Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

フランシスコ・アントニオ・アルメイダのオラトリオ「ジュディッタ」を聴きながら二俣川から緑園都市まで

2009-09-20 07:02:03 | バロック音楽声楽曲・合唱曲編
昨日は二俣川から緑園都市駅まで歩きました。
途中聴いたのは1702年頃に生まれたアルメイダの作品。
ポルトガルの作曲家である彼は、イタリア音楽を学ばせる目的で、
1720年頃国王ジョアン5世がローマに派遣した奨学生の一人である。
1726年までローマに滞在した彼は、優れた歌手でもあり、
帰国後はオペラや宗教音楽の分野の作品を作曲したようである。
オラトリオ「ジュディッタ」は1726年に作曲され初演されたようである。
今回聴いたCDはレナ・ローテンス、フランチェスカ・コンジュのソプラノ、
マーティン・ヒルのテノール、アクセル・ケラーのカウンター・テノール、
ルネ・ヤーコプス指揮の、コンチェルト・ケルンの演奏による。
このCDは長い間、未開封の状態にあったのだが、
この機会に聴いてみようと思い、開封してCDの一枚目を聴いてみた。

旧約聖書の外典に基づくこの曲は、
アッシリア王のネブカドネザルによる征服と、彼に対するユダヤ人の恐れ、
彼の将軍ホロフェルネスに対するユディット(ジュディッタ)の策略、
ユディットがホロフェルネスを誘惑し、酒に酔わせて、首をはねる物語である。
導入部はヘンデルの水上の音楽を思わせるような金管楽器の華やかさと、
ヴィヴァルディを思わせるイタリア風の軽快な音楽が融合した感じだ。
中間部では曲はゆったりとした悲しい感じの曲になり、
再び冒頭の華やかな音楽が現れ、中間部の悲しい感じの旋律が交互に登場する。
この導入部が終わるとジュディッタが最初に「不幸せなジュディッタ」と歌う。
続くジュディッタのアリア「私の胸に燃える炎は」は、
軽快なバロック的な音楽に乗って、自分の運命を受け止めて、
決心するジュディッタの姿が描かれる。

次に将軍オロフェルネ(ホロフェルネ)と、
彼に同盟した指揮官アキオルレ(アキオル)の対話が続き、
そのあとオロフェルネのアリア「私の不敗の戦士たちよ」が、
ヘンデル風の華やかさをもって堂々と歌われる。
続くベトゥリアの指導者オツィア(オジア)の歌は、
オロフェルネに対するユダヤ人の恐れと嘆きを歌っている。
そしてジュディッタとオツィアの対話に続き、
ジュディッタが「私の喜びは天から降りてきます」を独唱し、
神を信じ、希望を持ち、決して恐れを抱かない決心が歌われる。
そしてオツィアとアキオルレの対話に続き、
アキオルレが「甘い希望が」という歌を独唱する。
次にオロフェルネが「邪まなベトゥリアは、今でも傲慢に」
というセリフに続き歌を独唱で堂々と歌う。
ここまで聴いたところで緑園都市駅が見えてきた。

なお、今回までとりあげたバロック音楽声楽曲・合唱曲編の
CD等の情報は、以下のアドレスに載せてあります。
http://www1.ocn.ne.jp/~bocchi07/baroque_choral_music_cd.html
参考にしていただければ幸いです。
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アレクサンドロ・グランディの「おお、汝らみな」を聴きながら

2009-09-19 16:42:18 | バロック音楽声楽曲・合唱曲編
昨日は飲み会があり、ウォーキングは休みました。
今回とりあげるのは1575年もしくは1580年頃に生まれたグランディの作品。
フェラーラもしくはシチリアに生まれと考えられている彼は、
1597年から1617年の間はフェラーラに住み、
1615年からはフェラーラ市の大聖堂の楽長を務め、
1617年からはヴェネツィアに行き、
サン・マルコ大聖堂の歌手となったようである。
モンテヴェルディと出会い、1627年にはベルガモで、
サン・マリア・マッジョーレ大聖堂の楽長となった。
当時大流行したペストの犠牲となり、
1630年ベルガモで亡くなった作曲家である。

「おお、汝らみな」は、1621年に作曲されたようで、
シンフォニアつきモテット集第一巻に収められている。
「おお、至福なるベネディクトゥス」は、1629年に作曲され、
シンフォニアつきモテット集第三巻に収められている。
今回聴いたCDはデイヴィッド・マンロウ指揮の、
ロンドン古楽コンソートの演奏によるものである。
「おお、汝らみな」は、重々しいオルガンと弦楽器の前奏に続き、
「おお、汝らみな、道を過ぎゆく者らすべて」と、
カウンター・テノールが歌い出して始まる。
途中オルガンと弦楽器によるシンフォニアの部分が続き、
「輝け、天よ、耳をかせ、大地よ」と、
カウンター・テノールが再び歌う。
そのあと再びゆったりとしたシンフォニアの部分となり、
「輝け、天よ、耳をかせ、大地よ」と、
再びカウンター・テノールが歌い始める。
最後は消え入るようにして終わる。
「おお、至福なるベネディクトゥス」は、
コルネット、サックバットによる金管楽器の前奏で始まり、
ルネサンス的でガブリエリを思わせる華やかさがある。
カウンター・テノールとテノールによる歌が続く。
金管楽器とオルガンがその二重唱に絡み合っていき、
神に対する栄光を歌うその曲は輝かしく華麗である。
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イグナツィオ・ドナーティの「主よ、われ汝に望みをかけぬ」を聴きながら三枚町から西谷まで歩く

