た・たむ!

言の葉探しに野に出かけたら
         空のあお葉を牛が食む食む

人間疎外

2024年08月23日 | essay

 

かつて「人間疎外」が叫ばれた時代があった。

社会の発展とともに急速に進む機械化の中で、人々がその歯車の一部として生きることを強いられ、人間らしさを奪われていく現象を言った。

現代はどうだ。

自動精算機で人間同士のやり取りを阻まれ、

レストランではロボットに給仕されて喜び、

システム改善の名のもとに生き方を矯正され、

どんどん何もしなくて良い世の中となり、

今や創造する自由まで奪われようとしている。

拍手! 人間が完成させようとしている人間疎外に、拍手。

その完成度の高さには、思わず、自然の摂理の関与さえ疑ってしまうほどだ。

 


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