2014年4月9日(水)、一関市厳美町の国道342号線沿いの灌漑用水の堰の傍にキクザキイチゲ(菊咲一華)/キクザキイチリンソウ(菊咲一輪草)が群生して紫色の花を沢山咲かせていました。近くには白色の花を咲かせているものもありました。また、よく見ると葉の形が異なるアズマイチゲ(東一華)もありましたので、アップロードします。
(上と下)近くに自生していた白花と紫花のキクザキイチゲ(菊咲一華)/キクザキイチリンソウ(菊咲一輪草)。葉の形が異なっています。
アズマイチゲ(東一華) キンポウゲ科 アネモネ(イチリンソウ)属 Anemone raddeana
日本各地の山地に分布し、早春に日が当たり、初夏に日陰となる落葉樹林に自生する多年草。1本の茎の頂部に1輪だけ白花をつける。花弁はなく、花びらに見えるのは萼である。花の下の3枚の小葉の総苞葉(そうほうよう)は、紫色を帯びることがある。高さは10~20cm。晩春に休眠する。花期:2~4月。
和名は、東日本で発見され、花は1つしかつけないので、アズマイチゲ。その後、西日本にも分布していることが判明。「東(あずま)」とは、奈良時代には信濃・遠江(とうとおみ)より東の諸国を指し、その後箱根より東、特に関東地方をいった。「一華(いちげ)」とは、1本の茎に1輪の花が咲いていることを指す。アズマイチゲは、これらの意味から「関東地方によく見られる花」となるが、実際には日本各地の山地で見られる。なお、「華」と「花」の文字は、中国で、曼珠沙華(まんじゅしゃげ)のような花の形の象形文字として「華」ができ、その後、北魏(ほくぎ)の頃(425年頃)に新字の「花」ができたようだ。「花」は、「華」がもつ意味と音の二文字を結合して新文字にした形声(けいせい)字といえる。従って「一華」の方が「一花」よりも花の形を表わす。
仲間には、近畿から東の山地で見られるキクザキイチゲ(菊咲一華)や、近畿から西に自生するユキワリイチゲ(雪割一華)がある。花、葉、高さなどはアズマイチゲ(東一華)とほぼ同じで、ともに晩春から休眠する。早春に花が咲き、初夏には姿を消すスプリング・エフェメラルのひとつ。[山と渓谷社発行「山渓名前図鑑・野草の名前(春)」より]
https://app.blog.ocn.ne.jp/t/app/weblog/post?__mode=edit_entry&id=34184610&blog_id=82331 [peaの植物図鑑:一関市東山町のアズマイチゲ(東一華)2010年4月9日(金)]