Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

エラスムス・ヴィートマンの「音楽の徳の鏡」を聴きながら、三枚町から西谷まで歩く

2009-09-25 05:44:10 | 中世・ルネサンス音楽器楽曲・合奏曲編
昨日は三枚町から西谷駅まで歩きました。
途中聴いたのは1572年生まれのヴィートマンの作品。
エラスムス・ヴィートマンは、シュヴェービッシュ・ハルに生まれ、
オルガニスト兼作曲家として活躍した。
生い立ちについてはよく分かっていないが、
オルガニストとしては、1595年シュタイアーマルク州の
アイゼネルツという町で活動し、1596年にはグラーツで活動し、
1599年にはシュヴェービッシュ・ハルのカントールに就任している。
1602年にはヴァイカースハイムのホーエンローエ伯のもと楽長に就任したようだ。
「音楽の徳の鏡」の作曲年代について詳しいことは分からない。
今回聴いたCDはフリッツ・ノイマイヤーの指揮、
コレギウム・テルプシコーレの演奏によるものである。

CDの中にある「音楽の徳の鏡」には、
その中から選ばれた4つのダンツとガリアルドが収められている。
1曲目の「ゾフィーア(13番)-アンナ(4番)」は、
最初全合奏による堂々とした曲で、舞踏風の音楽が奏されるが、
中間部の旋律は弦楽器中心の別の旋律で、最後再び最初の旋律が現れて終わる。
2曲目の「クラーラ(6番)」はガリアルドであり、叙情的な音楽で、
リュートと弦楽器の合奏に続き、リコーダーやハープシコードが加わる。
3曲目の「マグダレーナ(3番)」は、主旋律を奏でるリコーダーが、
打楽器の軽快なリズムに乗って奏する楽しい曲。
4曲目の「アガータ(15番)」は、叙情的な旋律が弦楽器中心に奏される。
最後の曲の「レギーナ(12番)」は、太鼓の軽快なリズムに乗って、
リコーダーが明るい旋律を奏で、弦楽器に引き継がれ、
最後は全体で旋律が奏されて華やかに終わる。
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ウィリアム・ブレードの「ハンブルク市参事会の音楽」を聴きながら、赤坂見附から渋谷まで歩く

2009-09-24 05:33:30 | 中世・ルネサンス音楽器楽曲・合奏曲編
昨日は赤坂見附から渋谷駅まで歩きました。
カーサ・クラシカでの昼のライブのあと、
246号線に沿って歩いてみました。
途中聴いたのは1560年生まれのウィリアム・ブレードの作品。
イギリス出身の彼は、ヴァイオリン奏者、ガンバ奏者として活躍した。
後期ルネサンス音楽からバロック音楽の初期に活躍した音楽家である。
1590年頃にイギリスからドイツに渡り、
1594年から1596年の間、デンマーク王クリスチャン4世の
宮廷音楽家として活躍し、その後も何度かここに滞在したようだ。
またベルリンやハンブルクなどドイツ各地の自由都市で活動した。
ハンブルク市参事会の音楽は1609、1614、1617年に
それぞれ出版された作品をまとめたものであるようだ。
今回聴いたCDはホルディ・サバール指揮、エスペリオンXXによるもので、
その中から、1609年ハンブルクで出版されたうちの
「あらゆる楽器を楽しく用いるために新しく選別されたパドアーヌ、
ガリアルド、カンツォーネ、アルマンド、クーラント」の作品を聴いた。

イントラーダは、金管楽器と打楽器が加わり華やかに始まる。
ルネサンス的な部分を見せながら、力強い感じの曲である。
リコーダがさらに加わって、楽しい感じの中で終わる。
アルマンドは、アルパによる演奏で優雅な感じの短い曲である。
クーラントは、弦楽器により舞曲風の軽快な旋律が奏される。
アルマンドは、リコーダと打楽器により軽快に奏される。
リズミカルな感じで華やかさのある楽しい曲である。
カンツォーンⅠpars.-ガリアルド(ⅩⅣ)は、
弦楽器によりゆったりとした旋律が奏される。
旋律を掛け合いながら進行していくのがカンツォーン的である。
そのカンツォーンのあとのガリアルドは軽快な感じの舞曲である。
カンツォーンⅠpars.-ガリアルド(ⅩⅤ)は、
軽快なテンポで始まるが、やや叙情的な感じであり、
ポリフォニックな音の作りが楽しい。

