2018年12月25日(火)、今野敏著『廉恥』(平成28年8月5日所版発行、幻冬舎文庫)を読みました。この作品は2014年4月幻冬舎より刊行されたものです。
本書は「警視庁強行犯係・樋口顕シリーズ」の4作目の作品で、彼の数ある警察小説の中では比較的初期のものです。第1作『リオ』が刊行されたのは1996年。それから『朱夏』(1998年)、『ビート』(2000年)と順調に続き、ちょうど安積班(あづみはん)の「東京ベイエリア分署」ものが種々の事情で中断したせいもあって、こちらが代表的なシリーズになるかもしれないとまで思ったくらいだった。ところが、そこでなぜか突然終わってしまったのだった。本書はそれから14年経って復活した、待望の一作であった。(以上、文芸評論家・関口苑生の「解説」より)