ヒヨコ豆のカレーは、無事に完成した。
カレーにすると、それぞれの豆の個性は分かり辛いが、
煮てるときの味は、それぞれがそれぞれの味を発揮し
ている。
ヒヨコ豆は、それ自体に微かな甘味があり、風味も、
小豆のような或いは他の何かの豆のようなものがあり、
美味さを予感させた。
感触は、他の豆とは一線を画す。
黒砂糖をかじったような感触だ。
柔らかいと言うより、崩れるといった感じの、ヒヨコ
豆独自の質感だ。
これはこれで良い。
豆カレーの中でも上位だ。
というより、最近の好きなカレー上位は、全て豆カレー
であった。
初期は「キーマカレー」が上位であったが、今は「野菜
カレー」にその地位は奪われ、その野菜カレーの中でも
上位は、全て「豆カレー」というのが今の状況である。
ここまで豆に魅了されるとは、誰が想像したか。
豆好きの終着点は、「豆カレー」。
単なる個人の嗜好、と言ってしまえばそうなのだが、
各国の食文化の中の豆料理の地位を考えると、その重
要性は否定できない。
豆に始まり豆に終わるというのは、普遍的な食文化の
謂わば法則なのである。
と、今考えた。
豆好きの詭弁みたいなものだ。
その「ヒヨコ豆のカレー」だが、一回目はそのまま食
べたが、残りに、今度は以前の「レンズ豆のカレー」に
使った残りのレンズ豆が50グラムほど残っていたの
で、それを足した。
上の文章「残り」が三回も使われているので、ちょっ
と読み辛い、というのは置いといて、レンズ豆を足した
「ヒヨコ豆のカレー」は、更に美味しくなったかとい
われると確信は無いが、充分美味しいものであった。
「豆のブレンドカレー」、一つの可能性を示唆するよ
うなカレーの誕生である。
「クールの誕生」ならぬ「ホットの誕生」だ。