ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

ひつまぶし

2007年07月24日 | 食べ物


この言葉を見るとどうしても「暇つぶし」に見えてし
まう「ひつまぶし」だが、昨日の続きになるが、季節
物として当然のこと今時は需要が増しているはずで、
特に本場の名古屋辺りでは大賑わいなことだろう。
元々蒸さない鰻なので、ご飯に混ぜて結果的に蒸し状
態にするのは理にかなっているのだが、それなら最初
から蒸せば、或いは、結局蒸した方が美味しいという
事なのか、と少々疑問にも感じる。

一度だけ本場で食べたことがあるが、その店のものは
兎に角タレの味が濃く、お茶漬けで食べさせるダシ(お
茶漬けなのにお茶を使わないことに関してはここでは
不問)がまたしょっぱく、これが名古屋のスタンダード
か、と大いに驚いた。
個人的には驚いたが、一緒に行った田舎の人たちはそ
うでもなさそうなので、田舎風味付けと言えるのかも。
一店だけなので、名古屋全体の傾向かどうかは分から
ないのだが、とりあえず個人的な「名古屋の味」はこ
のとき刷り込まれた。
こういうのが積み重なって、名古屋に対する偏見が定
着していくんだろうな。

基本的には、しっかりした味付けの鰻の蒲焼を、がし
がし食わせるという、どんぶりもの的食べ物であると
思う「ひつまぶし」は。
少々鰻の質が悪くても、何とか食べられるという意味
では、良い食べ方なのかもしれない。
そのためには、濃い味付けは絶対条件なのだ。
例えばスーパーなんかで売っている中国鰻の蒲焼。
今では、別の意味で手を出す人もいなくなったかもし
れないが、あの手の鰻も、まずお湯で一旦鰻を洗い(
これは変な臭みを洗い流すという工程、結構重要)、
改めてタレを絡め、細かく切ってご飯とあわせ、薬味
のあさつき、きざみ海苔をたっぷりかければ、それな
りに旨く食べられる。
よくある、安いものを旨くする方法というやつだが、
正直、そこまでして食べたいとは思わないので、実際
やることはない。
しかし、「ひつまぶし」という食べ方が有効であるの
は間違いない。

もう一つしかしであるが、最後に食べる「お茶漬け」
は本当に旨い食べ方なのか。
甘い鰻がお茶漬けに合うとは思えないのだが、そうで
もないのか。
結構変な食べ物が多い名古屋ならではの食べ方、とい
うほど変ではないが、さして美味しいとは思えない。

コメント