今年初のブログである、と言っても一日置いただけの
ことで、何か特別なものであるはずもないのだが、不
思議なもので「初ブログ」という言葉をつけると何か
普段とは違う気分になるから、言葉というのはやはり
魔力を持っている、ということでもなく、一番の理由
は、正月がはさむと普段のリズムと変わるので、それ
が精神的モードに何らかの影響を与えて、気分一新と
いう一時の錯覚を覚えるのかとも思う。
と、どうでも良いようなことを考えながら、時は進ん
で2009年がすでに始まっているのである。
31日は、たまにはワインということで、「シャトー.
モンローズ」というボルドーの1987年物を開けた。
と聞くと、一端のワイン通のように聞こえるが、多分
この事実だけ見れば、そこそこの少なくともある程度
ワインを知った人間であると感じられても不思議では
ない。
実際、このワインはずっと保管しているのもので、こ
こ最近買ったというものではないので、この事実だけ
でも個人的ワインストックがあることを表わしている。
が、しかしだ。
確かに、ストックはあるが、全て過去のある時期に買っ
たもので、飲んでいたのもその僅かな期間の出来事で、
それっきりの話なのだ。
今回の「シャトー.モンローズ」も、たまたま残ってい
たものを開けただけのことなのである。
すっかり遠ざかってしまっていて、ワインの味も今ひ
とつはっきりしなくなり、美味しいのか美味しくない
のか判然としない、なんて状態になるのではないかと
いう危惧を持つかもしれないが、実際そうなる。
20年前のボルドーだったら、論理的には飲み頃であ
ろうことは分かるが、これが本来の味なのかどうかは
全く判別できない。
しかし、充分にボディーがあることは分かる。
ボディーなどという用語を使うところが、ちょっと通
的ないやらしさだ。
どうも、良くない。
「こく」だね、要するに。
そして何より、冷えすぎていて、まだ開花していない。
この表現も、ちょっとか。
香りが、出きってないのだ。
というこで、グラスに注いで暫く放置という手段をと
り、結局いかにもワインにうるさいという世界そのま
まを演じることになってしまったのだが、ワインの味
というのは、そんな微妙な要素で構成されているので
しょうがないのかもしれない、こうなるのも。
だから、多くの人を惹きつけるのだろう。
最早、ワイン=うるさい人間というのは一つの公式だ。
まあ、そんな感じの久しぶりのワインであったが、他
にマニアがいるわけでもないので、なかなか美味しい
ということで何事もなく飲み終わった。
テレビは、特番だけで、大して見たくもないがとりあ
えず見て、最後にちょっと「紅白」を見たら、ちょうど
スマップかなんかで、相変わらずのわざとらしい世界
に腹立たしさを覚え、やはり紅白は見るべきものでは
ないなと確信し、「行く年来る年」のこれはdeja vu
かと思われるようなどこかのお寺の風景を見て、こう
いうのは暮れの風物詩としてはありだな、と思い、そ
のご眠くなり寝たといういつものパターンの31日で
あった。