2009-09-18 06:35:36 | バロック音楽声楽曲・合唱曲編
昨日は三枚町から西谷駅まで歩きました。
二俣川で飲み会があったため、
その待ち合わせの時間に間に合うようなペースで歩いた。
久しぶりに会った卒業生たちとの飲み会は楽しく、
あっという間に時間が過ぎたという感じがする。
みんな元気そうというか、頑張っているようで、
そんな姿をみることでまた頑張ろうという気になれるものである。

途中聴いたのは1575年頃に生まれたドナーティの作品。
カザルマッジョーレに生まれた彼は、ウルビーノ大聖堂の楽長を2度務め、
ペザロ、ファーノ、カザルマッジョーレ、ノヴァラ・ローディなどの町で、
楽長を務めるなどして、1631年以降はミラノに落ち着き、
ミラノ大聖堂楽長を務めながら、教会音楽を多く残した。
「主よ、われ汝に望みをかけぬ」は、1618年に作曲された初期の作品で、
教会のコンツェルト集第一巻(2~5声)に収められた一曲である。
今回聴いたCDはデイヴィッド・マンロウ指揮の、
ロンドン古楽コンソートの演奏によるものである。
二人のテノールがオルガンの弾く伴奏に乗りながら、
ポリフォニック的に掛け合いながらルネサンス風の音楽を展開する。
2声でありながら、ガブリエリの作品を思わせる音楽である。
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ジャン=バティスト・リュリのコメディー・バレ「町人貴族」の音楽を聴きながら西谷から三枚町まで歩く

2009-09-17 04:32:14 | バロック音楽声楽曲・合唱曲編
昨日は西谷駅から三枚町まで歩きました。
途中聴いたのは1632年生まれのリュリの作品。
フィレンツェで粉屋の息子として生まれた彼は、
フランシスコ会の修道士からギターを学んだようだ。
フランス貴族のロジェがイタリア旅行から帰国の際に彼は、
フランスに連れてこられ、その後フランス宮廷で音楽家として活躍した。
1653年国王付き作曲家に任命されて以後34年間にわたりルイ14世に仕え、
フランスにおけるオペラとバレエの伝統を確立させた人物である。
コメディー・バレ「町人貴族」の音楽LWV43は、
1670年に初演され好評を博し、その後も再演された作品である。
劇作家モリエールとリュリの共作によるこの作品は、
トルコの儀式などを入れた異国情緒あふれる曲である。
今回聴いたCDはルネ・ヤーコプスのカウンター・テノール、
ラシェル・ヤーカーのソプラノ、ジークムント・ニムスゲンのバリトンなどの独唱者、
指揮はグスタフ・レオンハルトで、ラ・プティット・バンドの演奏による。

序曲は華やかで優雅な管弦楽による音楽である。
曲は途中からテンポを速め、軽快な感じになる。
次はエール「音楽の先生の弟子が作曲しながら歌う歌」となり、
カウンター・テノールが「夜も昼も、われは悩み、
わが苦しみは限りなし」と悲しげな歌を歌う。
次のエール「女性歌手の歌」はソプラノによる短い曲で、
「夜も昼も、われは悩み、わが苦しみは限りなし」と歌い始める。
「音楽によるディアローグ」は、ひとりの女性歌手と、
ふたりの男性歌手による恋に関する対話が歌によってやりとりされる。
次のエールは4人の踊り手が先生に教えられた動きを演じ、
ありとあらゆるステップを踏むという優雅な踊りの曲である。
この曲の旋律の中にトルコの儀式の音楽の断片を見ることができる。
第1エールは6人の仕立屋職人の踊りとなっており、
続く第2エールは4人の職人の踊りであり、ガヴォットである。
「第1の酒盛りの歌」は男性歌手二人による二重唱である。
「第2の酒盛りの歌」はやはりバリトンとバスによる二重唱で、
「さあ飲もう、友よいざ」と歌い始め、やがてテノールなども加わる。

