西横浜駅から桜木町方面に歩き藤棚の商店街を通過し、
野毛坂を下って関内の馬車道付近まで歩き、
そのあと横浜駅に向かって歩きました。
途中聴いたのは1920年生まれのカレン・ハチャトゥリアンの作品。
有名なアラム・ハチャトゥリアンの甥にあたり、モスクワ音楽院で学び、
ショスタコーヴィチやミャスコフスキーに師事している。
モスクワ音楽院でその後作曲科の先生として教育活動にあたり、
合唱の音楽や舞台作品、管弦楽曲や室内楽曲を書いたようだが、
日本ではあまり知られていない作曲家である。
チェロ・ソナタは4楽章制で構成される作品で、
1966年に作曲され、ロストロポーヴィチに献呈している。
聴いたCDの演奏はチェロがロストロポーヴィチ、
ピアノがカレン・ハチャトゥリアンによるライブ演奏である。

第一楽章アダージョ(レシタティーヴォ)は、
チェロが語りかけるような主題をゆったりと奏する。
思いつめるような思索的な曲である。
第二楽章アレグレット(インヴェンション)は、
ショスタコーヴィチ風の軽快な音楽である。
不協和音が響く一方で、ピアノとチェロのかけあいが面白い。
第三楽章アンダンテ(アリア)は、ゆったりとした曲で、
チェロが奏する音楽は、ある時は自問するように、
ある時は聴き手に訴えるかのように聴こえてくる。
第四楽章アレグロ・コン・フォコ(トッカータ)は、
リズミカルな曲であり、激しい情熱をストレートに表出した作品で、
チェロの高度な技巧を要する曲であり、ピアノの伴奏もかっこいい。
マルタンなどのフランス音楽の現代的な響きに似ている。
演奏会の最後を飾るにはふさわしい
聴き手を引き込むような推進力のある曲である。
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アレクサンドル・スクリャービンのピアノ・ソナタ第7番「白ミサ」を聴きながら二俣川から湘南台まで歩く

2008-08-11 08:47:30 | 古典~現代音楽ロシア編
昨日は二俣川から湘南台駅まで歩きました。
途中聴いたのは1872年生まれのスクリャービンの作品。
いつもとはルートを変え、三ツ境まで歩き中原街道に入り、
そのあと桜ヶ丘で国道467号線に入り高座渋谷駅付近を通過し、
長後周辺で長後南歩行者専用道に入り、
湘南台小学校付近から線路沿いを歩き、湘南台駅まで歩く。
思ったより時間がかかり、途中お店に入ったロスタイムもあり、
2時間40分ほどかかってしまった。

ピアノ・ソナタ第4番嬰ヘ短調作品30は1903年に作曲された。
2日間で書きあげたというこの2楽章制の作品の、
第一楽章アンダンテは第二楽章のための序奏的な曲で
さざなみのようにゆったりとおしよせる情感ある音楽だ。
第二楽章プレスティッシモ・ヴォランドの主題は、
シンコペーションを用いているからか躍動感があり、
第一楽章とは対照的で、ソナタ形式による華麗な曲である。
ピアノ・ソナタ第5番作品53は1907年に作曲された。
この第5番以降のピアノ・ソナタは単一楽章制をとっている。
2つの序奏とソナタ形式による主部で構成されるが、
ゆったりとした神秘的な音楽と躍動感あふれる音楽が交互に現れ、
「神秘和音」というのを随処に使いながら独自の展開をみせていく。
最後は躍動感のある音楽が現れ、クライマックスを築いて終わる。

ピアノ・ソナタ第7番「白ミサ」作品64は1911年に作曲された。
彼自身が愛した作品で、タイトルの「白ミサ」も作曲者自身による。
提示部・第一展開部・再現部・第二展開部・コーダで構成され、
ソナタ形式による単一楽章の作品である。
神秘的で官能的な美しさを持つ彼の音楽の特徴が、
ここでも発揮されていて、時には激しさを持ち、
盛り上がりのあるクライマックスを迎えたあと、
神秘的な感じで最後は静かに終わる。
ピアノ・ソナタ第9番「黒ミサ」作品68は1913年に作曲された。
友人のポドガエツキが第7番のソナタと対比して、
「黒ミサ」というタイトルを付けたようだ。
曲はソナタ形式に基づく単一楽章制による作品である。
「伝説的に」という曲想の指示をした第一主題と、
「芽生え始める煩悩をもって」と指示する第二主題を中心に、
曲は展開されていくが、神秘的な感じで始まる音楽は、
やがてテンポを速めながら熱狂的な音楽になっていく。
演奏するのも難しそうだなと思えるほどの音楽になり、
クライマックスを迎えたあと、音楽は静かに終わる。
スクリャービンのピアノ・ソナタはユニークである。
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ユーリ・シャポーリンの5つの小品作品25を聴きながら鶴ヶ峰から星川まで歩く

2008-08-10 11:13:35 | 古典~現代音楽ロシア編
昨日は鶴ヶ峰駅から星川駅まで歩きました。
途中聴いたのは1889年生まれのシャポーリンの作品。
ユーリ・シャポーリンは、ウクライナに生まれ、
キエフ大学の学生として文献学(言語学)を学んだようで、
のちサンクトペテルブルク大学では法律学を学んだようである。
1913年からはサンクトペテルブルク音楽院で学び始め、
ニコライ・チェレプニンなどに師事した。
その後作曲や指揮者としての活動を行い、教育活動にも携わり、
ロマン派的な国民楽派の伝統を受けた作品を残した。
チェロとピアノのために書かれた5つの小品作品25は、
1956年に作曲され、ロストロポーヴィチに献呈されている。
聴いたCDはロストロポーヴィチのチェロによるものである。

第1曲前奏曲はチェロのゆったりと歌うような旋律で始まる。
短い曲だが、中間部でピアノの伴奏も情熱的な演奏をみせる。
第2曲ワルツは、三部形式的な曲で、軽やかな舞踏風の旋律で始まる。
中間部はチェロの技巧的な演奏を聴くことができる。
第3曲間奏曲は、ピッチカートで奏される旋律が印象的で、
ロシア民謡風の歌う旋律はチェロ向きで、ノスタルジックである。
第4曲アリアは、この作品の中では一番長い曲であり、
ゆったりとチェロが歌う旋律はどこか哀愁を漂わせている。
思いつめるような感じから、途中情熱的な盛り上がりをみせ、
最後は冒頭の主題が現れ、静かに消えるように終わる。
第5曲スケルツォは、リムスキー=コルサコフの「熊蜂の飛行」を
想起させるような速く軽快な短い作品で、
チェロの高度な演奏技術が要される曲である。
それにしてもこの時期のロストロポーヴィチの演奏はすごいものだ。
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