木曽にキャンプに行く。国道から田舎道に折れ、田舎道がいつしか山道となり、山道が急速に細く険しくなった先に、そのキャンプ場はある。荷物を解いて折り畳み椅子に腰掛けると、足元からはせせらぎの音が、頭上に茂る木立からは鳥のさえずりが聞こえてくる。まことに野趣溢れるキャンプ場である。その片隅には売店があり、自動販売機があり、釣り堀まである。興ざめだと言いたいところだが、結局それらを活用して大助かりするのが現代人の悲しい性である。現代の野趣には、釣り堀もシャワー室も欠かせないのだ。
シュラフにくるまって寝た翌朝は雨になった。折り畳み椅子に腰掛けて、雨を眺める。霧が立ちこめる。緑はいよいよ緑になる。一晩夜気に当たった薪は容易に着火しなかったが、一旦黄色い炎を上げると、今度は雨に打たれてもなかなか消えようとしなかった。
シュラフにくるまって寝た翌朝は雨になった。折り畳み椅子に腰掛けて、雨を眺める。霧が立ちこめる。緑はいよいよ緑になる。一晩夜気に当たった薪は容易に着火しなかったが、一旦黄色い炎を上げると、今度は雨に打たれてもなかなか消えようとしなかった。