Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

足の指の痛み、そしてセルゲイ・ラフマニノフの練習曲「音の絵」作品33

2008-08-19 06:33:08 | 古典~現代音楽ロシア編
昨日は足の指の痛みがあるので、ウォーキングは休みました。
こんなことでひるんではいけないのだが、
痛いものを無理しても逆効果かと思って断念した。
今回取り上げるのは1873年生まれのラフマニノフの作品。
以前買ったままにしておいたラフマニノフのピアノ全集から、
有名な練習曲「音の絵」作品33を聴いてみた。
この曲は1911年に作曲された作品で8曲からなる。
なお練習曲「音の絵」には9曲からなる作品39もある。
もちろん作品33も作曲当初は9曲からなっていたが、
第4曲目がその後作品39の第6曲目となったため、
ビレットの演奏する盤では省略されている。

第一番アレグロ・ノン・トロッポ、ヘ短調は、
軽やかな弾んだ感じで始まる舞踏的な旋律と、
幻想的で物悲しい旋律が交互に現れる。
第二番アレグロ、ハ長調は、印象主義的な曲で、
おだやかに流れるような即興的な旋律が幻想的だ。
第三番グラーヴェ、ハ短調は、沈鬱な感じの曲で、
この曲集の中では演奏時間の長い作品である。
中間部からはロマンティックな彼らしい音楽で、
美しく即興的で、幻想的であり、静かに終わる。
第四番モデラート、ニ短調は、軽やかに始まる。
スペイン風な感じを漂わせる舞踏的な曲である。

第五番ノン・アレグロ~プレスト、変ホ短調は、
ピアノの速い指の動きが練習曲らしく技巧的である。
短いこの曲は、ホロヴィッツがこよなく愛した作品らしい。
第六番アレグロ・コン・フォコ、変ホ長調は、
軽快でおどけた感じのある短い曲で、最後は華麗に終わる。
第七番モデラート、ト短調は、ゆったりとした中に、
哀愁のある叙情的な曲で、技巧的な部分もみられる。
第八番グラーヴェ、嬰ハ短調は、情熱的かつ華麗で、
技巧的な部分も随処にみることができ、
この練習曲の最後をしめくくるにふさわしい曲だ。
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イワン・ハンドシキンのヴァイオリン・ソナタ作品3を聴きながら二俣川から鶴ヶ峰まで歩く

2008-08-18 06:38:25 | 古典~現代音楽ロシア編
昨日は夕方歩き出そうとした時間に雨が強く降り出したため、
二俣川から鶴ヶ峰駅まで歩きました。
途中聴いたのは1747年生まれのハンドシキンの作品。
サンクトペテルブルクに生まれた彼は、
ロシア帝国の宮廷で、ヴァイオリン奏者兼作曲家として、
最初に活躍したロシア人といえるようだ。
彼は、音楽愛好家のピョートル3世から、信頼を得ていたようである。
ハンドシキンは見習いとして宮廷管弦楽団に入り、
ティト・ポルタなどイタリア人演奏家に学んだようだ。
イタリア歌劇を愛好するエカチェリーナ2世在位の
1765年以降宮廷の管弦楽団で、首席ヴァイオリン奏者
およびソリストとして活躍し、楽長にまでなった人物である
3つのヴァイオリン・ソナタ作品3は、
1800年から1808年にかけて出版された作品である。

ヴァイオリン・ソナタ第1番ト短調作品3の
第一楽章の行進曲:マエストーソは、行進曲風な部分もあるが、
古典的なバッハ風の音楽である感じを強く受ける。
第二楽章アレグロ・アッサイは技巧的な曲で、
ヴァイオリニストの高い演奏技術を要する感じであるが、
曲はやはりバッハのヴァイオリン独奏曲を思わせる。
第三楽章アンダンテ・コン・ヴァリアツィオーネは、
最初の主題をもとにした変奏曲になっている。
しかしこれもバッハ風の音楽となっている。

ヴァイオリン・ソナタ第2番変ホ長調作品3の
第一楽章アンダンテはゆったりとした雅な感じだ。
やはり古典的だが、少しモーツアルトの時代に近い
そんな傾向を感じさせる音楽である。
第二楽章テンポ・デ・メヌエットの宮廷的な曲は、
やはりモーツアルトの時代の音楽を感じさせ、
一方で中間部にみせる音楽はバッハ風である。
第三楽章ロンド:アレグロは軽快な音楽で、
やはりバッハとモーツアルトの時代の音楽が、
混在したような音楽に聴こえる不思議な曲である。

ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ長調作品3の
第一楽章アンダンテ・マエストーソは、
古典風でありながらイタリア的な響きを感じる。
第二楽章メヌエット・グラツィオーソは、
やはり優雅な感じの宮廷的なメヌエット音楽である。
アリア風の朗々と歌うような旋律も聴こえてくる。
第三楽章アレグロ・ヴィヴァーチェは軽快な曲で
古典的な中にもイタリア的な明るさを少し感じた。
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イーゴリ・ストラヴィンスキーのピアノ・ソナタを聴きながら西谷から二俣川まで歩く