ガリアルドも軽快で、ポリフォニックな舞曲である。
パドゥアーナは、アルパによるゆったりとした叙情的な曲で、
旋律が掛け合うところが素晴らしい。
ガリアルドは、同じくアルパにより奏される軽快な舞曲。
カンツォーンⅠpars(ⅩⅥ-1)は、金管楽器が入り、
華やかな感じが加わり、金管楽器の掛け合う演奏が素晴らしい。
カンツォーンⅠpars(ⅩⅥ-2)は、弦楽器と金管楽器が、
旋律を掛け合いながら進行する楽しい曲である。
オルガンも加わり最後は華やかに終わる。
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ミヒャエル・プレトリウスの舞曲集「テルプシコーレ」を聴きながら横浜から星川駅まで歩く

2009-09-23 09:46:13 | 中世・ルネサンス音楽器楽曲・合奏曲編
昨日は横浜から星川駅まで歩きました。
途中聴いたのは1571年に生まれたプレトリウスの作品。
クロイツブルクに生まれた彼は、
フランクフルトでオルガン奏者として活動し、
ヴォルフェンビュッテルやザクセンの宮廷に仕えた。
ヴェネツィア楽派の様式などを取り入れ、
舞曲集やコラール作品を多く残した。
舞曲集「テルプシコーレ」は1612年に出版された。
今回聴いたCDはフリッツ・ノイマイヤー指揮、
コレギウム・テルプシコーレの演奏による。
この舞曲集の中からは6つの舞曲が収録されている。

アントレ-クーラントは、太鼓の軽快なリズムに乗って、
リコーダーと弦が明るい舞曲風の旋律を奏でていく。
イタリア的であり、とてもドイツの作曲家の作品と思えない。
中間部を経て素朴な最初の主題が登場して華やかに終わる。
ガヴォットも太鼓の軽快なリズムに乗って楽しい旋律が奏される。
スパニョレッタは、当時はやっていた「紡ぎ歌」の旋律による曲で、
弦楽器中心に静かにおだやかに演奏される。
レスピーギの「リュートのための古風な舞曲とアリア」の
第3組曲の第3曲「シチリアーナ」にも使われた有名な旋律である。
ブーレは、リコーダーが活躍する明るく軽快な音楽に続き、
中間部は弦楽器中心に奏し、最後は最初の部分に戻り、華やかに終わる。
バレットは、弦楽器中心にしんみりと演奏される叙情的な曲。
リコーダーが加わって明るい感じになって終わる。
ヴォルタは、太鼓のリズミカルな演奏に続き、
弦楽器そしてリコーダーが加わり華やかになり、
中間部の弦楽器・リコーダーにより奏される旋律は、
レスピーギの「リュートのための古風な舞曲とアリア」の
第1組曲の第2曲「田園舞曲」の中間部に登場する旋律と
同じものであり、有名な旋律である。
最後は最初の軽快な音楽に戻って華やかに終わる。
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ジョヴァンニ・ガブリエリの第12旋法による8声のカンツォーナを聴きながら中目黒から渋谷まで歩く

2009-09-22 08:47:01 | 中世・ルネサンス音楽器楽曲・合奏曲編
昨日は中目黒駅から渋谷のバルキーニョのお店まで歩きました。
途中聴いたのは1553年頃に生まれたジョヴァンニ・ガブリエリの作品。
ヴェネツィアに生まれた彼は叔父アンドレーアからの音楽教育を受け、
ミュンヘンに留学したあとヴェネツィアに戻り、
聖マルコ教会などのオルガニストとして活躍した。
カンツォーナやソナタ、宗教曲の分野で多くの作品を残した。
今回はナクソスのガブリエリの金管のための作品集第3集を聴いた。
これは、エリク・クリーズ指揮によるもので、
演奏はロンドン・シンフォニー・オーケストラ・ブラス。
この中で今回は「第12旋法による8声のカンツォーナ」をとりあげる。

