時代はいよいよ混迷の度合いを増し、人々はいよいよ信じるものを失いつつある。正しいものは綺麗にラッピングされてバーゲンセールされ、美しいものは究極の形をとって無料ダウンロードされる。そういった世の中になった。そういった世の中とはいったい何なのかさえわからない時代が来た。憎しみではなく憂さ晴らしに人が殺され、愛や幸福ではなく馬鹿笑いすることが無上の価値を帯びる。天災という名で人類の力ではどうにもならないことが時折起こるが、ずっとそんなことを起こしてきたのが自分たち自身であることすら、すでに忘られつつある。
これでいいのならささやかな拍手の欲しいところだ。だが、それをしてくれる異星人はまだ見つかっていない。
Goodbye 2016. Goodbye 長過ぎた現代。