2008-08-17 10:11:11 | ストラヴィンスキーの作品
昨日は西谷から二俣川まで歩きました。
途中聴いたのは1882年生まれのストラヴィンスキーの作品。
聴いたのは1924年に作曲されたピアノ・ソナタ。
三楽章制に基づく曲は新古典主義の時期の初期にあたる。
第一楽章はソナタ形式により作られているようだ。
優雅で古典風な旋律が奏される一方、
片方が独立した軽快な感じの音型を奏でていく。
第二楽章アダジエットは、三部形式で書かれている。
ゆったりとした音楽の素材は古典風ではあるが、
それだけで終わらないのがストラヴィンスキーであり、
リズムの部分は明らかに彼独自のものである。
第三楽章は速いテンポで駆け抜けるような音楽。
二声部によるトッカータ風の音楽はあっという間に終わる。

2台のピアノのためのソナタは、三楽章制に基づく作品で、
1943年から1944年にかけて作曲された。
第一楽章モデラートの流れるような旋律は、
一瞬南国風で、のどかな感じをも思わせるが、
それとリズミックな旋律が絡み合いながら展開する。
いかにも新古典主義的な音楽であるのだが、
どこかプーランクを感じさせるような音楽である
第二楽章の主題と変奏曲は、ゆるやかな感じで始まる。
その冒頭の主題はストラヴィンスキーらしい味付けで、
ある時はリズミックに、ある時は対位法的な手法で、
四つの変奏の中で変化し、展開されていく。
第三楽章アレグレットは、1分程度の短い軽快な曲。
おどけたような感じで、古典風の旋律が軽やかに奏され、
曲の途中のような途切れる感じで突然終わる。
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セルゲイ・タネーエフ(タニェエフ)のカンツォーナ、そして横浜から和田町への道

2008-08-16 06:59:32 | 古典~現代音楽ロシア編
昨日は横浜から和田町までを二人で歩きました。
一緒に歩く人がいると、ふだん歩くルートも別の意味合いを持つ。
あっという間に目的地に着いてしまうぐらいに、
途中話すことは尽きないという感じである。
その中で思うのはそれぞれの人間にはそれぞれの生き方があり、
それを同じようには体験できるものではないが、
その話を聞くことで自分の世界を広げることもできるし、
逆に元気づけられるところもあるから不思議である。
和田町の炭やで美酒に酔いながら、ブルックナーの
音楽の話題にも楽みながらあっという間の時間を過ごした。

今回とりあげるのは1856年生まれのタネーエフ(タニェエフ)の作品。
モスクワ音楽院でピアノと作曲法を学んだあと、
演奏家として活躍する一方、教育者としても活躍し、
ラフマニノフやスクリャービンなどの逸材を育てたようである。
カンツォーナはクラリネットによる作品で、
1883年に作曲されているのが原曲であるが、
今回はロストロポーヴィチのチェロ演奏による版で聴いてみた。

冒頭からピアノの演奏で始まるその曲は、
悲しい感じで始まり、チェロも囁くような旋律を弾く。
人生の悲哀感を感じさせながら、つかの間の幸せを表現している。
8分足らずの短い中でチェロが朗々と歌う音楽は、
何かを伝えたりないような感じを残しながら、
最後静かに終わるだが、人生もそんな感じなのかもしれない。
やりたいことを人生の中でやりとげることはできるのだろうか。
そう思うと今を精一杯に生きるという友人の言葉を、
しみじみそうだなあと感じたりもするのである。
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モデスト・ムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」を聴きながら横浜から和田町まで歩く

2008-08-15 06:51:07 | 古典~現代音楽ロシア編
昨日は横浜から和田町まで歩きました。
途中聴いたのは1839年生まれのムソルグスキーの作品。
組曲「展覧会の絵」は、ラヴェルによる管弦楽の編曲版で、
有名であるが、今回は1874年に作曲された原曲を、
スヴャトスラフ・リヒテルの演奏で聴いた。
ライヴ盤のようなので音質はよくないが、
演奏は第5曲くらいから乗ってきている感じを受ける。

第一曲「グノームス」、第二曲「古い城」、
第三曲「テュイルリーの庭」、第四曲「ビドロ」、
第五曲「殻から出きらない雛の踊り」、
第六曲「サミュエル・ゴールデンベルクとシュミレイ」、
第七曲「リモージュの市場」、第八曲「カタコンブ」、
第九曲「バーバ・ヤーガの小屋(鶏の足の上の小屋)」、
第十曲「英雄の門、古都キエフ」の各曲と、
曲間を結ぶ「プロムナード」で曲は構成されているが、
リヒテルの演奏も圧巻は何といっても第九曲と第十曲である。
おどろおどろしい奇妙な曲である第九曲と、
壮大な第十曲を説得力のある演奏で聴かせている。
つくづくリヒテルも偉大なピアニストだったんだなあと
思わせる素晴らしい演奏なのである。
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