2019年1月7日(月)、今野敏著『最前線~東京湾臨海署安積班』(2007年8月18日発行、ハルキ文庫)を読みました。この作品は、2002年6月に角川春樹事務所から単行本として刊行されたものです。
この『最前線』は下記の目次にある通り、全6篇から成る連作集で、巻頭の「暗殺予告」から安積班の面々は2つの事件に忙殺されることになります。海上保安庁が羽田沖で密航者を摘発、東京湾臨海署にも助っ人の要請が入ります。同じ日、香港マフィアから命を狙われている映画俳優サミエル・ポーがお台場にあるテレビ局を訪れることになっており、本庁の警備部が指揮する警備現場にも人員を割くことが求められていました。安積警部補は、一息すると無関係に思える2つの事件が実はリンクしていることに気付くが、警備責任者は意見を聞こうとしません。警察という厳格な階級社会に属しながら、上司の間違いを堂々と指摘し、自らが信じる正義を貫こうとする安積の姿は、すべての社会人が見習うべきだろう。四方を海に囲まれた埋め立て地というベイエリアの地理的条件を利用して、犯人が仕掛けたトリックも秀逸で面白い。(以下省略)[文芸評論家・末國善己(すえくに・よしみ)の「解説」より] 面白くて一気に読み終えました。
なお、今野敏著・監修の『安積班読本』(2009年7月8日発行、ハルキ文庫)が角川春樹事務所から発行されています。この『最前線』のあらすじも掲載されています。