「第12旋法による8声のカンツォーナ」は1597年に作曲された。
高校時代にLPレコードでガブリエリの音楽に初めて出会った時に、
この曲は、最初に聴いた曲なので想い出がある。
2つの金管による旋律の受け渡しから始まり、
金管全体の合奏となり、華やかになっていく曲である。
今回聴いたCDは高校生の時に聴いたLPの演奏とは違い、
軽快なテンポで、あっさりとした感じで演奏している。
しかし、そうはいえ演奏上難しいだろうなあと思わせるのだが、
神への栄光を感じさせる最後の終わり方がいいのである。
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ジョン・ダウランドの「ラクリメあるいは7つの涙」を聴きながら関内から天王町まで歩く

2009-09-21 10:00:04 | 中世・ルネサンス音楽器楽曲・合奏曲編
昨日は関内から天王町駅まで歩きました。
伊勢佐木町から野毛坂付近を経由して平沼商店街を通り、
西横浜駅まで行き、そこから水道道で天王町まで歩きました。
途中聴いたのは1563年に生まれたダウランドの作品。
いよいよ今回からは古代・中世・ルネサンス音楽編となる。
まずは協奏曲・管弦楽曲編といきたいところだが、
これに該当するような曲はこのあたりではない。
そこでここでは小編成の合奏曲にあたるものをあげていく。

ダウランドは歌曲「涙のパバーヌ」で有名なイギリスの作曲家である。
ロンドンで生まれた彼は、リュート奏者としても活躍した。
しかし、前半生は不遇であったようで、
エリザベス女王時代に宮廷リュート奏者に志願したものの、
おそらく宗教的な理由からだろうが拒否された。
このこともあって、憂鬱になった彼の精神状態は悪化したようだ。
国内のカトリック教徒たちによる女王暗殺計画の策謀にも巻き込まれ、
一時期国外に逃れたが、1598年にはデンマークの宮廷リュート奏者に任命された。
1606年までデンマークの宮廷で活動したが、その後帰国した。
彼がイギリスの宮廷リュート奏者に任命されたのは、
ジェイムズ1世の治世の1612年以降であったようだ。

「ラクリメあるいは7つの涙」は1604年に作曲された。
5つのヴァイオルとリュートの編成によって作られたこの作品は、
有名な「涙のパバーヌ」を主題に編曲した7つの曲が最初に置かれている。
全曲21曲からなる作品であるが、ここでは最初の7曲について触れる。
今回聴いたCDはヤコブ・リンドベルイの指揮、
ダウランド・コンソートの演奏による。
高校生の頃はダウランドの作品に惹かれてLPレコードを買い、
バーゼル・スコラ・コントゥルム・ヴィオラ・ダ・ガンバ五重奏団のものを聴いた。
そのレコードも大切に持っているが、今回はCDの方を聴いた。

「真のラクリメ」は、原曲の意味をさしており、
有名な「涙のパバーヌ(流れよ、わが涙)」の旋律が、合奏により示される。
素朴でありながら悲しみをたたえた名曲である。
「再生されたラクリメ」は、最初の部分の旋律は同じであるが、
そのあとは違う旋律が現れルネサンス的な部分を感じさせる。
「嘆きのラクリメ」や「悲しみのラクリメ」になると、
さらに原曲の部分は変形されているが、原曲よりはやや明るさがある。
「共感のラクリメ」と「憧れのラクリメ」になると、
だいぶ原曲とは変わっており、だいぶイメージは薄れる感じだ。
絶望・嘆きよりはそこに明るい希望のようなものが見える感じだ。
「真実のラクリメ」は、やや原曲に少し近づいた感じの、
少し陰影のある曲であるが、一部分は似ているものの、変形させ、
7曲それぞれに違う表情をみせる技法はなかなかだと思う。
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