「トルコの儀式」の曲がこの音楽の中核となる。
トルコ行進曲風に太鼓が叩くリズムに乗ってトルコ人たちが登場する。
「偉大なる神(アラー)」ということばに続き大僧正と、
トルコ人たちの歌のやりとりが途中間奏も入れながら続いていく。
鳴り物も入りトルコ風であることには違いない。
そのあとは諸国民のバレが続き、第1から第6の登場まであるが、
その前の音楽が強烈なのでやや違和感を抱いてしまうものである。
第1の登場は洒落た男女とガスコーニュ出の男とスイス人、
そしてお喋りな町家の老人・老女とのやりとりが続く。
第2の登場は踊りのための音楽であり、
第3の登場は三人のスペイン人たちによる独唱である。
第4の登場は男女のイタリア人歌手の独唱と二重唱である。
第5の登場は第1のメヌエットに続き、二人の男性歌手の独唱と、
二重唱が続き、第2メヌエットをはさみ、最後再び二重唱で終わる。
第6の登場は全体の踊りの合唱のための音楽となっている。
この華やかな中で、「町人貴族」の音楽の全曲を閉じている。
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ジャン=フィリップ・ラモーの歌劇「ピグマリオン」を聴きながら二俣川から三ツ境まで歩く

2009-09-16 09:50:47 | バロック音楽声楽曲・合唱曲編
昨日は二俣川から三ツ境駅まで歩きました。
途中聴いたのは1683年生まれのラモーの作品。
彼の略歴については、協奏曲・管弦楽曲編で触れたので省略する。
「ピグマリオン」は、1748年に初演された一幕もののバレ付きオペラである。
登場人物はピグマリオンと彼の恋人セフィーズ、彫像と美の神。
テノールのピグマリオン役以外は、みんなソプラノである
あらすじは彫刻家であるピグマリオンが自分の製作した彫像に恋をする。
心変わりを知った恋人のセフィーズはそのことを責めるが、
彼には恋する彫像のことしか頭になく、セフィーズは彼のもとから去る。
愛の神に対し、ピグマリオンはその想いを訴えると、
愛の神は彫像に生命を与え、動き出し、話し出す。
人間となった彫像に向かってピグマリオンは、
彫像の時からずっと恋していたことを語り、
二人は結ばれるといった内容のものらしい。
今回聴いたCDはジョン・エルウィスのテノール、
ミケ・ファン・デァ・スレゥス、フランソワ・ファンヘッケ、
ラシェル・ヤーカーのソプラノ、パリ・シャペル・ロワイヤル合唱隊、
グスタフ・レオンハルト指揮のラ・プティット・バンドの演奏による。

序曲は、優雅で牧歌風な管弦楽による曲である。
軽快なテンポで刻む通奏低音のリズミカルな音も心地いい。
第1場に入ると管弦楽の短い前奏に続き、
ピグマリオンが登場して「運命の愛の神よ、むごい勝利者よ」を歌う。
恋の苦しみを歌っているようで曲は少しせつない感じである。
第2場は恋人セフィーズの歌で始まる。
「ピグマリオン、そんなことあって?」と歌い、彼を責める。
それに彼はこたえるが、彫像に夢中のようで、彼女は彼のもとを去る。
第3場に入り、ピグマリオンは「何という色香、何という魅力!」と歌う。
彫像に対する彼の想いが切々と語っているのだろう。
短い間奏のあともピグマリオンの夢心地な歌は続いていく。
続く「わたし、何をみているの?どこにいるの?」で、
歌うのは彫像役であり、ここで彫像に生命が吹き込まれたことになる。
しばらくピグマリオンとの間のやりとりが続く。
ここでピグマリオンは彫像への今までの想いを伝えるのだろう。

第4場「愛の神の力が」は愛の神による歌で、
舞曲風な管弦楽の伴奏に乗って軽快に歌っていく。
そのあとは短い舞曲として、管弦楽のみの演奏によって「エール」、
「優美なガヴォット」、「メヌエット」、「快活なガヴォット」、
「速いシャコンヌ」、「きわめて重々しいルール」、
「3人の美神(速いパスピエ)」、「リゴドン-快速に」、
「彫像のためのサラバンド」、「タンブラン-強くそして速く」と続いていく。
この中では彫像のためのサラバンドが一番長く、叙情的な曲である。
最後の「タンブラン-強くそして速く」はうってかわって軽快な曲である。
これらの舞曲が終わると「われらは焦燥に身を委ねよう」で人びとの合唱となり、
そしてピグマリオンが「この辺りの人びとが」という短い曲を歌う。

第5場に入り、しばらく管弦楽による前奏が続き、
ピグマリオンが「愛の神の勝利だ」を歌い、合唱も加わり盛り上がる。
続く「とぼけた遅めのパントマイム-きわめて速い第2パントマイム」は、
管弦楽によるゆったりとした優雅な音楽であり、
途中からテンポが速めになり、軽快でやや荒々しい舞曲風な音楽となる。
そしてピグマリオンによる「愛の神よ、支配せよ」が歌われ、
歌による部分はここですべて終わるとなるので、
ここはテノールにとっての最後の聴かせどころとなる。
続く「エール」は、やや叙情的な音楽であり、
最後の曲となる「コントルダンス(ロンド)-快活に」は、
対照的で華やかな舞曲風の曲であり、タンバリンの音が印象的だ。
何度もその旋律が繰り返されながら全曲を閉じる。
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